秋の味覚である「栗」と「甘栗(天津甘栗)」の違いを、簡単に分かりやすく解説します。
🌰「普通の栗」と「甘栗」って、実はこんなに違うんです!
秋になるとスーパーに並ぶ生栗と、街角で見かけるホクホクの甘栗。
どちらも栗には違いないのですが、ルーツも品種も、そしてもちろん味や食感も全く異なる別の食べ物なんです!
1. 【ルーツ・品種の違い】生まれが違えば、性格も違う!
| 項目 | 普通の栗(和栗) | 甘栗(天津甘栗) |
| 主な品種 | 日本栗(和栗) | 中国栗(中国板栗など) |
| 主な産地 | 日本(茨城、熊本、愛媛など) | 中国(河北省の燕山山脈周辺) |
| 特徴 | 大粒で、風味が豊か。 | 小粒で、甘みが強く、果肉がしまっている。 |
| 皮の剥きやすさ | 渋皮が実と密着していて剥きにくい。 | 加熱すると渋皮が剥けやすく、食べやすい。 |
「普通の栗」の多くは和栗で、その魅力はなんといっても大粒で豊かな風味とホクホクとした食感です。ただし、加熱しても皮(特に渋皮)が剥きにくいのが難点です。
対して「甘栗」は、主に中国栗(天津港から出荷されるため「天津甘栗」と呼ばれることが多い)が使われます。
こちらはもともと甘みが強く、さらに加熱すると渋皮が簡単に剥けるという特徴があります。
リンク
2. 【製造方法の違い】甘さの秘密は「炒り方」にあり!
生の和栗は、主に栗ご飯やモンブラン、甘露煮といった調理に使われます。
一方、甘栗は、収穫された中国栗を**「焼き栗」**に加工したものです。
- 甘栗の作り方:
- 熱した砂利(石)や石英の砂、そして少量の水あめや砂糖と一緒に釜に入れて、じっくりと時間をかけて炒り上げます。
- この「砂利」が均等に熱を伝え、遠赤外線効果で栗の芯までじっくりと火を通します。
- これにより、栗の中のデンプンがゆっくりと**糖に変化(糖化)**し、栗本来の自然な甘さが最大限に引き出されるんです!
- (ちなみに、水あめは火力調整やツヤ出しのために使われることが多く、甘栗の甘さのメインは栗本来のものです。)
3. 【食感・味わいの違い】あなたはホクホク派?それともねっとり派?
| 項目 | 普通の栗(和栗) | 甘栗(天津甘栗) |
| 味わい | 豊かな栗の風味、上品な甘さ。 | 濃厚な甘さ。 |
| 食感 | ホクホク、ふっくら。 | ねっとり、もっちり、しっとり。 |
| 調理例 | 栗ご飯、渋皮煮、モンブラン、きんとん。 | そのまま食べる焼き栗(剥き甘栗)が多い。 |
普通の栗(和栗)は、茹でたり蒸したりすると、ホクホクとした食感と、日本人好みの上品な甘さが楽しめます。
甘栗は、長時間じっくり加熱され水分が適度に抜けるため、よりねっとりとしていて、濃厚な甘みをダイレクトに感じられます。
リンク
まとめ:栗の違いを知って、秋の味覚をもっと楽しもう!
「普通の栗」は、手間をかけて調理してこそ真価を発揮する和の食材。
「甘栗」は、手軽にそのまま食べられる、おやつにぴったりの焼き菓子。
どちらも秋の恵み。その日の気分や食べ方に合わせて、それぞれの栗の美味しさを楽しんでくださいね!


コメント