スティーブ・ジョブズ

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人は話す言葉で未来が創られる

人物像

人を引き抜く際にはその人を強く揺り動かす「魔法」を唱えることで知られ、先述のスカリーをペプシから引き抜く際の文句のほかに、1982年当時ゼロックスで働いていたエンジニア、ボブ・ベルヴィールには「君は優秀だと聞いたけど、やってきた仕事は全部ガラクタだな。俺ん所で働けよ(英語: I hear you’re great, but everything you’ve done so far is crap. Come work for me.)」と語りかけて引き抜いている。また、しばしば何の予告もなしに、突然価値観を180度変えることもあり「3か月前に白が最高だと言っていたのに、今では黒が最高だと言い始め、理由はそれが今正しいからいいんだと、自身以外は納得のいくものは何も口にしない」と元社員は語っている。ソニー製品について「ソニーのHDVカメラは優秀で、高価だが一家に一台必要だ」と言う一方で、「iPodに劣る」としてウォークマンを批判するといった評価をしている。1999年10月5日のメディアイベントのスピーチ冒頭で、ソニー共同創業者盛田昭夫の死に追悼の意を表し、トランジスタラジオやトリニトロン、ウォークマンなど革新的な商品開発を、アップルに大きな影響を与えたものとして称賛している。部下に対して高い目標を提示し、精力的に優れた仕事へと導くため、理想の上司として評価されることも多い。

スティーブされる

一方でジョブズの要求する水準を満たさない者に対しては放送禁止用語だらけの罵声を浴びせたり、その場で解雇にすることでも知られる。前アップルPR担当チーフのローレンス・クレィヴィアはジョブズとのミーティングの前には必ず闘牛士と同じように「自分はすでに死んだ」と暗示をかけてから挑むと同僚に語っていた。また、ジョブズのアップル復帰後に次々と社員がリストラされた際には「スティーブされる」(=解雇になる)という隠語が生まれた。リーアンダー・ケイニーのINSIDE STEVE’S BRAINによれば、これらは部下にプライドと職を懸けさせなければ最高の仕事をしないからというのが理由であり、部下の意見を何度か却下したあとに採用するのも同じ理由である。発案者が信念を持っていない意見やアイデアは無視すると決めている。例えば”iPod”という名称も採用する前に2度却下している。

アップルコンピュータ社の暫定CEOに就任して以来、当時赤字続きだったアップルのために自分はピクサー社の収入があるとし、一貫して給与は毎年1米ドルしか受け取っていないことは有名である(しかし、慢性的赤字から経営を回復させた功績により、高額の成功報酬及びストックオプションがアップル社から与えられている)。実際、2004年にはストックオプションのほかの成功報酬はなく、本当に1米ドルしか受け取っていない。

思想

思想の面では若いころから禅に傾倒した仏教徒であり、しばしばスピーチなどで禅の教えを引用した。曹洞宗の禅僧、乙川弘文を精神的指導者と慕っており、結婚式を取り仕切ってもらっている。禅だけではなく日本の文化に深い関心を持ち、晩年まで家族旅行でしばしば京都を訪れていた。また、新版画の密かなコレクターでもあり、1983年から蒐集を開始している。翌年のMacintoshの発表セレモニーでは、自身が持っていた橋口五葉の「髪梳ける女」をスクリーンに映し出すことで、その優れた映像技術を示した。ジョブズは新版画の中で、特に川瀬巴水の風景画を好んだという。日本の和菓子を好み、赤坂青野から饅頭を半年間取り寄せた。一方で、日本のビジネス界に対しては、日本のPCメーカーのことを「海岸を埋めつくす死んだ魚」[126]と表現する(ただし、これは日本のメーカーに対してではなく、日本のメーカーが大量の商品攻勢をかけられる可能性を作ったPC/AT互換機に対する揶揄であるとも言われている)など、辛辣な一面を見せることもある。

