夏場に冷蔵庫でキンキンに冷やした麦茶を飲むと美味しいですよね。
しかもコストが安くガブガブ飲めてしまいます。
けれど冬場などほとんど飲む方がいないのではないでしょうか。それって勿体ないみたいです。そんな麦茶を調べてみました。
麦茶とは
麦茶は大麦の実を焙煎して作られます。
大麦は、イネ科の植物で、大麦にも種類がいろいろあり、なかでも六条大麦という種類が多く使われています。
香ばしさはクセのないまろやかで甘みのある味わいです。
さらっとしたのどごしなので、夏に飲みたくなるという人も多いかもしれません。
夏の定番
私たちは、子供のころから「夏といえば麦茶」でふつうに飲んでいるから、麦茶がどれほどの健康飲料なのか気づく機会がこれまでなかったのかもしれません。
夏の定番飲料の麦茶は、あの香ばしさ匂いとサッパリした口当たりが、じめじめした蒸し暑い日本の夏にはたまらない魅力です。
しかし、香りや風味だけでなく、麦茶は体にいい飲みものです。
それにノンカフェインでタンニンも少なめなので、赤ちゃんや幼児、妊婦さんでも気兼ねなく飲めるのも、愛される理由でしょう。
夏に麦茶の「意外な」理由
麦茶は俳句や短歌では「夏の季語」として使われます。でもなぜ、日本の夏は麦茶なのでしょうか。
いちばんの理由は意外なことに「旬だから」です。
麦茶の原料である「六条大麦」の収穫時期が初夏であるため、採れたての大麦の実で作るのがいちばん美味しいとされ、夏の定番飲み物となったようです。
江戸時代には、夏の飲み物として庶民のあいだでも定着しています。現代とちがって、昔は夏しか飲めなかったのかもしれません。
体を冷やして「ミネラル補給」も
「夏=麦茶」の理由はもちろんそれだけではありません。
麦茶には熱くなり過ぎた体を冷やす効果があります。
麦茶を飲むと、体温を下げて体のほてりが効率よく取れます。
また、カリウムなどのミネラルが含まれているため、汗をかいて失われるミネラルをすばやく補給することができ、疲労回復や夏バテ予防につながるからです。
とはいっても、必要なミネラルを麦茶だけで補えるわけではありません。
夏場はしっかり緑黄色野菜を摂るようにしましょう。
血液サラサラ効果
近年、麦茶が血液について高い効果があることは、さまざまな研究機関によって報告されています。
麦茶の香ばしい匂いは「アルキルピラジン」という成分が元になっています。実は麦茶のあの独特の香りには、高いリラックス効果があります。
そしてアルキルピラジンは、血液の流れをよくする働きがあることが研究の結果明らかになっています。
アルキルピラジンが、血液の流動性を悪くさせるカルシウムイオンの流入を抑制する作用があるからです。
さらに麦茶に含まれる「GABA(ギャバ)」という成分は、
(1)腎臓の働きをよくする
(2)高血圧の原因になるナトリウムを排出する作用がある
(3)動脈硬化を引き起こす中性脂肪やコレステロールを下げる働きがある
など血液をサラサラにしたい人には、麦茶は最適な「健康飲料」といえるでしょう。
便秘改善など「デトックス効果」も
麦茶の原料である大麦は、別名「食物繊維の王様」といわれています。
そのため、便秘改善やデトックスなど、美容効果のある飲み物としても、最近は注目されることが増えています。
他にも、亜鉛やケイ素により、皮膚の再生を促進させる「美肌効果」、Pクマル酸により、体の細胞を酸化させる活性化酸素の撃退などの他にも、次のような効果がすでに示されています。
夏に限らず、冬はホットで一年中通して飲む習慣をおすすめします。
・むくみの改善
・膀胱炎の予防
・虫歯や歯周病の予防
・ストレスや不眠の解消
麦茶の選び方
比較検証の前に、麦茶を選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントを調べてみました。
大麦の種類で選ぶ
麦茶に使われている大麦の種類は大きく分けて3つ。一般的によく飲まれているのが「六条大麦」を使用した麦茶です。
「二条大麦」や「はと麦」を原料としたものもありますが、これらを組み合わせた「ブレンド麦茶」も存在します。
選び方と合わせて、それぞれの大麦の特徴についても細かく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
タンパク質豊富で香りのよい「六条麦茶」
コクと深みのある味・香りを楽しみたいなら「六条麦茶」がおすすめです。
六条麦茶は「六条大麦」を原料とした麦茶で、特に表示のない麦茶には基本的に六条大麦が使われています。
六条大麦には適度にタンパク質が含まれているため、焙煎の工程で香ばしさがプラスされ、馴染みのある香りと味わいになるのが特徴。
スタンダードな味わいの麦茶をお探しの方には、六条大麦を使った麦茶が人気です。
麦本来の甘みを楽しめる「二条麦茶」
麦本来の甘みを感じられる麦茶をお探しの方には「二条麦茶」をおすすめします。
二条大麦は、ビールの原料として使われることが多い大麦ですが、六条大麦に比べタンパク質が少ない代わりに、でんぷん質が豊富に含まれているのが特徴です。
