一時ブームがきたこともあり、今ではスーパードリンク、飲む点滴として飲まれている甘酒ですが、その種類には酒粕甘酒と米麹甘酒の2種類があります。
ご存知でしたか?
どちらも甘酒ですが、味の違いや効果の違い、効能の違いなどがあるんです。
また、2つを混ぜて飲んだら?
そんな点を紹介します。
甘酒の種類は2種類ある
「健康に良い」から「美容に良い」とイメージがシフトした甘酒は、若い女性の間でも積極的に飲まれています。
温めて冬場に飲むもよし、冷やして夏場に飲むもよしと年間通して飲めるのも嬉しい点です。
甘酒の栄養価値が見直され、続々と体やお肌に良いという情報が出回ったおかげで、昔ほど抵抗感なく飲む方が多くなりました。
多忙で栄養について考えていられない方や、時短でも体に良い優しい食品を摂りたいという方向けに、現在では市販の甘酒も種類が増えて自分好みの甘酒をお持ちの方も多いと思います。
それほど甘酒は健康と美容を考える方たちに需要があるドリンクとなっています。
甘酒の種類1・酒粕甘酒
酒粕甘酒は日本酒の製造時に出る粕を使った甘酒です。
いわゆる「酒粕」と呼ばれるものですが、一般的に甘酒と呼ばれるのはこの酒粕甘酒のことと言われています。
また、酒粕は日本酒を製造する際にアルコールを出した後の物のため、酒粕甘酒には微量のアルコールが含まれています。
ちなみに酒粕には100g中約8%のアルコールが含まれます。
加熱することで5%程度に減少させることはできますが、販売されている酒粕甘酒はほとんどがアルコール1%未満と表記されていることが多く、運転などに差し支える可能性は低いとは言えますが、やはりアルコールを摂取するべきではない人には注意が必要であるので注意が必要です。
アルコールは含まれますが、酒粕甘酒のカテゴリーは酒類ではなくソフトドリンクとして販売されています。
甘酒の種類2・米麹甘酒
米麹甘酒の原材料は米と米麹のたった2つだけです。
米を蒸し、そこに米麹を加えて発酵させることで米麹甘酒が出来上がります。
酒粕甘酒のようにもったりとした口辺りではなく、比較的サラサラとして飲みやすいのが特徴です。
米麹も酒粕同様に日本酒の製造に関わってくるものですが、米麹はアルコールが作られる前の物のため、アルコールは含まれていません。
こちらの甘酒ならお子さん、妊娠中の方でもアルコール分の心配なく飲むことができます。
酒粕甘酒と米麹甘酒の味の違い
- 酒粕甘酒…酒粕独特のクセや香りで味、香りともに濃い印象
- 米麹甘酒…甘さも控えめで、口辺りがなめらかでスッキリ
一般的に縁日などで提供されることが多い酒粕甘酒は、お馴染みの通り酒粕独特のクセや香りを強く感じますし味、香りともに芳醇と表現できるほど全体的に濃い印象を受けます。
一方で米麹甘酒は酒粕甘酒より香りも甘さも控えめですが、しっかりと素材のコクがあり、尚かつ口辺りがなめらかでスッキリとしています。
甘酒独特の個性がよりあるのは酒粕甘酒で、それを飲みやすくしたものが米麹甘酒です。
酒粕甘酒と米麹甘酒の栄養
酒粕甘酒に含まれる栄養には、タンパク質、炭水化物、食物繊維、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、カルシウム、鉄、亜鉛、アミノ酸などが含まれています。
米麹甘酒に含まれる栄養には、酒粕甘酒ほどではありませんが、タンパク質が含まれており、酒粕甘酒より多い炭水化物が含まれます。
また、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸などが含まれています。
酒粕甘酒と米麹甘酒の効果の違い
- 酒粕甘酒の効果…ダイエット
- 米麹甘酒の効果…美肌
酒粕甘酒の効果
酒粕甘酒の効果としてはダイエットに向いているといえます。
