カラダの調子を整える栄養素 ミネラル
「ミネラルは、カラダをつくる材料になったり、カラダの調子を整える栄養素。体内で作ることができないため、食品から取り入れることが必要です」
ミネラル(無機質)は、ビタミンと同様に体の機能の維持・調節に欠くことのできない栄養素です。とても少ない量で重要な働きをするところはビタミンと同じですが、ビタミンと異なることは、ミネラルは体の構成成分にもなっているという点です。
ミネラルは、ビタミンと同様に、とり過ぎによる弊害がみられる場合があります。このため、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、この量までなら摂取しても過剰の害のない耐容量として耐容上限量を設定しています(この量は摂取をすすめている量ではありません)。健康食品やサプリメントについては、その利用目的、方法、摂取量に十分に注意して適切なご利用をこころがけてください。
ミネラルの種類
ミネラルの種類は16種類あります。
ミネラルの中で、ヒトの体内に存在し、栄養素として欠かせないことが確定しているものを必須ミネラルといい、現在16種類あります。必須ミネラルのうち、1日の摂取量が概ね100 mg以上のものを主要ミネラル (マクロ元素) 、100 mg未満のものを微量元素と分類することもあります。
必須ミネラルの種類は、今後の研究で必須性が証明されて、増えていく可能性があります。
必須ミネラルの種類は以下の通りです。
代表的なミネラル
カリウム
カリウムは、私たちの体内ではほとんどが細胞内液に存在しています。近年、カリウムの摂取量を増やすことによって、血圧の低下、脳卒中の予防、骨密度の増加につながることがわかってきました。
カリウムの働き
カリウムは、細胞の外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、血圧を調整したりして、常に一定したよい体内の状態(恒常性)を維持するのに役立っています。ナトリウムはとり過ぎると高血圧の一因になりますが、その一方でカリウムは血圧を下げる働きがあります。
多く含まれる食品
カリウムは、ほとんどの細胞の中に存在することから広く食品に含まれますが、特にバナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜類、さつまいもなどのいも類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類に多く含まれています。
必要摂取量
まずは体に必要な量として、食事摂取基準の「目安量」をめざしましょう。国民健康・栄養調査結果では、平均でほぼ「目安量」ほどとれていますから、偏食しないで1日3回の食事をきちんととればほぼ大丈夫です。ただし、欠食をする人、野菜や果物をあまり食べない人では摂取量が少ない可能性がありますから気をつけましょう。
さらに、高血圧を中心とした生活習慣病の一次予防のためには「目標量」として、もっと多くのカリウムの摂取が望まれます。この場合は、野菜、果物、いも類などカリウムを豊富に含む食品を積極的に摂取する必要があります。
一方、カリウムのとり過ぎによる過剰の害は、普通の食生活ではほとんどありません。ただし、腎機能が低下している人などはカリウムの摂取に制限のある場合がありますので、専門家にご相談ください。
男性 | 女性 | |||
目安量 (mg/日) |
目標量 (mg/日) |
目安量 (mg/日) |
目標量 (mg/日) |
|
1~2(歳) | 900 | – | 800 | – |
3~5(歳) | 1,100 | – | 1,000 | – |
6~7(歳) | 1,300 | 1800以上 | 1,200 | 1800以上 |
8~9(歳) | 1,600 | 2000以上 | 1,500 | 2000以上 |
10~11(歳) | 1,900 | 2200以上 | 1,800 | 2000以上 |
12~14(歳) | 2,400 | 2600以上 | 2,200 | 2400以上 |
15~17(歳) | 2,800 | 3000以上 | 2,100 | 2600以上 |
18~29(歳) | 2,500 | 3000以上 | 2,000 | 2600以上 |
30~49(歳) | 2,500 | 3000以上 | 2,000 | 2600以上 |
50~69(歳) | 2,500 | 3000以上 | 2,000 | 2600以上 |
70以上(歳) | 2,500 | 3000以上 | 2,000 | 2600以上 |
妊婦 | 2,000 | – | ||
授乳婦 | 2,200 | – |
- 目安量は体の恒常性維持に適正と考えられる量と現在の日本人の摂取量から考慮した値です。
- 目標量は、高血圧を中心とした生活習慣病の発症予防および重症化予防の観点から設定されています。ただし腎機能に異常がある場合は摂取量に制限が必要と考えられます。専門家にご相談ください。
- 6歳未満では目標量の掲載はありませんが、該当年齢の目安量を参考に適度な摂取が大切です。
カルシウム
