日本各地の変わったお茶

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お茶

日本各地には、普段聞きなれない名前のお茶が存在します。その中から数点、珍しいと思うお茶をあげてみました。

日本各地の変わったお茶

碁石茶(ごいしちゃ)

高知県大豊町に伝わる碁石茶は,7月中旬に山中のお茶を摘み取り、生葉を4時間ほど蒸し、小屋の中で蒸し葉を堆積させて筵をかぶせ10日間ほど寝かせてカビ付けします。いったん筵を広げた後、杉樽に詰めて2週間ほど発酵させます。発酵したお茶の塊を3?くらいに切り、3日ほど天日で干して仕上げます。中国のプアール茶と同じように後発酵させて,団茶のように固めたお茶です。ウーロン茶はお茶の葉を自然に発酵させるのですが,碁石茶は漬物のようにして強制的に発酵させます。

碁石茶の作り方

碁石茶の製法は?1茶摘み→2蒸す→3寝かす→4漬け込む→5断つ→6乾す→7俵詰めという工程で作られます。むしろの中で好気性カビによって発酵させる(寝かす)作業と,漬け桶の中で嫌気性バクテリアによって発酵させる漬けこみ作業がポイントとなっています。つまり強制発酵を2種類もするわけです。

碁石茶の使い方

直接飲むとウーロン茶の何倍も渋い味です。この碁石茶,生産地では普段飲むではなく瀬戸内の島々の船乗りさんたちに、茶粥のだしとして長年親しまれてきたものです。

「碁石茶」の由来

ちなみに碁石茶の名前は,製造工程の6番目の「乾す」という過程で,庭に広げた筵の上にこの固まったお茶を並べていくと,ちょうど碁盤に黒い碁石を並べたように見えるところから名づけられたとされています。

ぼてぼて茶

島根県松江市、安来市を中心に山陰地域でのまれてきたお茶。10月頃、枝ごと切り取ったチャを1ヶ月間陰干しをして作る「日陰番茶」と乾燥させたチャの花を使用します。番茶と花を煮出して煮汁を茶碗に注ぎ、穂先の長い専用の茶筅に塩をつけ、左右に振って泡たてます。白い泡が立った頃に細く切った具を入れます。具は白飯、たくわん、しいたけ、高野豆腐、煮豆などの具をいれて両手で茶碗を振り動かしながら飲みます。昔飢饉の際や仕事の合間に供されたお茶漬けの一種といえます。

バタバタ茶

室町時代に、真宗本願寺第八世蓮如上人が越中布教のおり、朝日町蛭谷ですでに飲まれていた黒茶を利用したと推定されるほど昔から飲まれていた。 バタバタ茶に使う黒茶は日本では珍しい発酵茶で、その製造は朝日町では途絶えていたが、これを町の特産品にしようと、平成元(1989)年から旧小杉町(射水市)の製造業者に技術を教わって、茶作りを再開させた。最近では缶入りのバタバタ茶もある。この黒茶は、摘み取ったお茶の葉を発酵させてつくる発酵茶です。紅茶・ウーロン茶も発酵茶ですが、紅茶・ウーロン茶が茶の葉に含まれる酵素の働きで発酵して作られるのに対し、黒茶のほうは酵素の働きをいったん止めた後、微生物の働きで発酵させています。四国の阿波番茶・碁石茶・石鎚茶そして中国のプーアル茶も黒茶と同じく微生物による「後醗酵」のお茶です。

黒茶の作り方

茶摘み 8月の上旬ごろに摘んだ茶を枝ごと刈り取って使用する。
蒸煮 煎茶用の大きな釜で黄土色になるまで蒸す。蒸すことで茶の葉っぱの酵素の働きが止まる。ざるに取り水きりをして、すのこに広げて半日ほど干して、生干しにする。
発酵 室(むろ)に入れる。発酵が始まり発熱する。しばらくの後お茶を固め、圧縮して板で囲う。発酵熱が低いときには囲いの回りに被い などをして発熱を助ける。茶の葉や温度湿度の差によって発酵の経過はいろいろ。
切替し 60度以上にならないようにお茶の切替しを行なう。箕(み)にお茶を取りゆすって発酵熱を逃がし積み直す。また、固める。この切替しを発酵が終わるまで繰り返す。
乾燥 発酵が落ち着いたお茶を室から出して天日で干し十分に乾燥させる。
貯蔵 紙袋に詰めて湿気を避けて貯蔵する。
出荷 小袋に詰め、各家庭にむけて出荷する。

