食品が綺麗に見える程ヤバい食品添加物! 発色剤と着色料

食品添加物

赤い色の食品と言えば、イチゴやトマト。緑色ならキュウリやメロン、その食品をイメージさせる色調を表現するのが着色料。

ハムなどの食品の原材料の表示には、発色剤という表示を見かけることもありますが、着色料とどこが違うのか。今回は発色剤と着色料の違いについて調べてみました。

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食品のイメージさせる色調を表現する食品添加物 発色剤と着色料

発色剤と着色料の違い

食品を美味しそうに見せる作用は同じですが、発着剤と着色料の大きな違いは、まず着色料はそれ自体に特有の色調があり、様々な食品に特徴的な色を付けることが目的です。

それに対して、発色剤というのは、それ自体には色はなく、見た目は真っ白な塩のようにみえるものです。

そして国が定めた食肉やたらこなどの食品にのみ添加されます。

添加された発色剤の使用目的は、食品の血色素であるヘモグロビンやミオクロビンなどに作用して、食品をきれいな安定した色調をだして美味しそうな色合いにすることや、その性質から食品の保存性を高めるためことなどに使われます。

発色剤のメリット・デメリット

発色剤は食中毒防止に役立っている

発色剤の種類は亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムの3種類で、これらは水に溶かすと無色透明になります。

発色剤は厚生労働省が定めた使用基準によって特定の食品にのみ添加物されます。

たとえばハムやソーセージ、ベーコン、コンビーフ、魚卵のいくらやすじこ、たらこなどが製造されるときに添加され、加熱や酸化による食品の褐色変化を防ぎ、美味しそうな色をだしてその素材が持つ色調に保つというメリットがあります。

また原料の肉などの獣臭さを消し、ハムやソーセージなどの風味の改善にも役立ちます。


硝酸ナトリウムや硝酸カリウムは原料の肉の中の還元酵素によって亜硝酸ナトリウムとなり食品に発色効果をだします。

また細菌の増殖、特に食中毒の原因とも言われる猛毒のボツリヌス菌の繁殖を阻止する効果があるので、食中毒防止に役立ち、食品の保存性を高めてくれるメリットもあります。

発色剤は発がん性物質を生成する

発色剤にはメリットがる反面、デメリットには、発色剤の亜硝酸ナトリウムが体内で発がん性の物質ニトロソアニン類を生成するという点があげられます。

発色剤を添加する原料の肉の成分であるアミノ酸は、発酵もしくは腐敗することでアミンという物質を生成します。

このアミンはいくつか種類がありますが、その中の第二級アミンと発色剤の亜硝酸ナトリウムが胃の中でニトロソアミンという物質を作り出し、この物質が発がん性のあるものだと言われ懸念されている点が発色剤の大きなデメリットになります。

健康増進長く健康で生きられるように、食品の成分への危険性についても注目が集まる中、その一つにあがる食品添加物の危険性の心配は、製造者側や厚生労働省の窓口、ネット上にもたくさん寄せられていると言われています。

とくに添加物の原料が天然素材のものではなく化学物質であるならなおさらです。

発色剤の亜硝酸ナトリウムから生産される発がん性物質であるニトロソアミンは、食品衛生委員会があげた資料の中でもその発がん性について報告されており、国でも発がん性の物質であると認められている物質です。これでは不安になるのは仕方ないと思います。

しかしながら、発色剤はその成分が化学物質ではあるけれど、このあとの内容にも説明するように、国内外の食品や食品添加物についてその安全性を評価する専門的な機関から、発色剤に使う物質は安全であると評価されていることや発色剤の使用にあたっては、その使用基準がきちんと設けられおり、発色剤を使用する製造者は食品の安全性を確保して、発色剤を食品に添加しているので心配はいらないといわれているのも事実です。

着色料のメリット・デメリット

着色料は着色料自体にそれぞれ特有の色があり、種類もたくさんあります。

着色料のメリットは食品に着色や補色し、食品をきれいで美味しいイメージを与えることです。

また缶詰や漬物などの食品には、その食品の保存中の変色や退色を補って色調を安定させるメリットもあります。

着色料には化学物質を使った合成系と植物の種子や果肉から抽出した天然系の着色料があります。

合成系の着色料は特に品質が安定しているので、微量でもきれいに食品に色調を出すことができます。

天然系の着色料で赤色とか紫赤色をだすアカキャベツ色素などは国内でも作られているものもありますが、天然系の着色料のほとんどの原料は海外で生産されており、産地や天候に影響されること、そのため供給にも変動があること、また天然の物から抽出されるため天然の色合いは出ますが、濃さは低く色合いもばらつきが出てしまうデメリットがあります。