カルシウムは骨や歯などをつくっている栄養素です。体重の1~2%の重さで体内に存在しています。
カルシウムの働き
体内のカルシウムは、99%は骨と歯に、残りの1%が血液などの体液や筋肉などの組織にあります。この1%のカルシウムが出血を止めたり、神経の働きや筋肉運動など、生命の維持や活動に重要な役割をしています。このためにカルシウムはいつも骨に蓄えられているともいえます。
<骨はカルシウムの貯蔵庫>
骨は体の他の部分と同じように、少しずつ形成と吸収を繰り返し、絶えずつくり替えられています。食べたカルシウムは、小腸から吸収されて血中に入り、すぐ使う分だけ残して残りは骨に蓄えられます(骨の形成)。一方、血中には常に同じだけのカルシウムが必要なので、血中のカルシウムが不足する時、骨は自らを壊してこれを補います(骨の吸収)。骨は体を支えると同時に不足に備え、常に出し入れができるカルシウムの貯蔵庫なのです。
多く含まる食品
カルシウムの多い食品は、牛乳、小魚、海藻、大豆および大豆製品、緑黄色野菜などです。例えば牛乳コップ1杯(200ml)には、約220mgのカルシウムが含まれていて、これは栄養素等表示基準値(日本人の1日に必要な量の平均的な値)700mgのおよそ1/3にあたります。
必要摂取量
カルシウムは、背が伸びて骨が育つ成長期、赤ちゃんの発育する妊娠・授乳期には特に不足しないようにしたいものです。また、長い間のカルシウム不足などから骨の吸収が形成を上回ると、高齢になって骨がもろく折れやすくなる病気(骨粗しょう症)になるおそれがあります。
骨粗しょう症予防には若いうちから丈夫な骨をつくっておくことが大切です。このためには、体をよく動かし、栄養のバランスに配慮し、カルシウムをきちんととることが基本なのです。
しかし、国民健康・栄養調査結果では日本人のカルシウムの平均摂取量は長年必要な量に達していません。だからといって、カルシウムの多い食品を一度にたくさん食べても吸収できるカルシウム量は限られるので毎日コツコツとる必要があります。毎日の食事にカルシウムを多く含む食品をうまく組み入れて積極的にとるようにこころがけましょう。
一方、とり過ぎによる過剰症には、泌尿器系結石や他のミネラルの吸収抑制などがあります。一般の食品からとり過ぎはおこりにくいと考えられますが、薬やサプリメントなどではその利用目的、方法、摂取量に十分に注意して適切なご利用をこころがけてください。
男性 | 女性 | |||
推奨量 (mg/日) |
耐容 上限量 (mg/日) |
推奨量 (mg/日) |
耐容 上限量 (mg/日) |
|
1~2(歳) | 450 | – | 400 | – |
3~5(歳) | 600 | – | 550 | – |
6~7(歳) | 600 | – | 550 | – |
8~9(歳) | 650 | – | 750 | – |
10~11(歳) | 700 | – | 750 | – |
12~14(歳) | 1,000 | – | 800 | – |
15~17(歳) | 800 | – | 650 | – |
18~29(歳) | 800 | 2,500 | 650 | 2,500 |
30~49(歳) | 650 | 2,500 | 650 | 2,500 |
50~69(歳) | 700 | 2,500 | 650 | 2,500 |
70以上(歳) | 700 | 2,500 | 650 | 2,500 |
妊婦 | +0 | – | ||
授乳婦 | +0 | – |
- 妊婦、授乳婦の付加量はありませんが、通常時の推奨量をめざして十分に摂取することが大切です。
- 18歳未満、妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが耐容上限量がないということではありません。該当年齢の推奨量を参考に適度な摂取が大切です。
マグネシウム
マグネシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です。大人の体には20~28gほど含まれ、カルシウムやリンとともに骨をつくっているミネラルです。
ちなみに、豆腐をつくる時に使われる「にがり」は、塩化マグネシウムが主な成分です。
マグネシウムの働き
カルシウムではそのほとんどが骨にあって骨が貯蔵庫の役割をしていることは知られていますが、マグネシウムも50~60%が骨に含まれていて、不足すると骨から遊離して、神経の興奮を抑えたり、エネルギーをつくる助けや、血圧の維持などの重要な働きに利用されます。
多く含まれる食品
アーモンドをはじめとする種実類、魚介類、藻類、野菜類、豆類などに多く含まれています。私たち日本人は歴史的にマグネシウムの多く含まれている未精白の穀物や植物性食品を摂取してきた民族といわれ、現在も穀物から最も高い割合でマグネシウムを摂取しています。
必要摂取量
マグネシウムは、長期にわたって摂取量が不足すると、骨粗しょう症、心疾患、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まる可能性が示されています。国民健康・栄養調査結果によると現在の日本人は、摂取量が少ないため、主食や野菜をきちんととって摂取量を増やすことが望まれます。
