おうち時間が増えた今、自宅でぬか漬けを漬ける人が増えており、ぬか漬けの魅力が再注目されているそうですよ。
ぬか漬けは発酵食品として「健康に良い」というイメージがありますし、自家製の物ならば市販品の添加物が多く添付された物でなく安全なぬか漬けが造れます。
では実際は、どのような効果が期待できるのでしょうか?
ぬか漬けの歴史
ぬか漬けは、日本で古くから作られてきた保存食の一つで、その歴史は古く奈良時代の文献にも「ぬかづけ」という言葉が登場しています。
当時は、魚や野菜を塩漬けにした後、ぬかに漬けて保存する方法が一般的でした。
その後、ぬか漬けが主流となり、現在のような味噌や醤油を使った漬物が主流になるまで、日本の食文化において重要な役割を果たしていました。
ぬか漬けは、発酵食品としても注目されています。
ぬかには、麹菌や乳酸菌が含まれており、漬物を発酵させることで、栄養価が高まり、消化吸収が良くなるなどの効果があります。
また、ぬか漬けは、ビタミンB1やビタミンB2、食物繊維などが豊富に含まれており、健康にも良いとされています。
現代でも、ぬか漬けは多くの家庭で作られ、食卓に並ぶ定番の一品として愛されています。
また、日本以外にも、韓国や中国、ロシアなどでも、ぬか漬けのような発酵食品が作られています。
おうち時間の増加で自家製ぬか漬け
ぬか漬けとは 、発酵させた「ぬか床」に野菜などを漬けたもので、ぬか床は、米などの雑穀を精白する際に出る「ぬか」に、塩と水を混ぜて乳酸発酵させて作られます。
唐辛子や昆布、山椒を入れることもあり、さらに発酵が進むと味わいも深く美味しくなります。
ぬか漬けは定期的な手入れが必要で手間がかかるため、近年ではぬか漬けを作る家庭が減っていたようです。
しかし最近では手入れの手間がかからないぬか床が手に入りやすくなったことと、自宅で過ごす時間が増えていることから、自宅でぬか漬けを漬けるという人が増えてきているようですよ。
ぬか漬けが「健康に良い」理由
ぬか漬けが「健康に良い」といわれるのは、どのような理由からなのでしょうか?
ぬか漬けにすることで変化する栄養や期待できる効果は以下の通りです。
ぬか漬けが「健康に良い」理由1・腸内環境を整える「腸活」に役立つ
発酵食品であるぬか漬けには、植物性乳酸菌が含まれます。
腸内環境を整える「腸活」にはぴったりの食べ物と言えるでしょう。
乳酸菌は 腸内で悪玉菌の繁殖を抑えてくれ、腸の働きを活発にしてくれます。
腸内環境が整うことで、便秘の解消が期待できるだけでなく、免疫機能の向上やがんの予防にも役立ちます。
悪玉菌は偏った食生活や、不規則な生活、ストレスや便秘などが原因で増えてしまうため、これらに当てはまる方は発酵食品を積極的に取り入れたい食品です。
また乳酸菌は腸に住みつかないため、毎日補う必要があるといわれています。
ぬか漬けであれば日々の食生活にも取り入れやすいですね。
ぬか漬けが「健康に良い」理由2・ビタミンB1・カリウムなどの栄養価がアップ
ぬかにはビタミンB1やカリウムなどの栄養素が豊富に含まれ、そこに野菜を漬け込むことで野菜の栄養価もアップします。
きゅうりを例にあげて、生の場合とぬか漬けの場合で比較してみると、
【100gあたりの比較】
カリウム | ビタミンB1 | |
きゅうり(生) | 200㎎ | 0.03㎎ |
きゅうり(ぬか漬け) | 610㎎ | 0.26㎎ |
※日本食品標準成分表2020年
カリウムは約3倍、ビタミンB1は約8.7倍の量と、ぬか漬けにすることで栄養素の量が増えています。
カリウムは余分なナトリウムを身体から排泄してくれる働きがあります。
ぬか漬けは食塩の摂りすぎにもなりやすいので、カリウムを同時に補給できるのはうれしいポイントです。
またビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素です。
ご飯に含まれる糖質の代謝を助けてくれるので、ぬか漬けとご飯は栄養学的にみてもぴったりの組み合わせです。
ほかにも、ビタミンC、ビタミンK、ナイアシンなどの栄養素の量も増えており、ぬかの栄養をしっかり摂れますよ。
ぬか漬けに合う食品10品
ぬか漬けに合う食材をカンタンに10選
- キュウリ
- サツマイモ
- キャベツ
- ナス
- カブ
- チンゲン菜
- ブロッコリー
- ダイコン
- ピーマン
- キムチの素材に使われる野菜(キャベツ、大根、ニンジン、ニラなど)
全部合わせたら、めちゃくちゃ豪華なぬか漬けになりますよ。
注意!ぬか漬けを食べるときは量に気をつけよう
ぬか漬けは保存性を高めるために食塩が多く使われています。
食塩の摂りすぎにより高血圧やむくみの原因となるため、いくら健康によいからと、たくさん食べるのはNGです。
ぬか漬けに含まれる食塩 は、以下の量です。
・きゅうり(3切15g)…0.8g
・だいこん(3切30g)…1.1g
・なす(3切15g)…0.4g
日本人の食事摂取基準(2020年版) による1日の食塩相当量の目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
食塩の摂取量は1食あたり2~2.5g程度におさめる必要があるので、ぬか漬けをたくさん食べてしまうと、あっという間に目標量を超えてしまうでしょう。
血圧管理されている方は特に注意が必要です。
食べる量は2~3切ほどにおさめて、毎食食べずに朝だけにする、などと工夫してはいかがでしょうか。
また手作りのぬか漬けであれば、食塩の量も調整ができるので控えめにしておくのも一つの手ですね。
最後に
市販のぬか床であれば、買ったその日から漬けられて、混ぜる手間がほとんどかからないものもあります。
初めてのぬか床は、このようなものからチャレンジしてはいかがでしょうか。
上手くいけば楽しくなり、ご家庭の味が一つ増えますよ。
ぜひ自分だけのぬか床を作って、おいしく健康作りに役立ててみませんか。
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