日本人にとってペペロンチーノは人気の高いパスタですが、本場イタリアではお店で食べないということを知ってましたか。
簡単には信じられませんよね。
日本のレストランでは人気があり美味しいと言われていますが、本場であるイタリアではペペロンチーノを「貧乏人の食べるパスタ」と酷評さえされることがあるんです。
そもそもペペロンチーノってなに?
コクのあるにんにくの風味と唐辛子の辛味がアクセントになっているがペペロンチーノ。
そう思ってませんか?
また、本場であるイタリアでは食べないということを。
日本ではレストランなどの多くのお店でメニューにペペロンチーノが載っていますが、イタリアのレストランなどではペペロンチーノがメニューに載ることはほぼないそうです。
イタリアはペペロンチーノの発祥地であるのにも関わらず、あまり良いとは言えない扱いを受けるのはなぜか?
それは発祥地だからこそペペロンチーノはイタリアで当たり前の食品となっています。
ペペロンチーノの意味
日本では定番パスタのメニューとしてペペロンチーノと呼んでいますが、正式名称は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」です。
直訳すると
アーリオ→にんにく
オーリオ→オリーブオイル
ペペロンチーノ→唐辛子
という意味になります。
そのため、日本で当たり前に呼んでいるペペロンチーノをイタリアでそのまま使うと唐辛子のみが出てくることも。
パスタの形で食べたい場合は、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノと正式名称で呼ぶ必要があるそうですよ。
本場イタリアにもペペロンチーノはある
日本人にとって人気が尽きないイタリアンですが、実はイタリア料理というものは存在しないという感覚でいた方が分かりやすいと言えます。
そのワケは、日本で食べられているイタリア料理は、イタリアの様々な地域で食べられている地方料理が日本で注目されたことに関係しています。
今回テーマとなっているペペロンチーノを筆頭に、イタリアは地域によって食の馴染み方が非常に異なります。
ナポリではナポリ料理、ボローニャ地方ではボロニア料理、そしてピエモンテではピエモンテ料理というように、イタリアと一口に言っても食べるものは様々です。
場所によってはペペロンチーノがメニューに載っているところもあるようです。
ペペロンチーノは本場では店で食べない
特に必要な材料も少なく、ほとんど調味料で作れるペペロンチーノは小腹が空いたとき手軽に作れます。
しかし日本ではパスタの中でも上級者向けのように認識されているペペロンチーノですが、本場で食べない理由とは何?
イタリアの日本とは全く異なる感覚があったんです.。
ペペロンチーノの別名
ペペロンチーノはカルボナーラやナポリタンのように使う具がほとんどありません。
オリーブオイルや唐辛子、にんにくなど、ほとんど調味料でまかなえるパスタです。
そのため、イタリアではユーモアを込めて「貧乏人が食べるパスタ」と呼ばれたり、「絶望のパスタ」などと何とも酷い呼ばれ方をされてるようです。
お金がない人でも手軽に作れるということでこういった呼び名が付けられているため、レストランではメニューとして取り合っていないということです。
例えば、うどんやそばが美味しい店で具が何も乗っていない素うどんやそばを食べるのと同じです。
決して問題はないのですが、あくまで感覚的に素うどんだけをお店食べていると少し貧乏くさいと感じてしまう方もいると思う方もいるのは現実です。
お金を払ってパスタを食べるなら、当然具がたっぷり入った味わい深いパスタを食べたいという考え方になるでしょう。
そういった意味でもペペロンチーノにスポットが当たらない理由の一つなんです。
手軽に作れるペペロンチーノは家庭料理
イタリアではペペロンチーノの扱いが少々酷いと感じた方もいるかもしれませんが、味の評価が悪いからということではなく、ペペロンチーノは単に家庭料理として認識されているのも要因の一つ。
日本でも冷蔵庫に材料が何もないときに、具が何も入っていないうどんやそば、そうめんなどを茹でてそのまま食べる感覚と同様に、イタリアでは「何もないからペペロンチーノで良い?」というような感覚です。
しかし、ペペロンチーノはパスタを作る技術だけで仕上げる料理でもあるため、メニューにない店でペペロンチーノを注文すると料理人によっては試されていると感じることもあるそうです。
