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なぜアメリカを米国と言うのか?

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アメリカを「米国」と呼ぶのは、日本の漢字文化と歴史的な経緯に由来します。

詳しく見ていきましょう。

なぜアメリカを米国と言うのか?

1. 漢字による国名の略称の慣習

日本では、古くから外国の国名を漢字で表記し、さらにその漢字を略して一文字で表す習慣がありました。例えば、

  • イギリス → 英吉利 (えいぎりす) →
  • フランス → 仏蘭西 (ふらんす) →
  • ドイツ → 独逸 (どいつ) →
  • イタリア → 伊太利 (いたりあ) →
  • ロシア → 露西亜 (ろしあ) →

など、多くの国でこの略称が用いられてきました。アメリカもこの慣習に則っています。

2. 「亜米利加」という漢字表記と「米」への由来

アメリカの正式名称である “United States of America” は、漢字では「亜米利加(アメリカ)」と音訳されました。

これは、当時の中国語の発音に基づいて当てられた漢字です。

この「亜米利加」の真ん中の「米」の字が、省略形として使われるようになり、「米国」という呼び方が定着しました。

3. 「メリケン」からの影響

かつて日本では、アメリカのことを「メリケン」と呼ぶことがありました。

これは「アメリカン(American)」が訛ったもので、「米利堅」という漢字が当てられました。この「米利堅」の「米」も、「米国」の「米」と関連があるとされています。

「メリケン粉」(小麦粉のこと)のように、現在でもその名残が見られます。

4. 中国での表記との違い

興味深いことに、中国ではアメリカを「美国(メェイグォ)」と表記します。

これは、「アメリカ」の音を「美しい」という意味の「美」の字に当てたもので、日本で「米」が選ばれたのとは異なります。

これは、翻訳語が作られた時期や中心地、また当時の漢字の発音の違いなどが影響していると考えられています。

日本が主に広東語の音に基づいていたのに対し、中国では上海語や北方方言の音が影響したという説もあります。

5. 公的機関での使用

現在でも、日本政府や外務省などの公的機関では、公式文書や報道において「米国」という略称を頻繁に使用しています。

これは、簡潔さや伝統的な慣習を重んじるためと考えられます。

以上の理由から、アメリカは「米国」と呼ばれるようになったと言われています。

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