発色剤の歴史

昔はヨーロッパなどで肉を長期保存したり味付けするには、食塩を利用して加工が主流でした。

塩蔵と呼ばれる方法です。この加工方法が行われていた歴史の中で、肉に岩塩を使用するとより保存性が高まり肉の色調や風味が上がることが発見され、さらに科学の進歩とともにこの岩塩に含まれている硝酸ナトリウムが肉汁の中の微生物に影響して亜硝酸ナトリウムに変化することが解明されて発色の仕組みが分かりました。

塩を使うことで保存性は高まり色調や風味も増す反面、味も変化してしまうために現在では岩塩に変わり亜硝酸ナトリウムがハムなどの製造に利用されるようになりました。

昔のヨーロッパで利用されていた技術が伝授され、だんだんと進化して、天然の岩塩より安定した品質の亜硝酸ナトリウムが発色剤として現在ハムやソーセージなどに利用されています。

発色剤なしの食品

発色剤なしの食品は肉の血色素が酸化して食品の色が変色し、食品を美味しい色に表現できなくなってしまいます。視覚からの情報も味に影響を与えるからです

また発色剤は細菌やボツリヌス菌の増殖を抑制し、加熱時には殺菌効果が作用してくれますが、発色剤なしの食品は食中毒の危険が高まり保存性が失われてしまいます。

発色剤が入っていないベーコン・ハム・ソーセージには、「加熱して食べることが望ましい」という注意書を記載するようにと食品衛生法でも義務付けられているほどです。

岩塩を使えば発色剤は必要ないのではと思うところですが、天然成分である岩塩は不純物も多く、成分が安定していません。

そのため色調の褐色化や変色は防げても、細菌などの増殖による食中毒などの安全性に欠けてしまう可能性があったり、風味も落ちて品質が低い食品になってしまう恐れがありると言われています。

発色剤の発がん性の危険性

発色剤のデメリットにも上がる発色剤の発がん性の危険性については、発色剤の亜硝酸ナトリウムの危険性や、亜硝酸ナトリウムから生成される発がん性物質であるニトロソアミンについて国内外おいて様々な動物実験などが行われ報告が上がっています。

ラットなどを使い餌や水に亜硝酸ナトリウムを加え摂取させたラットが発がんした、腫瘍ができたという動物実験の報告があるほか、亜硝酸ナトリウムは胃の中で反応すると発がん性物質だとすでに認められているニトロソアミンが生成されるという報告もあります。

しかしニトロソアミンが胃の中で生成される量は極わずかで問題なるような量ではないと厚生労働省より報告されているのも確かなことです。

また発がん性物質であるニトロソアミンが、発色剤の物質から生成されると心配されていますが、もともと発色剤の一つである硝酸ナトリウムなどは白菜やホウレン草などの一部の野菜に含まれている物質です。

硝酸ナトリウムを含んだ野菜を食べた時に人の体内で亜硝酸ナトリウムに変化し、発がん性物質であるニトロソアミンが生成されると言われていることが、発色剤に発がん性の疑いがもたれている理由となっています。

しかしながら野菜に含まれる硝酸ナトリウムについても、実際に硝酸ナトリウムを含んだ野菜を食べ、それが体の中で亜硝酸ナトリウムへ変化するメカニズムはとても複雑であるといわれています。

硝酸ナトリウムだけが変化するのではなく、生体内の他の窒素含有化合物などが酸化して硝酸ナトリウムや亜硝酸ナトリウムが生成されることなどもあるようです。

たとえば一部の野菜から由来する硝酸ナトリウムについては、そのうちどのくらいの量が亜硝酸ナトリウムに変化するのかについては、はっきりはわからない点だとされているそうです。そのような角度から考えた場合でも、発色剤である亜硝酸ナトリウム自体が、人体へ危険性があるとは関連付けられないと言われています。