また、イタリアで食べられているパスタは調理に時間がかかり、具が豊富に入っているものに人気が集まっています。
食べる側の志向から、ペペロンチーノはあまりに質素過ぎるという理由もレストランで扱われない原因の一つでもあります。
イタリアの料理人からしてみると、具を使わないペペロンチーノでは料金の取りようがありません。
低コストということは誰もが周知しているため、わざわざ店で提供するほどのパスタではないという認識です。
簡単だからこそ腕が試されるペペロンチーノ
使用するものはオリーブオイル、にんにく、唐辛子だけのシンプルなパスタであるペペロンチーノですが、実は腕が試されるパスタでもあります。
具が何も入っていないため、誤魔化しがきかないとも言えるでしょう。ペペロンチーノの味わいをグッと上げる乳化についても知っておくと役立ちますよ。
オイルパスタで必須の乳化とは
ペペロンチーノなどのオイルをベースとしたパスタには、「乳化」と呼ばれる作業が味の決め手になります。
乳化とは本来混ざり合うことはない水と油が撹拌することによって混ざり合う現象のことを指します。
通常、水と油だけでは混ざり合うことはありませんが、パスタの茹で汁にはパスタから出たデンプンが含まれており、乳化剤の役割を果たすため、水と油を混ぜることができます。身近なものを挙げるとドレッシングと同様の原理です。
使用前は中で分離している状態ですが、振ってから使うと水と油が混じって美味しく食べられます。
ペペロンチーノのオイルソースは乳化させるととろみが発生し、麺と良く絡むようになります。
ペペロンチーノを手作りしてベタベタとした油っぽい口当たりになってしまったという方も多いですが、ベタベタの原因は上手く乳化が出来ていない証拠です。
上手に乳化作業を行うと油っぽさがなくなり、まろやかな口当たりで非常に美味しく食べられます。
ペペロンチーノで茹で汁を捨てないと言われている理由は、味や食感を格段に上げるためということですね。
朗報!失敗知らずなペペロンチーノの作り方
【材料】
- スパゲッティ(1.4mm) 160g
- にんにく 1かけ
- 赤とうがらし 3本
- イタリアンパセリ 1本
- エクストラバージンオリーブ油
- 塩
- こしょう
- 下ごしらえとして、にんにくはみじん切りに。赤とうがらしは種を取り除いて荒めにちぎります。イタリアンパセリもみじん切りにしておきましょう。
- 深めの鍋にたっぷりの湯を沸かします。お湯の量は、茹でるパスタの10倍以上の量が目安です。湯が沸騰したら1%の塩を入れ、湯に下味をつけていきます。
- 続いてパスタを入れ、表記されている時間より1~2分短めにタイマーをセットします。茹で初めは麺同士がくっつきやすいため、沸騰するまで混ぜていきましょう。沸騰したら火を弱め、あとは静かに茹でていきます。
- セットしたタイマーが鳴ったら麺の固さを確認します。少し芯が残っている程度まで柔らかくなったらザルに上げ、茹で汁は必ず取っておきましょう。
- 続いてソース作りです。フライパンにオリーブ油とにんにく、赤とうがらしを入れて中火にかけていきます。沸騰して泡立ってきたら火加減を弱火に設定し、赤とうがらしが焦げないように注意しながらフライパンを揺らすようにじっくりと丁寧に炒めていきましょう。
- にんにくに色が付いたら半量を取り出します。このにんにくは仕上げに上から振り掛ける用になるため、捨てずに取っておきましょう。
- パセリのみじん切りを加えたら一度火を完全に止め、茹で汁大さじ2を加えて中火にかけていきます。にんにくが焦げないように注意しながら混ぜていき、トロッとするまで煮詰めます。この作業が乳化です。
- 茹でたスパゲッティを加え、オイルソースと良く絡めます。味を確認して塩、こしょうで調節したら、器に盛り付けます。
- 先ほど取り出した半量の揚げにんにくとパセリのみじん切りを上から振り掛けたら完成です。
最後に
なんだかんだ言っても数あるパスタの中で、ペペロンチーノが選ばれ続ける理由は、やはりその美味しさにあります。
シンプルながらもオリーブオイル、にんにく、唐辛子の一つ一つの味が明確に出るパスタです。
乳化のコツを掴めば手軽にいつでも作れるパスタですから、油っぽい仕上がりになってしまった方は、今一度、レシピを見直して美味しいペペロンチーノを試してみてはいかがでしょうか。
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