メタリン酸ナトリウムは、50年以上前の昭和37年7月31日に認可された食品添加物です。一般的な用途は品質改良剤として使用されています。品質改良剤には多くの利点がありイオン封鎖、分散、解膠(かいこう)、緩衝(かんしょう)、イオン強度増大、洗浄作用などが目的です。
※解膠の読み方は“かいこう”。意味は、さまざまな原因で固まった物質が再び溶液中に分散することを言います。※緩衝の読み方は“かんしょう”。意味は、物質と物質の間に入ってクッションの役目をします。
メタリン酸ナトリウムとは
メタリン酸ナトリウムの持つ緩衝剤(かんしょうざい)としての効果で、ガムや歯磨き粉に使用されています。緩衝剤として使用することで歯と汚れの原因物質がくっつくのを抑える働きが期待されています。
歯科もで歯のホワイトニングに使用されているようですが、メタリン酸ナトリウム自体に漂白の効果はありませんので、何らかの方法で歯を白くしたのちメタリン酸ナトリウムを使用してその後のステインなどの汚れを防ごうということです。
食品添加物としての用途
メタリン酸ナトリウムは食品の品質改良の為に使用されます。
例えば、中華麺(ラーメン)を作るときのかん水の原料として使用されます。中華麺(ラーメン)の独特の弾力と黄色い色は小麦粉にかん水を加えることで作られます。
かん水を使わなければ“うどん”になってしまいます。その他、食肉結着剤、乳製品安定剤、ビタミンC安定剤としてさまざまな食品に使用されています。また、医薬原料や金属表面処理剤として工業用としても使用されている有能な物質です。
毒性はないのか
日本の食品衛生法にはメタリン酸ナトリウムの使用基準は存在しません。
JECFA(国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)合同の組織)が発表しているメタリン酸ナトリウム一日摂取許容量は70mg/kgとなっています。体重70kgの人が1日に4.9gもメタリン酸ナトリウムを食べることはないらしいです。
ただしメタリン酸は合成化合物のため製造する際の不純物の混入という危険性は考えられます。しかし多用することはなく食品衛生法でも使用基準が設けられていない物質なので安全と考えられています。
また、かん水としてラーメンに使われていたとしても茹でる段階で除去されるため危険性は考えられません。
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