日本原産の野草 明日葉茶(あしたばちゃ)

お茶

明日葉茶は日本原産の野草であり、各社から健康にいいとか野菜不足を補う等宣伝されて売られている青汁の原料に使われるほど高い効能を持つことで知られています。

明日葉茶は明日葉をお茶にしたもので、健康成分を飲むだけで気軽に摂取することができます。

健康に良いと言われる明日葉茶ですが、具体的にどのような効果を期待することができるのか調べてみました。

google

明日葉とは

日本原産のセリ科シシウド属の多年草で、伊豆諸島や八丈島、大島、房総半島、伊豆諸島など太平洋沿岸部の温暖な気候を好む植物です。収穫の時期は2月から5月ごろで、シーズンでは特産野菜として多く出回ります。

成長が早い植物で、「今日摘んでも明日には新しい芽が出る」ことから明日葉(あしたば)と呼ばれるようになったそうです。翌日とはいっても実際には再び芽を出すのは4日程度ですが、それほど強い生命力がある植物なのでなんか体に良さそうです。

明日葉の歴史

明日葉は日本だけではなく中国にも自生している植物で、古くから不老長寿の薬草として親しまれてきた経緯があります。秦の始皇帝にあてた書簡の中にある「不老長寿の薬」とは明日葉である、と記されています。

明日葉は古くからその効果が注目され研究されていました。江戸時代の儒学者である貝原益軒が1709年にしたためた「大和本草」において八丈島の明日葉が紹介されており、葉が3枚に分かれているという特徴や滋養強壮に良い薬草であると記されているそうです。

最近の青汁には「ケール」「大麦若葉」に並んで青汁に多く使われています。

明日葉茶に含まれている成分

明日葉茶には、一体どんな成分が含まれているのでしょうか。調べてみました。

カルコン(キサントアンゲロール、4-ヒドロキシデリシン)

明日葉の葉や茎を切ると出てくる、黄色のドロッとしたものの正体で、実はこれなんと明日葉以外の植物には含まれない、貴重なポリフェノールの一種として知られているんです。

明日葉はとても栄養価が高いことで話題となっています。含まれている栄養素の中でも、明日葉にしか含まれていない「カルコン」と呼ばれる成分が注目されています。

葉や茎に含まれている成分で、ポリフェノールの一種であるフラボノイドに属しています。葉や茎を切ると、黄色いねばねばした汁が出てきます。これが明日葉だけにみられる特徴でとても貴重な成分です。

クマリン(フロクマリン)

ポリフェノールの一種です。実はクマリン、桜の葉にも含まれる芳香成分です。

桜餅のあの優しく甘い香りはクマリンによるものです。

ルテオリン・イソクエルシトリン

強い抗酸化作用で知られる、フラボノイドの一種です。

β-カロテン

主に緑黄色野菜などに多く含まれているカロテノイドの一種です。

ビタミン・ミネラル類

ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄などが含まれています。

食物繊維

人参やほうれん草の約2倍含んでいます。

葉緑素

緑色の天然色素で、クロロフィルの名でも知られています。

明日葉茶の効能

明日葉茶(あしたば茶)は独特の薬草っぽい苦みを感じるお茶ですが、特に抵抗感なく飲めるので愛飲家が多い人気の健康茶です。

明日葉茶(あしたば茶)に含まれている成分カルコンには、血をさらさらにし固まりにくくする作用があり、血栓によって引き起こされる心筋梗塞や脳梗塞予防に優れているとして研究対象にもなっているほどです。

また、明日葉茶(あしたば茶)には100g当たり165~1,250ppmの植物性有機ゲルマニウムが豊富に含まれていて、癌(ガン)に効くと言われているサルノコシカケ類800~2,000ppmには敵いませんが、あの朝鮮人参の270~320ppmを優に超えているんです。

上記カルコンと同様、有機ゲルマニウムの抗酸化力は、血液をサラサラにし、体液の巡りを良くする作用があり、細胞の老化を防いでくれます。そのパワーはビタミンEの数百倍と言われています。

ゲルマニウムやカルコンの働きにより、抗ガン物質インターフェロンの生産が促され、癌(ガン)細胞をやっつける白血球の産生を促す効能があるとされていて、明日葉茶(あしたば茶)を飲み続けることは、癌(ガン)や心筋梗塞、脳梗塞、結石や排尿障害の予防に良い効能があるとされています。

また、明日葉茶(あしたば茶)に含まれる植物性有機ゲルマニウムは、水溶性で血液にスムーズに吸収されるため、動脈硬化や生理痛の緩和効果が高いとされていて、血管内に付着して石灰化したカルシウムを溶かす作用も確認されています。

万病に効くとされる明日葉茶(あしたば茶)は今注目され人気のある健康茶です。そういうわけで高品質のものは限られていて品薄が続いています。

明日葉茶の美味しい淹れ方

ダイエットや健康維持に役立つ明日葉茶ですが、明日葉は日本が原産なので比較的容易に入手することができます。

ですから、明日葉が手に入ったらお茶にして飲むのがおすすめです。

作り方は簡単。どなたでも美味しく作って飲むことができるので、ぜひチャレンジしてみてください。

1明日葉をさっと水洗いして汚れを除去していきます。そして茎がついたまま細かく切っていきます。

2切った明日葉を熱した鍋に一気に加えて、焦がさないようゆっくりと混ぜながら炒めていきます。その後蒸らして落ち着かせます。

3明日葉がしんなりしてきたらまな板へと移し、適度に冷ましてからゆっくりとこねるように揉んでいきます。
これは葉の組織を壊して成分や味を引き出す作業なので、しっかりと行う必要があります。

4揉んだ明日葉を再度弱火でゆっくりと炒め、最後に茶葉を取り出して新聞紙の上で乾燥させていきます。
乾燥が終わったら、茶筒に入れて保管してください。これで完成です。

やかんの中に水を1リットル入れ、火にかけます。その中に大さじ1〜2杯の明日葉茶を入れ、沸騰させていきます。28分ほど煮出していきますが、香ばしい香りがしてお好みの色になっていれば出来上がりです。

煮出した明日葉茶をそのまま飲んでも、冷やしてアイスにして飲むもおすすめです。

※急須で飲む場合には、明日葉茶を入れて熱湯を注ぎます。しばらく置いて適度な色になるまで待つようにしてください。

気になる明日葉茶の副作用について

栄養満点の明日葉茶。さっそく役立てたいところですが、副作用も気になりますよね。

古くから食用にもされる植物ということもあり、報告されている副作用はないようです。

日本補完代替医療学会誌(Vol. 9 (2012) No. 2 p. 83-88)に掲載された実験報告では、明日葉を過剰摂取(31.5 g (3.5 g/包,9 包)した場合でも、副作用は見られなかったと報告されています。

ただし、体質に合わない場合、過剰摂取した場合はこの限りではありません。

少しでも安全に栄養成分を取り入れるためにも、製品に記載されている目安量は守りましょう。

また、明日葉茶にカフェインは含まれていないので、幼児・妊婦さんでも安心して飲むことができます。

コメント