そんな二条麦茶は、六条麦茶の次にスタンダードな麦茶として親しまれています。
苦味が少なく深い味わいで、とても飲みやすい麦茶ですよ。
美容・健康効果を期待できる「はと麦茶」
香ばしい香りと、すっきりとした味わいが特徴のはと麦茶。はと麦は化粧品や漢方薬にも使われているほど、健康・美容効果が期待できる食品です。
健康維持・美容効果を求めている方は、はと麦茶を選びましょう。
はと麦には「コイクセノライド」や「有機ゲルマニウム」という不飽和脂肪酸が含まれているため、新陳代謝や肌のターンオーバーを促してくれます。
さらに、利尿作用やデトックス効果も期待できますよ。
いろいろな味を楽しみたいなら「ブレンド麦茶」
毎日飲む麦茶に、少しアクセントを加えたい方には「ブレンド麦茶」がおすすめです。
六条麦茶・二条麦茶・はと麦茶などのスタンダードな麦茶に、黒豆やどくだみなどがブレンドされています。
味わいはブレンドされた原料によって変わり、麦茶の味が濃いものや、他の茶葉の香りや味が強く感じられるものなどさまざま。
健康効果も麦茶に他の要素がプラスされます。いろいろ試してみて、好みのものを見つけるのも楽しいですよ。
ただしいろいろな原料が含まれているため、アレルギー体質の方は注意が必要。麦茶以外の原料にカフェインが含まれている場合もありますので、カフェインを避けたい方は注意してくださいね。
風味に直結!お茶の淹れ方で選ぶ
パックタイプの麦茶は淹れ方によって味の濃さを調整したい方におすすめです。
また、通常1パックで1リットルほどの麦茶を作ることができるので、日常的に麦茶を飲むのであればコスパの良いパックタイプは重宝しますよ。
パックタイプは、煮出し・お湯だし・水出しのいずれかの方法でお茶を作ります。
各方法のメリット・デメリットをご紹介しますので、お好みの味わいが楽しめる麦茶を選んでくださいね。
しっかりした味が楽しめる「煮出しパックタイプ」
麦茶の風味を最大限に楽しみたい方におすすめするのが「煮出しパックタイプ」の麦茶。煮出しパックタイプの麦茶は、沸騰したお湯に麦茶のパックを入れ一定時間火にかけて作るため、濃い味のしっかりした麦茶ができあがりますよ。昔ながらの麦茶はこのタイプが主流で、懐かしい味を楽しみたい方にもおすすめです。
しかしお湯を沸騰させて作るため、冷やすのに時間がかかるというデメリットも。
ある程度冷ましてからでないと冷蔵庫に入れることができませんので、お湯を沸騰させて麦茶を作るときは冷やす時間も計算してから作りましょう。
さっぱり薄味派におすすめな「お湯出しパックタイプ」
煮出しタイプでは味が濃すぎるという方には、お湯出しタイプの麦茶がおすすめ。
沸かしたお湯に麦茶のパックを入れるので、煮出しに比べすっきりした味わいに仕上がりますよ!パックを浸けておく時間によって、手軽に濃さを調整できるのもうれしいポイントですね。
またお湯出しタイプなら急須でお茶をいれることもできるので、温かい麦茶を楽しみたい方はお湯出しタイプを選びましょう。
ただし少量のお湯で麦茶を淹れる場合、2Lタイプなどの大容量用のものは量が多すぎます。裏面の作り方に「急須」での淹れ方の表記があるものを選びましょう。
手軽に作れる「水出しパックタイプ」
水出しタイプの麦茶は、手軽に作れることが大きなメリットです。
麦茶用のポットに水と麦茶のパックを入れるだけで簡単に麦茶が作れます。
ただし、煮出しやお湯出し専用のパックではおいしい麦茶が作れませんので、必ず「水出し」の表示があるものを選んでください。
日持ちを考慮するのであれば水道水がおすすめですが、水道水に抵抗がある方は、ミネラルウォーターや浄水ポットなどの利用が必要です。
そのため麦茶のパック以外にも経費がかかり、コストが高くなってしまうことも。水出し麦茶を選ぶときは、ご自宅の水事情も考慮して選びましょう。
③時短・手軽・利便性に優れた濃縮缶タイプもチェック
水を注ぐだけですぐに麦茶が作れる「濃縮缶タイプ」は、出先で大容量の麦茶が必要な場合や、時短重視の方におすすめです。
片手に収まるほどの濃縮缶は持ち運びにとても便利。大人数でバーベキューやピクニックに持っていくのにぴったりです!
濃い味の麦茶が好きな方は1缶で1リットルほど、さっぱり薄味がお好みの方は2リットルほどの麦茶を作ることができます。
④手間のかからないペットボトルタイプはコスパに注意
日常的に麦茶を飲まない人には、手軽に飲めるペットボトル麦茶がおすすめ。
高血圧対策に有効な「トクホ商品」や苦味を抑えて作られた「ベビー麦茶」など機能性のある商品も展開されています。
手軽に美味しい麦茶を飲めるのはメリットですが、パックの麦茶1Lにかかるコストが3円〜15円なのに対して、ペットボトル1Lにかかるコストは90円〜170円と費用がかさむ点には注意しましょう。
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