【有言実行】話した言葉で未来を作った偉人達
ビジネスにおいて、有言実行を果たす人にはリーダーシップを感じる要素が多いですよね。
中には、「憧れの偉人」がいたり、誰かが残した心に残る言葉を胸に仕事に取り組んでいる人も多いのでは?
今回は、そんな偉人達にまつわる「話した言葉で未来を作った人」をご紹介したいと思います。
パナソニック創業者「松下幸之助氏」
「これからの経営者にとって大事なことは人柄」
商売の世界で大きな成功を勝ち取った松下氏は、社内外から足を引っ張られることも少なくありませんでした。
そんなとき、松下氏は「経営者にとって大事なことは人柄だ」と感じていたといいます。誰かに嫌な仕事や責任を押し付けて自分は楽をするのがリーダーではありません。
部下やチームのミスは私のミスだと受け止めて「心配するな」と堂々としていることが大切だと語っています。
「この人のために一生懸命働きたい」と思わせる人柄こそが大切なのです。もしかしたら、リーダーシップを発揮したいのにうまくいかないというビジネスマンには耳が痛い言葉かもしれません。
簡単に「人柄が一番」とは言っても、複雑なビジネスの世界で実行するのは難しいもの。
しかし松下氏は「経営者に大事なことは人柄」を常に有言実行していた人物でした。
アップルコンピュータ共同設立者「スティーブ・ジョブズ氏」
「びっくりさせる。バカであること。」
数々のヒット商品を生み出してきた、その素晴らしい頭脳、発想が活かされていなかったら、現代のデジタル社会における進歩は今でも遅れたままだったでしょう。誰もが驚くようなひらめき、突拍子もない提案を初めて具現化する人の多くは、他人からバカにされた経験をもっています。
しかし、そんな周りの冷ややかな視線を気にせず、ただ「世界に驚きを与える」という精神で数々のひらめきを製品化してきたおかげで、今は世界中でアップル社の製品が愛されています。
まさに「驚きを与える素晴らしい発想と、それを気にしないバカになること」を有言実行してきたジョブズだからこそ生まれた名言といえます。
ソニー創業者「盛田昭夫氏」
「自由豁達にして愉快なる理想工場」
真剣に仕事に取り組む社員たちにとって、これ以上なく心強い言葉でしょう。
「自由闊達」そして「愉快」というキーワードは今でも輝きを持っています。そんな自由で面白い発想を活かしてくれるソニーが生み出したのが、トランジスタラジオやウォークマンです。私たちに多くの驚きを与えてくれたソニー製品。
ソニーは、凡人の想像をはるかに超える「楽しい製品」を形にすることで、日本の家電製品に大きな進歩と発展をもたらしました。
これも創業者であるの盛田氏の熱い思いがあったからこそ達成出来た快挙ともいえますね。
ホンダ創業者「本田宗一郎氏」
「やりたいことをやって生きる」
本田氏は、自分が好きなこと、得意なことをして生きていました。
このマイペースな発言はある意味で「自分本位」と捉えられがちですが、自分が好きなことには徹底的に追及する姿勢があったからこそ、世界に誇るオートバイや車が生まれたのです。
本田氏は、自分がやりたいことや好きなことに生涯を費やすことに微塵も疑問を感じず、さらに全てやりきったらそれには執着せずに手放せる身軽さがありました。
協調性や空気を読むことばかり考えている間は、大きなビジネスチャンスを掴むことは出来ない。
手放す勇気ではなく、手放す身軽さ。
ビジネスの世界で大成する見本のような生き方を有言実行した人物です。
ニッカウヰスキー設立者「竹鶴政孝氏」
「よりよく遊ぶ者は、よく仕事をする」
今の言葉で言い換えると「ワーク・ライフ・バランス」といったところでしょうか。
マッサンこと竹鶴政孝氏は、仕事にも遊びにも一生懸命な人物でした。
実際に、竹鶴氏は休日になると仲間と囲碁や麻雀を楽しみ、スキーや釣りにもよく出かけていました。
つまり、プライベートが充実している人は、仕事も一生懸命に取り組んでくれることを実体験として知っていたのです。
当然のように竹鶴氏の下で働いていた社員たちにも、仕事が終わったらすぐに帰って家族と夕食を楽しむように促していました。
自分の身を持って知ったことを社員にも提案する。
まさに有言実行ですね。
リコー三愛グループ創始者「市村清氏」
「できない理由を考える前に、できる方法を考えてくれ。」
これは今の若者に注目されている名言の一つでもあります。
新人や部下から新しいアイデアを提案されたとき、これまでの経験から思わず「そんなことはできない」と言ってしまうことはありませんか?
