血圧が気になる方は、減塩やカリウムの摂取を心がけている方も多いかと思いますが、最近ではマグネシウムの働きに注目が集まっていることをご存じですか?
今回は、マグネシウムと血圧の関係や、マグネシウムを補給できる食べ物についてまとめてみました。
実は大切!マグネシウムの働きと血圧の関係
体内のマグネシウムは、50~60%が骨に存在しています。
骨の健康づくりに関わるだけでなく、神経情報の伝達や筋肉の収縮など、さまざまな生理機能を持つ栄養素です。
マグネシウムは血圧の調整に関わる作用もあり、慢性的なマグネシウム不足により、血圧上昇に関わることが知られています。
また血管の筋肉に対しカルシウムを働きにくくすることで、血管の筋肉の収縮を抑え、血管を広げて血圧を下げると考えられています。
「天然のカルシウム拮抗薬(血圧を下げる薬)」と呼ばれることもあり、血圧を下げる効果について研究が進められているところです。
またマグネシウムを含む食べ物を積極的にとり入れることで、血圧を下げるカリウムやカルシウムも同時に摂れるため、さらに効果が期待できると考えられます。
これらのミネラルや食物繊維をとり入れた食事をDASH食といい、高血圧の治療や予防を目的とした食事療法として知られています。
日本人はマグネシウムの摂取量が不足気味
マグネシウムは通常の食生活ではあまり不足することのない栄養素として知られていますが、日本人の平均的な摂取量を見てみると、推奨量に対して不足していることがわかります。
推奨量(18~74歳) | 平均的な摂取量(20歳以上) | |
男性 | 340~370mg | 270mg |
女性 | 270~290mg | 242mg |
マグネシウムは、未精製の穀類、大豆製品やナッツ類、野菜や海藻類、魚介類に特に多く含まれます。
食事が偏りがちな方は、次に紹介する食べ物を意識してみては。
マグネシウムを補給できる食べ物
マグネシウム補給に役立つ食べ物は下記のとおりです。
あわせてカリウムやカルシウムが摂れる食べ物でもあるため、ぜひ参考にしてみてください。
穀類
穀類では、精製されていないものに多く含まれる傾向があります。
食物繊維も補給できるため、血圧を上げる原因となるナトリウム排出にも役立ってくれます。
食品名 | 1食当たりの量 | マグネシウムの量 |
玄米(ご飯) | 150g | 74mg |
蕎麦(ゆで) | 200g | 66mg |
オートミール | 40g | 40mg |
豆類
大豆製品はマグネシウムの補給にぴったりです。
手軽に取り入れやすいため、毎日とるのがお勧めです。
食品名 | 1食あたりの量 | マグネシウムの量 |
がんもどき | 1個(70g) | 69mg |
木綿豆腐 | 100g | 57mg |
納豆 | 1パック(45g) | 45mg |
油揚げ | 1枚(20g) | 30mg |
きなこ | 大さじ1(7g) | 18mg |
種実類
ナッツ類は間食としてとり入れるのがおすすめです。
カロリーオーバーにならないよう、1日20~30gを目安に。
またナッツ類のお勧め量は少ないので、食の細い方には特にお勧めです。
食品名 | 1食あたりの量 | マグネシウムの量 |
アーモンド(いり・無塩) | 10粒(15g) | 47mg |
ピーナッツ | 20粒(20g) | 40mg |
カシューナッツ | 10粒(15g) | 36mg |
いりごま | 大さじ1(7g) | 25mg |
くるみ | 3かけ(8g) | 12mg |
野菜・果物・海藻
野菜、果物、海藻は、マグネシウムと一緒にカリウムも補給できます。
下記の種類はもちろん、毎日さまざまな種類をとり入れるようにしてみましょう。
食品名 | 1食あたりの量 | マグネシウムの量 |
枝豆(冷凍) | ひとつかみ(50g) | 38mg |
バナナ | 1本(90g) | 29mg |
ほうれん草(ゆで) | 70g | 28mg |
ごぼう | 50g | 27mg |
オクラ(ゆで) | 50g | 26mg |
アボカド | 1/2個(70g) | 24mg |
ひじき(ゆで) | 50g | 19mg |
魚介類
マグネシウムは肉類に比べ、魚介類に豊富に含まれます。
良質な脂質も摂れるため、料理の手間や骨が苦手なかたは、食べやすい魚でも良いので今より少しでも増やしてみませんか。
食品名 | 1食あたりの量 | マグネシウムの量 |
クロマグロ | 100g | 45mg |
カツオ | 100g | 42mg |
あさり | 40g | 40mg |
タコ | 70g | 39mg |
牡蠣 | 2個(40g) | 26mg |
煮干し | 10本(10g) | 23mg |
最後に
血圧を下げるには、マグネシウムはもちろん、カリウムやカルシウムの摂取と、減塩を心がけることも大切です。
ぜひできるところから取り組みをはじめてみてくださいね。
ただし食事療法について、医師から指示がある場合は必ずそれに従ってください。
治療中の方が実践する場合は、必ず医師に相談してから始めて下さい。
コメント