レジスタントプロテインという種類のタンパク質が含まれており、この成分は不溶性食物繊維と似た働きがあることが分かっています。
摂取すると体の中の油と吸着して一緒に排出してくれ、コレステロール低下作用と肥満防止に役立ちます。
米麹甘酒の効果
米麹甘酒は美肌効果が期待できます。
米麹に含まれているエルゴチオネインという成分は美肌に良い上位に入るビタミンCよりも抗酸化作用に優れており、肌の耐久を上げて美肌を保ちます。
老化を防ぎ、紫外線を浴びても炎症が起きにくくなる肌作りをしてくれます。
また、ビオチンという肌のくすみなどを予防する成分も酒粕甘酒より多く含まれているため、肌の強化に繋がります
酒粕甘酒と米麹甘酒の効能の違い
- 酒粕甘酒の効能…睡眠の改善
- 米麹甘酒の効能…疲労回復
酒粕甘酒の効能
酒粕甘酒の効能は睡眠の改善です。
酒粕甘酒には「アデノシン」という成分が含まれているため、眠気を誘い、良質な睡眠へと導いてくれます。
米麹甘酒の効能
米麹甘酒の効能は疲労回復です。
甘さの元となっているブドウ糖は摂取後、速やかに吸収されるため、すぐに体へエネルギー補給できます。
ブドウ糖は麹菌によって予め分解を終えている状態のため、体に負担をかけず効率良く吸収されていきます。
また、麹菌は消化吸収を助ける働きもあるため、胃腸にかかる負担を抑えながら栄養を取り込むことが可能です。
酒粕甘酒と米麹甘酒に共通したメリットは、ビタミンB1や葉酸、パントテン酸などのビタミン類が豊富であることと、必須アミノ酸9種類を全て含んでいるということ、そしてどちらも腸内環境を整えてくれます。
夏バテの時に冷やして飲むと夏バテ防止にも期待が持てます。
酒粕甘酒と米麹甘酒を混ぜて良いとこ取り
結論で言えば、酒粕甘酒と米麹甘酒を混ぜるのは有効です。
酒粕甘酒、米麹甘酒ともに、体と美容に良い栄養がたっぷりですが、2つの甘酒を混ぜる際に着目したい点はカロリーとアルコールです。
ブドウ糖から感じる自然な甘さの米麹甘酒は、砂糖などの甘味料を入れずにあの優しい甘さを元から持っています。
一方で、酒粕甘酒は甘味料を入れなければ甘さを感じられず、飲むのが少々辛いドリンクです。
そんな酒粕と米麹甘酒を混ぜて飲むことで、余計な甘味料を摂取する心配もなく、米麹甘酒のおいしさを共通しながら酒粕甘酒と米麹甘酒どちらも楽しむことができます。
ただし、酒粕の方にはアルコールが含まれているため、お酒が飲めない方や妊娠中の方などは混ぜずに米麹甘酒の方を強くお勧めします。
甘酒の麹菌は生きているの?
甘酒に使用する麹菌についてですが、結論から言えば麹菌は死滅している状態です。
50℃程度の熱で麹菌は死滅してしまいますが、麹菌は生きた状態で体内へ送り込まれても繁殖することはありません。
また、生きたままの酵素を取り込みたいと考える方も多いですが、酵素は甘酒の栄養成分となるブドウ糖などを作り出すために必要なもののため、既に栄養が生み出された甘酒には酵素が含まれている必要はないのです。
例え酵素が体内で壊されず存在したとしても、胃酸によって活動能力を失い、腸に届くことはありません。
しかし、麹菌や酵素が死滅、破壊されているからと言っても、作られた栄養成分が壊れることはないため、栄養がなくなる心配はありません。
最後に
体や美容に良いことはもちろん優先したいポイントですが、最も重要なのは味です。
酒粕甘酒を飲んできた方にとっては独特のクセがあり飲みにくいと感じていた方も多いと思います。
米麹甘酒にももちろん栄養がたっぷり詰まっているため、あなたに合ったタイプの甘酒を選んで楽しんでみてはいかがでしょうか。
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