同じ1円でも違う 携帯キャリア販売の罠 | 人は食べた物で創られる

同じ1円でも違う 携帯キャリア販売の罠

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「1円スマホ」には、主に**「一括1円」「実質1円」**の2種類があり、それぞれ仕組みが異なります。

同じ1円でも違う 携帯キャリア販売の罠

どちらも、キャリアが顧客を獲得するための戦略として行われています。

一括1円と実質1円の仕組み

一括1円

端末代金が1円になる、文字通り「買い切り」の仕組みです。

割引の適用条件は、新規契約や他社からの乗り換え(MNP)など、各社が独自に設定しています。

  • 特徴: 端末を返却する必要がなく、完全に自分のものになります。
  • 対象機種: ほとんどが型落ちモデルや、元々安価なエントリーモデルです。高性能な最新機種が1円で提供されることは稀です。
  • なぜできるのか: 端末代金に対する割引額の上限は法律で定められていますが、家電量販店や販売店がキャリアの割引とは別に独自に割引を行うことで、1円という価格を実現しています。

実質1円

これは、「残価設定型」の分割払いを利用したものです。

例えば、48回の分割払いでスマホを購入し、2年後の25ヶ月目に端末を返却すれば、残りの24回分の支払いが免除されるという仕組みが一般的です。

2年間で支払う金額が1円×24回=24円になるため、「実質1円」と表現されます。

  • 特徴: 端末を返却することが前提となっており、レンタルに近い感覚です。
  • 対象機種: 一括1円とは異なり、iPhoneなどの比較的高価な最新機種が対象になることが多いです。
  • なぜできるのか: キャリアは、端末を回収して中古品として再販することで、利用者に免除した残債分を回収しています。これにより、ユーザーは安く最新機種を使える一方、キャリアは新たな顧客を獲得し、通信料などで収益を確保できます。

1円スマホのメリット・デメリット

どちらのタイプも、契約前には注意すべき点があります。

メリット

  • 初期費用が抑えられる: 高価なスマホを非常に安価に手に入れることができます。
  • 機種変更しやすい: 実質1円の場合は、2年ごとに新しい機種に乗り換えやすくなります。

デメリット・注意点

  • 端末を所有できない場合がある: 実質1円は端末の返却が前提です。
  • 通信料金が高くなる可能性: 端末代金が安くなる代わりに、通信プランが高めに設定されている場合があります。
  • 解約の制約: 一定期間内の解約には違約金が発生したり、高額な残債を一括で支払う必要がある場合があります。
  • 端末の状態による追加料金: 実質1円の場合、返却時に端末が破損していると、追加料金が発生することがあります。

安価にスマホを手に入れられるのは魅力的ですが、料金プランや契約条件、端末の返却義務などをよく確認することが大切ですね。

携帯キャリア 会社が新規や NNP を優先するわけ

携帯キャリアが新規契約やMNP(ナンバーポータビリティ)を優遇する理由は、主に**「市場の奪い合い」「顧客単価の向上」**にあります。

日本の携帯電話市場は、すでに多くの人がスマホを所有しており、新規顧客の開拓が難しい成熟した市場です。

そのため、各キャリアは他社が持っている顧客を自社に引き入れることに力を入れています。

MNP(他社からの乗り換え)を優遇する理由

1. 市場シェアの拡大

MNPは、自社の顧客を増やすだけでなく、同時に競合他社の顧客を減らすことになります。

これは、ゼロサムゲームのようなもので、一つの契約を獲得することで、同時に相手の契約を一つ減らす効果があります。

そのため、新規顧客を獲得する以上に、市場シェアの獲得競争において非常に重要視されます。

2. 高い顧客獲得コストを回収するため

MNPで乗り換えを検討するユーザーは、価格やサービスに不満を抱えている可能性が高く、キャンペーンなどで**「お得感」を強く提示する**ことで、契約に繋がりやすくなります。

キャリアは、高額な割引やキャッシュバックを提供してでも顧客を獲得し、その後の通信料やオプションサービスで長期的に収益を回収しようとします。

新規契約を優遇する理由

1. 新たな市場の開拓

MNPと異なり、新規契約は、これまで携帯電話を持っていなかった人(例えば、子供や高齢者など)や、通信環境を新たに必要とする顧客(タブレットやモバイルルーターなど)を獲得するチャンスです。

2. 契約の入り口として

初めてスマホを持つユーザーは、特定のキャリアに対するこだわりが少ないことが多いため、魅力的な端末や料金プランで囲い込むことができれば、長期的な顧客に育てられる可能性があります。

まとめ:既存顧客ではなく、新規・乗り換えを優先する理由

  • 既存顧客は流出の可能性が低い: 既存のユーザーは、手続きの煩雑さや「わざわざ乗り換えるほどでもない」という心理から、すぐに他社に乗り換えることは少ないとキャリアは考えています。
  • 新規・乗り換えの獲得が最優先: 新たな顧客獲得は、企業の成長にとって不可欠です。市場が成熟しているからこそ、他社からの顧客を奪い合うことで、自社の収益を確保しようとします。

もちろん、最近では「既存ユーザーも大切に」という方針を打ち出すキャリアも増えていますが、依然として新規・MNP向けのキャンペーンが手厚い傾向は続いています。

これは、それだけ顧客の奪い合いが激しいという現状を反映しているかも知れませんね。

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