栄養素というより老廃物 シュウ酸 | 人は食べた物で創られる

栄養素というより老廃物 シュウ酸

体に必要な栄養素

昔あった漫画の主人公にほうれん草を食べると無敵な強さをみせるポパイを思い出される方もいるのではないでしょうか。

ほうれん草は鉄分や葉酸そしてビタミンやミネラルが豊富で、冬を迎える時期に旬を迎える美味しい野菜です。

栄養価が高いからこそ健康のために食べたい野菜です、しかしほうれん草には一つだけ注意しなければならない成分があります。

ご存知な方も多いと思いますがシュウ酸と呼ばれる結晶体が含まれていることです。そこでシュウ酸について調べてみました。

シュウ酸とは

ホウレンソウに含まれているシュウ酸とは、この成分の正体、ジカルボン酸と呼ばれるもので、土中にあるミネラルを吸収するために植物が自身の体で作り出す成分の事です。

一般的には土中のミネラル成分カルシウムを吸収するために作り出すので、カルシウムと結合するとカルシウム酸塩という形になります。

ただ自身の体を成長させるためにはカルシウムだけでは不十分なので、それ以外のミネラルも吸収できるようになっています。

例えば、土の中に含まれているミネラル成分のナトリウムを吸収した場合にはシュウ酸ナトリウムとなりカリウムを吸収した時にはシュウ酸カリウムという事になります。

そして人間が野菜を食べた時に苦みに近いえぐみや刺激するような感覚が口の中で起きるときには、大抵は灰汁という概念で扱われています。

しかし実際には灰汁も含めて、この成分が口の中に入ることによってえぐみや刺激として感じるのです。

またシュウ酸は、人体にとって、栄養素というより、老廃物です。

ヒトの体内で、アスコルビン酸・ブルコール酸などの有機酸が代謝され、最終代謝産物の一つとしてシュウ酸が生成されます。

シュウ酸のヒト・人体における合成量は微量ですので病的な問題・尿管結石症を起こすようなシュウ酸過多は、食物が原因です。

シュウ酸を多く含む食品

シュウ酸は植物が土の中のミネラル分を吸収するために作り出す成分なので、すべての野菜類にひとしく含まれている成分です。

ただ含有量においては違いがあり、その含有量の中でも特に多く含む食品を知っておくことが尿路結石や骨粗鬆症を防ぐうえで大切になります。

動物性食品は、ほとんどシュウ酸を含みません。シュウ酸ナトリウム(可溶性蓚酸)は、野菜に含まれています。とくに、ホウレン草は、際立ってシュウ酸ナトリウムを多量に含みます。

一番多く含まれているのはホウレンソウの含有量は食べる量が100グラムで換算すると770ミリグラムと断トツで多いのです。

また100グラム換算で計算すると多く含む野菜には小松菜の場合では50ミリグラムと春菊では30ミリグラムとなっています。

これらの野菜を食べても良い目安としては、最も多いホウレンソウで換算すると平均4束から6束で1キログラム以下となります。

それ以上食べると余分に溜まったシュウ酸が血中や尿の中のミネラルと結合してしまうため注意が必要なんです。

ただシュウ酸は水に溶けやすい性質を持っているので、食べるときには旬の時期であっても生で食べずに下ゆでするか大腸の血管に吸収される前に脂質やたんぱく質で覆えば無害化できると言われています。

シュウ酸の用途

尿路結石や骨粗鬆症の原因と言われるため体に良くない成分として扱われてきたシュウ酸ですが、実は食品添加物としても使われていることが多いです。

どんな形で使われているのかというと、先に言ったとおりにシュウ酸はミネラル成分を吸着して一つの固まりにする性質を持っていますので、その性質をうまく利用したのが豆腐の凝固作用であり、豆腐は豆乳の中にミネラル成分のにがりを加えて固めるのですがその中にシュウ酸を加えることでよりかためる力を強くすることができます。

ただしシュウ酸は豆腐凝固剤という一括表示ができません。

それ以外にも中華麺を作る時に使われるミネラル成分が入ったかんすいの中に加えることによって小麦との吸着を強くしてコシを生み出したり、ハムやソーセージの中にもミネラル成分の塩と共に入れることでまとめやすくしています。

このように材料を固める食品を作る際に食品添加物として使用することで、ミネラル成分を固めて一つにする性質が食品の凝固の成功率を上げてくれます。

シュウ酸の成分

シュウ酸成分は、『シュウ酸ナトリウム』と『シュウ酸カルシウム』がメインです。

シュウ酸カルシウムはトロロ芋に含まれ、針状結晶による皮膚炎が問題になりますが、消化管で吸収されにくく尿路結石の原因とはなりません。

最後に

なんども言ってきましたがホウレン草は、シュウ酸ナトリウムを多く含む食材です。

シュウ酸ナトリウムは水溶性で、消化吸収された後、血液に溶存し、血流の載って全身を循環します。

シュウ酸に栄養素的な意味はありません。もともと、シュウ酸は最終代謝産物であり、たべても栄養素として利用されることはありません。

消化吸収過程で、シュウ酸はナトリウムと電離します。血液・体液・尿に溶存しているシュウ酸は、イオン状態で溶存しています。最終的に、シュウ酸は、腎・糸球体でろ過され、尿として排泄されます。

この電離状態のシュウ酸がカルシウムイオンと接触すると、シュウ酸カルシウムという結晶を形成します。

カルシウムと結合は強固であり、シュウ酸カルシウムは難溶性です(シュウ酸ナトリウムは水溶性)。シュウ酸カルシウムは凝集して結石を形成しやすく、とくに尿路系結石を起こしやすい物質です。

ホウレン草を生で食べると、消化管から吸収されたシュウ酸ナトリウムは、消化吸収され、尿路でカルシウムと結合して結石を生じてきます。

しっかり湯掻いたホウレン草は、蓚酸ナトリウムが溶出して含有量が少ないため、結石症をおこすことは少ないと言われています。


最近のホウレン草は、シュウ酸ナトリウムの少ない品種に移行しつつあり、生食もできるようになってきていますが、生のホウレン草の多食は注意が必要です。

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