高血圧の方が夏場に塩分補給が必要かどうかは、状況によって異なります。
高血圧の人も夏場に塩分補給は必要?
基本的に、高血圧の方は減塩が推奨されています。日本人は普段から塩分を過剰に摂取している傾向があるため、通常の食事をしていれば、日常生活での発汗で失われる塩分は食事で十分に補うことができます。
ただし、以下の場合は例外として、水分とともに少量の塩分を補給することが推奨されます。
- 高温環境下での激しい運動や作業で大量に汗をかいた場合: 水分だけを補給すると、体内のナトリウム濃度が薄まり、「低ナトリウム血症(水中毒)」を引き起こす危険性があるためです。
- 熱中症の症状(めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれんなど)がある場合: この場合、水分と塩分を同時に補給する必要があります。
このような特別な状況でない限り、高血圧の方は夏場でも減塩を続けることが重要です。
意識的に塩分摂取量を増やすことで、血圧が上昇するリスクがあります。
熱中症予防の基本は以下の通りです。
- こまめな水分補給: のどが渇く前に、少量ずつこまめに水を飲むことが大切です。
- 暑さを避ける: 炎天下での活動を避け、エアコンなどを利用して涼しい環境で過ごしましょう。
- 適切な食事: バランスの取れた食事をしっかり摂ることで、水分と塩分を補給できます。
ご自身の状況に合わせて、かかりつけの医師に相談し、適切な水分・塩分補給の方法を確認することが最も安全です。
一般に夏場に必要な塩分量は?
夏場に必要な塩分量は、個人の状況や活動内容によって大きく異なります。
普段の生活で必要な塩分量
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の食塩摂取量の目標値は以下の通りです。
- 成人男性: 7.5g未満
- 成人女性: 6.5g未満
しかし、これはあくまで目安であり、熱中症予防のために意識的に塩分摂取量を増やすべきかというと、ほとんどの場合はその必要はありません。
日本人は普段から食塩摂取量が多い傾向にあり、通常の食事をしていれば、日常生活での発汗で失われる塩分は十分補うことができると考えられています。
大量に汗をかく場合の塩分補給
高温環境下での激しい運動や作業などで大量に汗をかいた場合は、水分と同時に塩分を補給することが重要です。
- 発汗量と失われる塩分量: 汗の塩分濃度は平均で0.3〜0.4%程度とされており、1リットルの汗をかくと約3〜4gの塩分が失われることになります。
- 熱中症対策としての水分補給: 厚生労働省や日本スポーツ協会は、熱中症予防のための水分補給として、ナトリウム濃度が100mlあたり40〜80mg(食塩相当量0.1〜0.2g)の飲料を推奨しています。
- 具体的な補給方法: スポーツドリンクや経口補水液などが効果的です。また、水に少量の塩を加えて自作することもできます。1リットルの水に対して1〜2gの食塩を加えるのが目安です。
さいごに
- 通常の生活: 普段通りの食事をしていれば、追加で塩分を補給する必要はほとんどありません。
- 大量発汗時: 激しい運動や作業などで大量に汗をかいた場合は、水分と合わせて少量の塩分を補給することが重要です。
ご自身の活動量や体調に合わせて、適切な水分・塩分補給を心がけが大切です。
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