一方、マグネシウムは通常の食品からはとり過ぎる心配は少ないのですが、健康食品やサプリメントなどからとり過ぎた場合には下痢になる可能性があるため、適切な利用方法をこころがけましょう。
男性 | 女性 | |
推奨量 (mg/日) | 推奨量 (mg/日) | |
1~2(歳) | 70 | 70 |
3~5(歳) | 100 | 100 |
6~7(歳) | 130 | 130 |
8~9(歳) | 170 | 160 |
10~11(歳) | 210 | 220 |
12~14(歳) | 290 | 290 |
15~17(歳) | 360 | 310 |
18~29(歳) | 340 | 270 |
30~49(歳) | 370 | 290 |
50~69(歳) | 350 | 290 |
70以上(歳) | 320 | 270 |
妊婦(付加量) | +40 |
- 通常の食品から摂取する場合、耐容上限量は設定されていません。
- 通常の食品から摂取する場合、耐容上限量は設定されていません。
- 通常の食品以外からの摂取量の耐容上限量は、成人の場合350mg/日、小児では5mg/kg体重/日です。
リン
リンは体内のミネラルの中でカルシウムの次に多い栄養素です。成人の体には最大850gのリンが含まれています。
リンの働き
体内のリンはその85%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になっていて、残りの15%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギーをつくり出す時に必須の役割をしています。
多く含まれる食品
広く動植物食品に含まれていますが、とくに魚類、牛乳・乳製品、大豆、肉類に多く含まれます。
必要摂取量
リンは、現代の食生活では一般に不足することはなく、むしろとり過ぎが問題です。その原因のひとつに、リンを多く含む食品添加物が加工食品や清涼飲料水などの酸味の素として使用されていることがあげられています。
リンはカルシウムの代謝と深く関係しています。カルシウムの摂取量が低く、かつリンを過剰にとる食事を長期間続けた場合、骨量や骨密度が減る可能性があるといわれています。丈夫な骨のためにカルシウムをしっかりとることはみんなが知っていることですが、一方でリンをとり過ぎないことも重要なのです。
外食や加工食品に偏りがちな場合は、リンの摂取量が多い可能性があります。食生活を見直すとともにカルシウムの多い食品を摂取するようこころがけましょう。
男性 | 女性 | |||
目安量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | 目安量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | |
1~2(歳) | 500 | – | 500 | – |
3~5(歳) | 800 | – | 600 | – |
6~7(歳) | 900 | – | 900 | – |
8~9(歳) | 1,000 | – | 900 | – |
10~11(歳) | 1,100 | – | 1000 | – |
12~14(歳) | 1,200 | – | 1100 | – |
15~17(歳) | 1,200 | – | 900 | – |
18~29(歳) | 1,000 | 3,000 | 800 | 3000 |
30~49(歳) | 1,000 | 3,000 | 800 | 3000 |
50~69(歳) | 1,000 | 3,000 | 800 | 3000 |
70以上(歳) | 1,000 | 3,000 | 800 | 3000 |
妊婦(付加量) 初期 | +800 | |||
授乳婦(付加量) | +800 |
- 18歳未満、妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが耐容上限量がないということではありません。該当年齢の目安量を参考に適度な摂取が大切です。
鉄
鉄は体の中に3~4g存在して、主として赤血球をつくるのに必要な栄養素です。
鉄の働き
体内の鉄は、その約70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分になっていて、約25%は肝臓などに貯蔵されています。ヘモグロビンは、呼吸でとり込んだ酸素と結びつき、酸素を肺から体のすみずみまで運ぶという重要な働きをしています。
多く含まれる食品
鉄の多い食品といえばレバーを思い浮かべることが多いようですが、そのほかにも魚、貝、大豆、緑黄色野菜、海藻など、鉄を豊富に含む食品はたくさんあります。