食生活

食生活には強いこだわりを持つ。大学時代から菜食主義を貫いており、魚介類以外の動物性の食品は一切摂らなかった。また、日本食、とりわけ蕎麦や寿司を好んだことが知られている。アップル本社の食堂Cafe Macsには、ジョブズが考案したという「刺身ソバ」なるメニューがある。アップルに復帰後、社員食堂を自社運営に切り替えて、ジョブズ自身がスカウトした料理人が腕を振るっている。「ベジタリアンだから臭わない」という独自の思想により、若いころはシャワーを滅多に浴びなかった。そのため、ただでさえコミュニケーションが取れず評判の悪かったジョブズは、アタリ社やアップルの社員から「臭い」とクレームが多かったという。洋式便器で足を洗うという奇行もしていたという。また若いころは、素足やサンダルのままで仕事をすることも多く、出資者や取引相手と話をする際にも、素足やサンダルのまま、机に足を投げ出して対応するなどの非常識な言動があったという。

服装

ジョブズのトレードマークである黒のタートルネックは、三宅一生デザインのもの。ジョブズが1980年代に盛田昭夫に案内されてソニーの工場見学をしたことがきっかけになっている。三宅デザインのソニーの制服に感心したジョブズは、三宅にユニフォームを発注して、アップル社の制服にすることを提案したが、これは受け入れられなかった。しかしこれを機にジョブズは三宅デザインの黒のタートルネックとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーを自分のユニフォームと位置づけ、毎日それだけを着続けるようになったという。また余計な選択肢で頭を使わないために服は同じものを何着も持っていた。

ライバル

業界でジョブズにまつわる人物は数多いが、中でもマイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、同じ1955年生まれということもあって、独特のライバル関係にある。世間では確執が語られることも多いが、自他ともに認める友人でもあり、ビジネスのみならずプライベートでも関係が深かったことが知られている。互いにビジネスの才覚については高く評価している。腹心の部下である、バド・トリブルが使い始めたという『現実歪曲空間』は、たとえ彼をよく知る人間がそれに備えていたとしても、抵抗できないといわれている。現実歪曲空間とは、ジョブズの魅力、カリスマ性、虚勢、誇張、マーケティング、宥和政策、持続性をもって、ジョブズ自身と他人に、ほとんどどんな考えでも吹き込む能力であるという。現実歪曲空間により、実現困難性についての規模感や距離感を歪ませ、今手元にある作業が容易に実行可能な気になると言われている。

音楽では、ボブ・ディランとビートルズ(特にジョン・レノン)の大ファンでもあった。アップルのプレゼンテーションで、ボブ・ディランの詩を朗読したりビートルズのジャケット写真を使ったりしたことがある。愛読書はパラマハンサ・ヨガナンダ著『あるヨギの自叙伝』で、自分のiPad2にダウンロードした唯一の本。ティーンエイジャー時代に初めて読み、インド旅行中にまた読み、以来年一度は読み返していた。

型破りな性格は経営だけでなく、愛車のメルセデスにはナンバープレートをつけていないことにも表れている。これについては、2001年のフォーチュン誌に「ちょっとしたゲームなんだよ」と語っている。

慈善活動について公に語ったことはなかったが、妻のローレン・パウエル・ジョブズに関する記事で、生前に数百万ドル以上を教育活動に寄付していたことが死後明らかになっている[131]。

ジョブズの死後、アップルは2012年からPRISMというアメリカ国家安全保障局によって運営されている監視プログラムに協力することになるが、これは彼がNSAへの協力をかたくなに拒んでいたからだとされる。

