ヘイトスピーチとは、特定の属性を持つ個人や集団を対象に、差別的な意図を持って攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のことを指します。
具体的には、人種、出身国、民族、宗教、性的指向、性別、容姿、健康、経済的・社会的出自、あるいはその他のアイデンティティー要素などに基づいて、以下のような言動が含まれます。
- 社会からの排除を煽るもの: 「○○人は日本から出て行け」「○○人は追い出せ」など。
- 危害を加えることを煽るもの: 「○○人は殺せ」「○○人を叩き出せ」など。
- 著しく侮蔑するもの: 特定の属性を理由に、その人々の尊厳を著しく傷つけるような暴言や差別的な表現。
ヘイトスピーチって何?
なぜ問題になるのか
ヘイトスピーチは、単なる悪口や個人的な意見とは異なり、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
- 人権侵害: 対象となる人々の尊厳を傷つけ、人としての価値を否定する行為であり、重大な人権侵害につながります。
- 社会の分断と亀裂: 特定の集団に対する差別意識を助長し、社会全体に不安感や嫌悪感を生み出し、共生社会を阻害します。
- 暴力へのエスカレート: 差別的な言動がエスカレートし、実際の暴力や犯罪(ヘイトクライム)につながる危険性があります。
日本における対応
日本では、近年ヘイトスピーチが社会問題化し、これに対応するため2016年に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(通称:ヘイトスピーチ解消法)が施行されました。
この法律は、特定の国の出身者とその子孫に対する不当な差別的言動は許されないことを宣言し、その解消に向けた取り組みを推進することを目的としています。
ただし、この法律には直接的な罰則規定はありません。主な内容は以下の通りです。
- 基本理念: ヘイトスピーチは許されないものであると明記し、多様性を認め、互いの人権を尊重し合う社会を目指す。
- 国の責務: ヘイトスピーチをなくすための啓発活動や地方公共団体への助言・協力を行う。
- 地方公共団体の責務: 地域の状況に応じた取り組みを推進する。
さいごに
この法律の施行後、ヘイトスピーチに対する国民の関心が高まり、ヘイトスピーチは許されないという意識が社会に広まりつつあります。
また、大阪市や東京都など、一部の地方公共団体では、条例を制定して独自の対策を進めています。
しかし、インターネット上でのヘイトスピーチや、選挙運動・政治活動に名を借りたヘイトスピーチなど、新たな課題も指摘されており、引き続き社会全体での啓発や取り組みが求められています。
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