日本には数多くの迷信があり、その多くは科学的根拠がないにもかかわらず、長い歴史の中で現在の日本文化の一部となり日常生活に溶け込んでいます。
それは、迷信や言い伝えが適当な作り話ではなく、いつもと違った現象から先を読むことを生活の中で作り上げていった先人の知恵であり、現代にも通じることが多いからだと思います。
そんな昔から言い伝えられている日本の迷信を調べてみました。迷信を信じない人も、言い伝えが生まれた由来を知ることは、日本文化や歴史を垣間見ることができ、いかに迷信が人々の暮らしに寄り添っていたかを感じるきっかけになるでしょう。
そして、意外にも迷信はあなたの中に浸透し心に抱いていることを感じるかもしれませんよ。
トイレを清潔にすれば、よい子が生まれる
妊娠にまつわる迷信の一つで日本では古くから言い伝えられてきました。
今でいうトイレは昔「厠(かわや)」と呼ばれ、あの世とこの世の境界線と考えられ、そこには厠神が住んでいると信じられていました。
この厠神は、家を守る神であり、出産の神様と言われています。
昔は今のような水洗トイレではなかったため、妊婦には掃除も大変な場所でした。
そのため、「神様がいる厠をいつも清潔できれいにするとよい子が生まれる」といい、適度に体を動かすことを促したのではと一説では考えられています。
食べものを落としても3秒なら大丈夫
昔から生活の中で当たり前のように言われている迷信の一つに、「食べ物を落としても3秒なら大丈夫」があります。
日本では3秒ですが、海外では5秒や10秒などルールが異なるようです。
日本の3秒ルールの起源は、学校給食が始まった中で生まれたのではないかとう説がありますが確かではありません。
食べ物が床に落ちればバイ菌がすぐに付着するのは明確ですが、それによる健康被害のデータもないことから、現代においても多くの人に信じられている言い伝えと言えるでしょう。
お財布のお札は反対向きに入れるとお金が貯まりやすくなる
金運アップの迷信が多々ある中、お財布へのお札の入れ方だけでも何種類もあり、現代においても多くの人に信じられています。
そのうちに一つにお財布のお札は反対向き、つまり肖像画を下に向けていれるとお金が貯まりやすいと言われています。お札が頭から入るので出て行きにくい状態を作るためです。
このようにお金を大切にし財布の中をいつも綺麗に整理することが出来る人は、お金の使い道も大切に考えることが出来るため、無題使いを防ぎお金が貯まりやすくなると考えられています。
カレーを食べ続けると肌が黄色くなる
カレーを食べ続けると肌が黄色くなるという迷信は、全く科学的根拠がなく出どころもはっきりしていません。
食べ物は体内に摂取されると消化され分解されるため、皮膚に色素沈着することはありません。
そもそもカレーは多彩な料理で、黄色の色素は主にターメリックが使われていますがほんの一部に過ぎません。
よくみかんを食べ過ぎると手が黄色くなると言いますが、それはみかんに含まれているカロテンという色素が手の皮膚に直接染み込み染まったと考えられます。
ナマズが暴れると地震が起こる
ナマズと地震の迷信が生まれたのは江戸時代に入ってからで、人口が集中する江戸で地震の被害が大きくなるうちに、ナマズの不思議な行動と地震の関係が人々の間で言い伝えられるようになり、次第に世間一般で信じられるようになっていきました。
一説では、ナマズは地震前に発生するわずかな電気を感じ騒いで暴れるのではないかと言われていますが、実際その因果関係は証明されていません。
しかし地震予知の手段としてナマズと地震の研究は今も行われています。
幸運の黄色いタクシー
西武ハイヤーが、2015年に導入した「幸運の黄色いタクシー」は西武鉄道の黄色い電車をイメージしたもので、幸せのシンボルである黄色をベースに、塗装で電車の前面部分を再現しました。
黄色は、有彩色の中で最も自然光に近い色で、日本古来より「幸福」の象徴と言われています。
このように通常のタクシーより少し見た目の違ったタクシーは、一部の人の間から「幸運を運ぶタクシー」と呼ばれ、迷信とまではいきませんが秘かな人気を集めています。
佐川急便のトラックのふんどしに触れると幸せになる
大手宅配業者の「佐川急便」は、2005年当時まで赤いふんどしの「ひきゃく君」がマスコットとして活躍していましたが、その赤いふんどしに触ると幸せになれるという迷信が小学生や女子高校生を中心に爆発的な流行を見せました。
その背景に、1992年の東京佐川急便事件があり、自民党の金丸信が5億円もの闇献金を受取ったにもかかわらず20万円の罰金で済んだことから、佐川急便は幸せになれるという噂が広まったと言われています。
消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切ると両想いになれる
普段からよく使う消しゴムは、恋愛運をアップさせ好きな人と両思いになれるおまじないが多数あるため、昔から多くの女子学生に指示され迷信のように言い伝えられてきました。
その中でも定番中の定番が、新品の消しゴムに好きな人の名前を書き、他人にばれないように自分だけで使いきるというものです。
誰にも触られずに最後まで使い切るのは時間もかかり簡単なことではありません。
おまじないを強く信じることで願いが叶うと言われています。
馬鹿は風邪を引かない
馬鹿は風邪ひかぬという迷信の由来は、江戸時代にさがのぼり「阿呆は風邪ひかぬ」という慣用句が庶民の間に広まったことと言われています。
当時は風邪ですら命取りになった時代で苦い薬や辛い治療が必要だったため、病気を全くしない人へのやっかみの気持ちが込められていると言われています。
そのため、「馬鹿は自分が風邪を引いたことすら気づかない」という意味で使われていました。
また医学的には、能天気で力を抜いて生きている人はストレスがたまらず免疫力もあるので風邪を引きにくく根拠があると言われています。
最後に
日本には、まだまだたくさんの言い伝えや迷信があると思います。
全国的に広まっているものや各地方に根強く生き抜いているもの各ご家庭内だけのものなど様々です。
そんな言い伝えや迷信をもっと共有出来たら面白いかもしれませんね。私も申し越し調べていきたいと思います。
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