多くの場合、DHAと一緒に表記されているEPA。
このEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚の油などに含まれる必須脂肪酸のひとつです。
国際表示では、IPA(イコサペンタエン酸)と記されているんです。
しかもDHAより健康パワーは、高いとも言われています。
ご存知でしたか?
近年では、食事の欧米化、食べ物の多様化などで魚を食べる量が減ってきています。
しかしEPAは体内では作ることができないため、意識して食べ物からとり入れる必要があります。
EPAの働き
EPAは健康に欠かせない必須脂肪酸で、体内の血液のめぐりをスムーズにします。
国際的にはIPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれることもあります。
血液の流れが滞ると、酸素と二酸化炭素、栄養分と老廃物などの交換がうまく行われなくなり、体のあちらこちらに不具合が出ます。
血流が悪くなると体の機能が低下するとともに、血圧が上昇し、血管がつまったり、破裂したりするリスクが高まります。
そのような症状を阻止するのがEPAです。
他にEPAの働きには、主に以下のようなものがあります。
EPAの健康効果1・動脈硬化の予防
血小板が凝集する作用を抑える働きがあり、血栓を溶かし、血液をサラサラにします。
EPAの健康効果2・中性脂肪の減少
中性脂肪の代謝を促進し、中性脂肪を減らします。
特にEPAは、DHAよりも中性脂肪を下げる効果があることが分かっています。
EPAの健康効果3・花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の緩和
炎症やアレルギーの原因となるプロスタグランジンやロイトコリエンといった物質を抑制する働きがあります。
なお、EPAは体内で一部がDHAに変換されます。
DHAとEPAを一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。
EPAの健康効果4・生活習慣病の予防・改善効果
◎炎症を抑制する効果
◎感染症を予防する効果
◎精神を安定させる効果
など期待される効果があげられます。
EPAの推奨摂取量
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、DHA・EPA・α-リノレン酸を含むn-3系脂肪酸の目安量は以下になります。
男性:18~49歳 2.0g/日、50~74歳 2.2g/日
女性:18~49歳 1.6g/日、50~64歳 1.9g/日、65~74歳 2.0g/日です。
EPAの推奨摂取量が過剰摂取が続いた場合
血液を凝固しにくくする作用があるため、出血したときに止血しにくくなります。
※血液を固まりにくくする薬(血液凝固阻止剤)を服用している方や出血が止まりにくい傾向のある方は、医師との相談がお勧めです。
EPAの推奨摂取量が不足が続いた場合
脂質異常症や動脈硬化、高血圧になりやすくなります。
EPAが多く含まれる食材・食事は?
EPAが多く含まれる食材は以下の通りです。
いわし | 780㎎ |
トロ | 1400㎎ |
ぶり | 940㎎ |
さんま | 1530㎎ |
さば | 700㎎ |
アジ | 300㎎ |
すじこ | 2130㎎ |
うなぎ蒲焼 | 750㎎ |
あんこうの肝 | 3000㎎ |
※100gあたりのおおよその含有量を表示しています。
手軽に食べられる鯖缶などは、お勧めですね。
EPA摂取のポイント
EPAは熱に弱く、酸化しやすいのが特徴で、できるだけ新鮮な刺身や寿司などを食べましょう。
また、蒸し焼きやホイル焼きにして汁ごと食べることもおすすめです。
なお、油が体内で酸化すると過酸化脂質となり老化などの原因になるため、EPAを摂るときは、酸化を防ぐ作用のある下記の食材をうまく組み合わせると効果的です。
魚が苦手な方や生活習慣で魚を取りづらい方などは、サプリメントの活用も効果的です。
抗酸化作用のある食材
■ビタミン
抗酸化ビタミンとして、ビタミンA(β-カロテン)・ビタミンC・ビタミンEがあります。
・ビタミンA(β-カロテン)⇒かぼちゃ・ほうれん草・小松菜などの緑黄色野菜
・ビタミンC ⇒キウイ・レモン・いちごなどのフルーツ・赤ピーマンなど
・ビタミンE ⇒植物油・ナッツ類・アボカド・抹茶など
■ミネラル
・亜鉛 ⇒牡蠣・豚レバーなど
・セレン ⇒ホタテなどの魚介類・大豆・玉ねぎなど
■ポリフェノール
・セサミン ⇒ごま
・アントシアニン ⇒赤ワイン
・リコピン ⇒トマト
最後に
生活習慣病の予防のためにも、毎日続けて摂りたいものですが、米国食品医薬品局(FDA)では、サプリメントから摂る場合、DHAとEPAを合わせて1日2 gを超えないようにとされています。
”体によい”と言われるものでも、摂りすぎには注意が必要です。
コメント