血液型は稀有なRhマイナスのO型。

発言

この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2016年11月)
ビジネスについて
「私のビジネスモデルはビートルズだよ。彼らはお互いのちょっとした悪いところを補い合っているんだ。彼らはバランスをお互いに取り合い、全体としては一人一人を足すよりも大きな存在になっている。これこそ、私のビジネスの見方だ。ビジネスで偉大なことは一人の人間では達成不可能だ。チームによって成し遂げられるんだよ。」
「Appleをクビになるっていうのは、私の人生で最高の出来事だった。成功した事業家って言う重圧が、再び駆け出しという気軽さに変わったからね。しがらみから解放され、最も創造的な時間を過ごせたよ。」
「海軍に入隊するより、海賊でいたいね。」
発明について
「発明っていうのは、廊下での立ち話とか、新しいアイディアや問題解決の糸口を見つけたという夜10時半の電話とか、そういった人たちから起きるもんだ。最高のものを思いついたとかで6人の会議を思いつきでやったり、他の人にそれを知ってもらいたいと言う人だ。」
「私は(ひらめいた時に鳴る)『ピンポーン!』を宇宙に響かせたいね。」
「時々何かを発明するとき、ミスをする。それをすぐさま受け入れて、その発明に磨きをかけるというのが一番だ。」
「発明ができるかできないか。それがリーダーか、その他大勢かの違いだ。」
デザインについて
「大衆受けするデザインは非常に困難だ。いつも人というのは何が欲しいか、それを見せられるまでわからないもんなんだ。」
「集中とシンプルさの追求は、私の非常に大事な信念の一部だ。シンプルにするのは複雑にするより難しい。シンプルなものを作るには、思考もスッキリさせる大変な努力が必要なんだ。」
人生について
「17の時に、こんな名言に出会ったよ。“毎日を人生最後の日のように生きれば、間違いなく最高の人生を送れる”ってね。それ以来33年間、私は毎朝鏡を覗き込んで、こう自問し続けた。“もし今日死ぬなら、今日やろうとしていることを本当にやるか?”そして、その答えがNoである日が続いたときは、何かを変えなきゃいけないんだってわかったよ。」
「いつか死ぬということを思い出すのは、受け身な考えにとらわれないためには最高だ。守るもんなんてないんだ。(だから)やりたいことをやらないなんて理由はどこにもない。」
「未来を見据えて何が起きるかなんて予測は不可能だ。いつも過去を振り返ってみて、あれとこれは繋がっていた、としか言えないんだ。だから自分自身が信じれるものを信じるしかない。それが勘であれ、運命であれ、人生であれ、因果であれ、なんであれ、だ。このやり方で私は後悔したことはないし、私の人生で非常に大きな役割を果たしてきた。」
「君の仕事というのは、人生の多くを支配する。だから、(人生を)本当に満足するには自分の信じる最高の仕事に就くしかない。そしてその最高の仕事というのは、その仕事が大好きでたまらないというものでなくてはダメだ。まだそれが何であるかわからないというなら、探し続けなさい。止まってはダメだ。それが見つかった時は、絶対にそうだと心の底から分かる。そして時間が経つにつれ、やればやるほどどんどん良くなる。まるで最高の人と出会ったように。だから、見つけるまで探し続けなさい。諦めてはダメだ。」
「墓場で一番の金持ちになるなんて、何の意味がある?夜、今日は最高だったと言って眠りにつく。私にはこっちの方が重要だ。」
「何か一つのことを成し遂げた、と思うなら、次に進め。安穏としていてはダメだ。次は何かを見つけるんだ。」
ジョブズを描いた作品
書籍
スティーブ・ジョブズ (書籍)(ウォルター・アイザックソン著)
ブレント・シュレンダー, リック・テッツェリ『スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで』井口 耕二訳、日本経済新聞出版社、2016年。ISBN 978-4532321000 (上), ISBN 978-4532321017 (下)。
ジェフリー・S・ヤング、ウィリアム・L・サイモン『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』
漫画
スティーブ・ジョブズ(ヤマザキマリ著、上記の書籍の漫画化)
スティーブズ(原作:松永肇一、漫画:うめ。複数の著作を元にジョブズとウォズニアックを主役に描く)
映画
バトル・オブ・シリコンバレー(1999年、アメリカ映画、ワーナーホームビデオ)
スティーブ・ジョブズ (2013年の映画)(2013年、アメリカ映画)
スティーブ・ジョブズ (2015年の映画)(2015年、アメリカ映画)

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