飲み方

やかん茶釜などで煮出した黒茶の汁を五郎八(ごろはち)と呼ばれる茶碗(笹川焼・赤川焼)に入れ、二本合わせの茶せんを振りたて泡立てて飲む。その様子が「バタバタ」していることからバタバタ茶と呼ばれるようになったといわれる。泡立てることで茶の味はまろやかになる。一見、簡単そうに見えるが、慣れない人がするとあまりおいしくならない。
慶事や仏事があると茶をわかし隣近所を呼び集めてこの茶会を開くのが蛭谷地区の慣わしである。五郎八茶碗とすす竹を2本合わせて作った「めおと茶せん」を手にみんなが集まる。茶せんをバタバタと忙しく動かし、一服しながら世間話や情報交換をする。特に作法なども無い気楽な茶会である。

阿波番茶(あわばんちゃ)

阿波晩茶はお茶でありながら乳酸飲料でも有り、爽やかな酸味が有るのが特徴です7月中旬以降完全に成長した一番茶のみを摘み、大きな釜でゆでて、茶すり機で茶葉をすり桶に一ヶ月以上じっくり漬け込み、乳酸発酵させる独自の乳酸菌製法により作られます。この独特の製茶法は普通の緑茶とは全く違うものです。

おいしい飲み方

1リットルほどの急須に番茶を一掴み(3g~4g)を入れ、沸騰したお湯を注いで数分たって、山吹色になったら飲み頃です。お茶の葉をそのままにしていても味や色、香りなど変化がしにくいので後でも飲めます。夏は冷蔵庫で冷やし、汗をかいた後の水分補給にもどうぞ。さっぱりした飲み口が喉を潤してくれます。ご飯と相性がよいのでお茶漬けにもどうぞご利用下さい。

カッポ茶

『カッポ茶』ってご存知ですか?現在では宮崎県高千穂地方の一部に残っている飲茶の風習です。孟宗竹など太い竹を2節ほどの長さに切り、上の節を取った竹筒の中に湯を入れて、遠火にかけ、ヤマチャの葉を火で焙って入れて暫く放置した後飲みます。茶の香りと竹の香りが混ざった独特のお茶を楽しみます。にわか作りの竹の碗に注ぐときカッポカッポと音がすることからこの名が付いたといわれています。昔は各地で山仕事の一服に行われていたそうです。

はんず茶

はんず茶は鹿児島県鹿児島市の旧松元町で生まれました。釜炒り茶の一種で、はんずを使用して作ります。はんずは漢字で半胴と書きますが、要するに水瓶のことです。上記写真は薩摩焼で有名な美山で撮影したはんずです。窯元さんの話では高さ40~50cmくらいの標準的なサイズの水瓶をはんずと呼ぶそうです。松元町と美山は目と鼻の先。はんず茶はもう一つの伝統芸能・薩摩焼とも密接な関係があるのではないかと勝手に想像しています。
はんず茶は、はんずを斜めに傾けて土かまどに置き、その中に茶葉を入れ、木の枝でかき回して炒ったものです。その間には揉み工程や撚り工程があります。投入する茶葉の量、熱加減、煎り時間、もみ具合などの調整は経験によるしかなく、熟練までには長い時間を必要とします。元々は松元町の各家庭で作られていた家庭の味でした。

ブクブク茶

沖縄県那覇を中心にみられるお茶。琉球政府の役人の夫人たちが考案した物で明治時代に庶民に普及したと云われています。まず炒ったお米を10倍くらいの水で煮て、「煎り米湯」を作ります。煎り米湯と「さんぴん茶」と番茶で作った「茶湯」を1.5 : 2の割合で木の大鉢に入れ、大振りの茶筅で泡立てクリーミーな泡に仕上げます。茶碗に「茶湯」、「煎り米湯」、「茶湯と煎り米湯」のいずれかを少量注ぎ、赤飯を少量入れ、その上に泡をこんもり盛り上げて、さらにピーナッツの粉を振りかけます。
「さんぴん茶」とはジャスミン茶の一種です。八重山地方を中心に沖縄県で愛飲されているお茶。「しーみー茶」とも云われいます。

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