食品中の鉄の種類には、肉・魚・レバーなど動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜・海藻・大豆など植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。国民健康・栄養調査結果によると、私たちの口に入る鉄は非ヘム鉄の方が多いようですが、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりはるかに吸収がよいという点で鉄を摂取したい人にはおすすめです。また、食事からの摂取が難しい場合ではサプリメントを利用するという手段もあります。一方、非ヘム鉄はビタミンCや動物性たんぱく質といっしょにとると、その吸収効率をアップできることが知られています。つまり、鉄を含む野菜・海藻・大豆には、果物・肉・魚を組み合せるとよいということです。
以上のことをふまえ、ひとつの食品に偏らず、日々の食生活の中でいろいろな食品から鉄を十分にとるようこころがけましょう。
必要摂取量
不足すると、赤血球をつくる材料がないため鉄欠乏性の貧血になるおそれがあります。貧血になると血液は酸素を十分に運べないので体が酸素不足になり、頭痛がしたり、すぐ疲れたりといった症状がでます。また、心臓はこれを補ってフル回転するので、どうき・息切れをしやすくなります。女性は月経による出血や妊娠・出産によって鉄が失われる分、男性よりたくさん必要です。成人女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血であるといわれ、また中学・高校の女子生徒の貧血有病率が増加していることから、食生活を見直すと同時に必要な鉄をきちんと摂取することが重要です。
一方、鉄のとり過ぎは通常の食生活ではほとんどありませんが、鉄剤やサプリメントなどから誤って大量摂取した場合は鉄沈着症などの過剰症がみられるため、摂取量などに十分に注意して適切なご利用をこころがけてください。
男性 | 女性 | ||||
推奨量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | 推奨量 (mg/日) 月経なし | 推奨量 (mg/日) 月経あり | 耐容 上限量 (mg/日) | |
1~2(歳) | 4.5 | 25 | 4.5 | – | 20 |
3~5(歳) | 5.5 | 25 | 5.0 | – | 25 |
6~7(歳) | 6.5 | 30 | 6.5 | – | 30 |
8~9(歳) | 8.0 | 35 | 8.5 | – | 35 |
10~11(歳) | 10.0 | 35 | 10.0 | 14.0 | 35 |
12~14(歳) | 11.5 | 50 | 10.0 | 14.0 | 50 |
15~17(歳) | 9.5 | 50 | 7.0 | 10.5 | 40 |
18~29(歳) | 7.0 | 50 | 6.0 | 10.5 | 40 |
30~49(歳) | 7.5 | 55 | 6.5 | 10.5 | 40 |
50~69(歳) | 7.5 | 50 | 6.5 | 10.5 | 40 |
70以上(歳) | 7.0 | 50 | 6.0 | – | 40 |
妊婦(付加量) 初期 | +2.5 | ||||
妊婦(付加量) 中期・後期 | +15.0 | ||||
授乳婦(付加量) | +2.5 |
- 過多月経(月経出血量が80mL/回以上)を除外した場合です。
- 妊婦、授乳婦では月経なしの推奨量に各付加量を加えた値を用います。
- 妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
亜鉛
亜鉛は味覚を正常に保つのに働き、また皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素で、体の中に約2gあり、主として骨、肝臓、腎臓、筋肉に存在します。
亜鉛の働き
亜鉛は新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素をつくる成分となるほか、たんぱく質の合成や遺伝子情報を伝えるDNAの転写に関わっています。このため、細胞の生まれ変わりが活発なところでは亜鉛が必要とされます。
多く含まれる食品
魚介類に多く含まれていますが、その中でも、かきやうなぎは亜鉛の量が多い食品です。その他、肉類や藻類にも多く含まれています。
必要摂取量
亜鉛は不足すると味覚障害が引きおこされることが指摘されています。口の中の味を感じる器官を「味らい(みらい)」といいますが、味らい細胞は新陳代謝が活発なため、亜鉛が不足すると細胞の生まれ変わりに支障をきたし、味覚の低下がおこると考えられます。
ダイエットなどで食事量が少ない状態が続いたり、偏った食事をしていると、亜鉛不足が原因の味覚障害になる可能性があり、近年とくに若い女性での亜鉛不足が心配されています。無理な食事制限には気をつけましょう。一方、高齢者での亜鉛不足は、床ずれの回復が遅れたり免疫力の低下につながるといわれています。亜鉛の多い魚介類や肉類をやわらかく煮るなど食べやすく料理して不足を防ぎましょう。
通常の食生活ではとり過ぎの心配はほとんどありません。ただし、サプリメントなどで誤ってとり過ぎた場合は、同じミネラルである銅の吸収を阻害して銅欠乏性貧血をおこすなどの過剰症があります。摂取量などには十分に注意して適切なご利用をこころがけてください。