食品に添加されている様々な物質に発がん性があると疑われる中で、食品添加物の発色剤の亜硝酸ナトリウム=発がん性物質というイメージを消費者に持たれてしまうことが多いのは確かです。

しかし実際、発色剤を含む食品添加物の添加物質においては数々の発がん性に関する試験を行い、そのデータや報告をもとに国内外の専門家によって厳しく評価され、人に対しては発がん性がないことを確認して食品添加物としての使用が認められています。

発色剤の発がん性の危険性をはじめ、添加物の危険性に関する消費者の不安の声に対して、現在、製造者側ではお客様相談窓口として商品にフリーダイアルを明記したり、厚生労働省や食品安全委員会など国の各機関では問い合わせの窓口を設け、消費者の食に関する不安の回避へのとりくみがなされています。

発色剤の危険性についての評価

日本では1957(昭和32)年に発色剤である亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムを厚生労働省が定める食品添加物と認可し、食品衛生法に基づきその使用基準や使用量を決めて食品に添加することが許されています。

実際に添加される量は使用基準量よりかなり少ない量が添加されているので健康への危険性はないと厚生労働省より報告されています。また発色剤は人の健康に危険がない量(ADI)が定められています。

ADIとは人が毎日食べ続けても安全な1日の摂取許容量のことで、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)によって設定されて各国へ提供されているものです。

国内外の食品や食品添加物を評価する機関からは、発色剤は人体へ危険性がない量しか食品には添加されていないので健康への危険性はない、また国内外の試験報告、データ、評価をもとにした使用基準があり、それに従って食品に添加されているので人の健康に危険性はないと評価されています。

亜硝酸ナトリウムの危険性

厚生労働省の報告によると、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)では亜硝酸ナトリウムについて、人の摂取と発がん性について何ら関連はないと評価していると報告しています。

硝酸ナトリウムについては、普通に摂取する分にはそれ自体は人体に危険のある物質ではないけれど、確かにヒトの体内で還元されて亜硝酸ナトリウムに変化すると発ガン性物質であるニトロソアニンを生成する恐れはある。

しかし食品添加物として使用する量については発がん性の危険はないと評価されています。

発色剤の使用基準

食品衛生法の基づく発色剤の使用基準について、亜硝酸ナトリウムは食肉、鯨肉ベーコン、魚肉ソーセージ、魚肉ハム、いくら、すじこ、たらこ以外の食品に使用してはならず、その使用量は食肉製品及び魚肉ベーコンは1kgにつき0.070g以上残存しないように、魚肉ソーセージ及び魚肉ハムは0.050g以上残存しないように、いくら、すじこ、たらこに関しては0.0050g以上残存しないように使用しなければならないと決められています。

硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの使用基準については、チーズ、清酒、食肉製品及び鯨肉ベーコン以外の食品に使ってはならず、その使用量は食肉製品及び鯨肉ベーコンには亜硝酸塩としての最大残量が1kgにつき0.070g未満でなければなりません。

ちなみにチーズについては原料の乳1Lにつき0.20g以下、清酒については酒母1Lにつき0.10g以下でなければならないというように決められています。

まとめ

様々な食品に色を付ける目的で利用され、その物自体特別な色を持ち合わせている着色料と違い、発色剤は決められた食品に添加され、食品の血色素に作用して変色を防ぎ、食品を美味しそうな色調を表現するほか、風味の改善や保存性を高めてくれる目的で利用されます。

食品添加物については発がん性など人体への危険性が心配される中で、発色剤も発がん性物質を生成する物質が使われていることで、発がん性があるのではないかと消費者から心配の声が寄せられています。しかし発色剤の亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムは食品添加物に指定されており、食品衛生法により使用基準や使用量が決められているほか、ADIの基準に沿って食品に添加されています。

一部の野菜に含まれている硝酸ナトリウムなどは別として、食品添加物の発色剤に含まれる亜硝酸ナトリウムや硝酸ナトリウムは、食品添加物にとして添加される量は、人に対して発がん性などの危険性はない量であるため、発色剤を使った食品を摂取しても何ら問題はないと国内外の専門機関で評価されています。発色剤イコール食品添加物イコール危険性があるわけではないので、その点をよく理解して食品を美味しく摂取されてください。

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