1月から12月まで、それぞれの月にさまざまな別名が存在します。
別名を見聞きするだけで、それが何月のことなのか思い浮かぶものもあれば、意味をよく知らないと何月のことなのかわからないものもあります。では「葉月」というと、何月?
文字だけを見ると、葉っぱに何か関係する月?葉が生い茂る月って何月?と思いますが、実際にはどういう月なのでしょう。「葉月」についていろいろ調べてみました。
葉月って何月
葉月は「8月」のことで、読み方は「はづき」です。もともと葉月は旧暦の「8月」を指す言葉でした。
現在は旧暦8月=新暦8月と考え、葉月を新暦の8月の別名(異名・異称)として言われることが多いですが、旧暦は太陰太陽暦という暦を使用していたため、単純に新暦(太陽暦)に当てはまらないんです。旧暦の8月を新暦に換算しますと、8月下旬から10月上旬ごろに当たり、一か月ほどズレが生じてしまいます。
葉月の意味と由来、語源
葉月の由来や語源には諸説ありますが、落葉が始まる時期であることから「葉落ち月」と呼ばれていたのが、短縮され「葉月」となったという説が一番有力です。
他にも諸説あり、葉が赤や黄色に色づき始めるので「はづき」と呼ばれるようになったという説や、渡り鳥の雁(かり)が飛んで来始めるので「初雁月(はつかりづき)」が「はづき」となった説などもあります。
葉月の別名、異名、異称
8月(葉月)の別名、異名、異称を調べてみました。
●仲秋(ちゅうしゅう)
「秋の真ん中の月」という意味があります。
旧暦の季節の分け方は、1月・2月・3月が「春」、4月・5月・6月が「夏」、7月・8月・9月が「秋」、10月・11月・12月が「冬」ですので、8月は秋の真ん中の月にあたります。
●雁来月(かりくづき・がんらいげつ)
渡り鳥の雁が、日本に渡ってくる月という意味があります。
●穂張り月(ほはりづき)
稲穂が大きく張ってくる時期という意味があります。
●南風月(はえづき)
南風は、南から来る強い風のことで、この風が吹くと天候が変化するので注意が必要といわれています。
旧暦8月は台風がよく来る月で、台風は南から来るので南風月となったそうです。
●萩月(はぎつき)
萩の花が咲く時期という意味があります。
●燕去月(つばめさりつき)
渡り鳥の燕が、日本から去っていく月という意味があります。
●月見月(つきみづき)
仲秋の名月、お月見をする月という意味があります。
●紅染月(こうぞめづき・こうそめつき)、木染月(こぞめづき)
木々が紅葉する月という意味があります。
最後に
「葉月」は、葉っぱが生い茂る時期ではなく、落葉が始まる月という意味がありました。
燕が去っていく月ということで「燕去月」、雁がやってくる月ということで「雁来月」、春にやってきた燕と入れ替わりに今度は雁がやってくる月ということにちなんだ別名があるのなんて昔は自然がありふれて多くの生き物たちによって季節が知らされていたんですね。
昔の方は、その時期に起こる自然現象から月の名前を付けていたんですね。日本には情景が浮かぶような月の別名がたくさんあることを、時々再認識してもいいかもしれませんね。。
コメント