男性 推奨量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | 女性 推奨量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | |
1~2(歳) | 3 | – | 3 | – |
3~5(歳) | 4 | – | 4 | – |
6~7(歳) | 5 | – | 4 | – |
8~9(歳) | 6 | – | 5 | – |
10~11(歳) | 7 | – | 7 | – |
12~14(歳) | 9 | – | 8 | – |
15~17(歳) | 10 | – | 8 | – |
18~29(歳) | 10 | 40 | 8 | 35 |
30~49(歳) | 10 | 45 | 8 | 35 |
50~69(歳) | 10 | 45 | 8 | 35 |
70以上(歳) | 9 | 40 | 7 | 35 |
妊婦(付加量) | +2 | |||
授乳婦(付加量) | – | +3 |
- 18歳未満では耐容上限量の掲載がありませんが、耐容上限量がないということではありません。 該当年齢の推奨量を参考に適度な摂取が大切です。
- 妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが 耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
銅
銅は、鉄から血液中の赤血球がつくられるのを助ける栄養素です。体の中には骨、骨格筋、血液を中心として成人で約80mg存在しています。
銅の働き
赤血球中のヘモグロビンという赤い色素は鉄を成分としていますが、銅はこのヘモグロビンをつくるため鉄を必要な場所に運ぶ役割をしています。このため鉄が十分にあっても銅がなければ、赤血球はうまくつくれないため貧血になってしまいます。
また、銅は体の中の数多くの酵素となって、活性酸素を除去するなどの働きをしたり、骨の形成を助けたりする役割もしています。
多く含まれる食品
広く食品に含まれますが、とくにかき、するめなどの魚介類、レバー、ナッツ、大豆、ココアなどに多く含まれています。
必要摂取量
銅は極端に摂取不足して欠乏した場合、銅欠乏性の貧血などになります。しかし、これは遺伝性の吸収不全や難治性の下痢症など特別の場合であって、日常の食生活において欠乏症はほとんどみられません。
一方、とり過ぎによる過剰症は、先天性の代謝障害以外に海外では銅製の食器や調理器具で酸性の食品を扱ったことによる中毒の報告がありますが、通常の食生活では心配はありません。ただし、サプリメントなどで誤って大量摂取した場合には、肝障害など健康を害するおそれがありますので注意が必要です。
男性 | 女性 | |||
推奨量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | 推奨量 (mg/日) | 耐容 上限量 (mg/日) | |
1~2(歳) | 0.3 | – | 0.3 | – |
3~5(歳) | 0.4 | – | 0.4 | – |
6~7(歳) | 0.5 | – | 0.5 | – |
8~9(歳) | 0.6 | – | 0.5 | – |
10~11(歳) | 0.7 | – | 0.7 | – |
12~14(歳) | 0.8 | – | 0.8 | – |
15~17(歳) | 1.0 | – | 0.8 | – |
18~29(歳) | 0.9 | 10 | 0.8 | 10 |
30~49(歳) | 1.0 | 10 | 0.8 | 10 |
50~69(歳) | 0.9 | 10 | 0.8 | 10 |
70以上(歳) | 0.9 | 10 | 0.7 | 10 |
妊婦(付加量) | +0.1 | |||
授乳婦(付加量) | +0.5 |
- 18歳未満では耐容上限量の掲載がありませんが、耐容上限量がないということではありません。 該当年齢の推奨量を参考に適度な摂取が大切です。
- 妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが 耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
マンガン
マンガンは、さまざまな酵素の構成成分になったり、さまざまな酵素を活性化する栄養素で、成人では体内に12~20mgほど存在します。
マンガンの働き
骨の形成に関与するほか、糖質および脂質の代謝に働く酵素や、抗酸化作用のある酵素など多くの種類の酵素の構成成分として、成長や生殖に関係しています。
多く含まれる食品
広く食品に含まれますが、植物性の食品が主な供給源で、全粒穀類、豆類、ナッツ、茶葉に多く含まれています。
必要摂取量
必要な量が微量でしかも植物性の食品を中心に広く食品に含まれていることから、通常の食生活における欠乏の心配はほとんどありません。
一方、過剰症は静脈栄養など特別な場合の報告に限られており、通常の食事でとり過ぎる心配もありません。
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