もちろんビジネスの世界では複雑な事情が絡み合っているので、できないことも当然多いでしょう。
そして、それを並べ立てるのも簡単です。
提案をした方も、否定されればモチベーションが下がるのも当然ですよね。
ここで「できる方法を考えろ」とアドバイスの仕方を変えてみましょう。
もしかしたら新しい何かが生まれるきっかけになるかもしれません。
アイデアを出す方も同じです。
きっと無理だろうと思う前に、どうしたらできるかを考えてチャレンジすることも大切だと気付かせてくれる言葉ですね。
今のように大きな組織を作り上げることができたのも、世間から冷たいバッシングを受けても、何度も立ち上がり、グループを成長させてきた市村氏の有言実行力のたまものでしょう。
紀伊国屋書店創業者「田辺茂一氏」
「何でも時代のせいにしてれば、そりゃ楽だ。」
ビジネスマンでも現役を引退した男性にも、この言葉に「耳が痛い」と思う人もいるのではないでしょうか。
これはラジオのインタビューで何気なく発せられた一言ですが、経営不振にあえぐ経営者に喝を入れるような強さがあります。
モノが売れないのは時代のせい、環境が悪いんだと、誰かのせいにしてはいませんか?
一人の人物を勝手に団塊世代、ゆとり世代とカテゴライズして「一人の人間として向き合おうとしない」のも同じです。
全て「時代のせいだから仕方ない」と片付けるのは簡単です。
時代の流れに対して柔軟であること、目の前の問題に対して真摯に向き合うことの大切さを教えてくれる言葉です。
本屋でありながら画廊や喫茶店を併設し、更には「紀伊國屋ホール」という劇場を作った田辺氏は、時代を味方につけて先駆けた、まさに有言実行の人でした。
阪急グループ創業者「小林一三氏」
「人に頼り、人に期待するのが一番いけない。」
組織のトップに立つと、多くの人たちに仕事を割り振る必要が出てきます。
しかし、誰かに任せた仕事が自分の思い通りにいかないことも多々あります。
リーダーだけではありません。
「ちょっと忙しいからやっておいて」と他人に任せて、思い通りにいかないと怒る人もいますよね。
それはまさに、「人に頼り、期待した結果」だと言えるでしょう。
似たような意味合いの言葉で、アメリカの経営コンサルタントであるスティーブン・R・コヴィー氏も「率先力を発揮する人としない人との間には、天と地ほどの開きがある」と言います。
人に頼るというのは時と場合によってはもちろん大切なことです。
しかし、「自分が成長するきっかけを奪われている」ことには気付いていますか?
自分の足で阪急沿線を歩き、何をすべきか考え、宅地開発や宝塚歌劇団の発足、阪急デパートの出店まで成し遂げた小林氏。
まさに有言実行力が実を結び、大きな成功を遂げました。
経団連名誉会長「土光敏夫氏」
「60点主義で即決せよ。決断はタイムリーになせ。」
よく名言として切り取られる部分ですが、この後に「決めるべきときに決めないのは度しがたい失敗だ。」と続きます。
全てが完璧にまとまるまで待っていたら、それでは遅いのです。
慎重であることは大切です。
しかし、ビジネスシーンでは時に即断しないといけない場面がやってきます。
そんな有言実行を象徴するエピソードが「播磨造船所との吸収合併」です。
当時、川崎重工も密かに合併を半年以上かけて画策していましたが、土光氏はなんと3日で即決してしまったのです。
後に、当時の専務が「半年以上もぐずぐずしているうちに、土光さんはわずか3日で決断してしまった」と悔しがっていたそうです。
「少し待ってください」と言っている間に「他に決まったから」と言われてしまえばビジネスは失敗。
まずはビジョンが荒削りでもタイミングを逃さない、トライすることの大切さを物語っています。
経営学者「ピーター・ドラッカー」
「真摯さはごまかせない。」
実はこの言葉はニュアンスを変えて多くの偉人が残しています。
仕事に対して真摯に取り組むこと、仕事に対して、人に対して誠実であることの大切さ。
これまでご紹介してきた数々の名言にも、何事にも「真摯であれ」というニュアンスがどこかに含まれているように感じますよね。
ドラッカー氏は、トップリーダーに求められるのは、信頼できる発言と有言実行できる力であり、カリスマ性は邪魔になるだけだと説いています。
とてもシンプルでありながら、行動に移すのはとても難しい言葉「有言実行」。
しかしそれこそがリーダーに求められる資質ではないでしょうか。
「あんなことを言ったのに、しない奴」と思われない為には、口に出したことを少しずつでも実現させる努力をすることです。
なかなか難しいことですが、ビジネスの成功者は自分にリスクを課すことで行動の原動力に変えていたのかもしれないですね。