山の日が制定された訳 | 人は食べた物で創られる

山の日が制定された訳

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「山の日」は、2016年(平成28年)に施行された比較的新しい国民の祝日です。その制定には、以下のような理由と背景があります。

山の日が制定された訳

1. 「海の日」の存在とバランス

1996年(平成8年)に「海の日」が国民の祝日として制定されたことが、山の日制定の大きなきっかけとなりました。

日本は海に囲まれた国であると同時に、国土の約7割を山が占める「山の国」でもあります。

海に感謝する日があるならば、山にも感謝する日を設けるべきだという声が、山岳関係者を中心に高まっていきました。

2. 山の恩恵への感謝と再認識

「山の日」の趣旨は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と定められています。

山は私たちに様々な恩恵をもたらしています。

  • 水資源の供給: 山は清らかな水を生み出し、私たちの生活や農業を支えています。
  • 森林資源の供給: 木材をはじめとする森林資源は、私たちの暮らしに欠かせないものです。
  • 生物多様性の維持: 多くの動植物にとって生息・生育の場であり、豊かな生態系を育んでいます。
  • 防災機能: 森林は土砂災害や洪水の緩和に重要な役割を果たしています。
  • 精神的・文化的価値: 日本人は古くから山に対して畏敬の念を抱き、信仰の対象としてきました。また、山はレクリエーションや観光の場としても親しまれています。

これらの山の恩恵に改めて感謝し、山と人間の深い関わりを見つめ直す機会として、「山の日」が制定されました。

3. 市民運動からの盛り上がり

「山の日」の制定は、政府や行政が一方的に決めたものではなく、市民からの長年の運動によって実現したという特徴があります。

1961年(昭和36年)に富山県・立山での登山者による「山の日をつくろう」宣言にさかのぼるなど、以前から山岳関係者を中心に祝日制定への機運がありました。

特に、2002年の国際山岳年を契機に、山の日を祝日としようとする構想が具体化し、日本山岳協会をはじめとする山岳団体が「山の日制定協議会」を設立。

さらに超党派の「山の日制定議員連盟」が発足するなど、全国的な運動へと広がりを見せました。

4. 8月11日になった理由

8月11日という日付が選ばれた理由については諸説ありますが、以下の点が挙げられます。

  • お盆休みとのつながりやすさ: 夏休みやお盆休みの時期に近く、連休を作りやすいという利点がありました。
  • 語呂合わせ: 「八」という漢字が山に見えること、「11」が木が並んでいるように見えることなど、縁起の良い語呂合わせも理由の一つとされています。
  • 他の記念日との兼ね合い: 当初は8月12日という案もありましたが、1985年(昭和60年)の日本航空123便墜落事故の日であること、また墜落現場が山であったことなどを考慮し、最終的に8月11日になりました。

さいごに

このように、「山の日」は、日本の自然環境への感謝と、国民が山に親しむ機会を創出することを目的として、長年の市民運動を経て制定された祝日と言えます。

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