化学的根拠はないのに何故か信じてしまう 日本の迷信⑧

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日本には数多くの迷信があり、その多くは科学的根拠がないにもかかわらず、長い歴史の中で現在の日本文化の一部となり日常生活に溶け込んでいます。

それは、迷信や言い伝えが適当な作り話ではなく、いつもと違った現象から先を読むことを生活の中で作り上げていった先人の知恵であり、現代にも通じることが多いからだと思います。

そんな昔から言い伝えられている日本の迷信を調べてみました。迷信を信じない人も、言い伝えが生まれた由来を知ることは、日本文化や歴史を垣間見ることができ、いかに迷信が人々の暮らしに寄り添っていたかを感じるきっかけになるでしょう。

そして、意外にも迷信はあなたの中に浸透し心に抱いていることを感じるかもしれませんよ。

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緑青には毒性がある

銅が腐敗して表面に現れる錆を「緑青(ろくしょう)」といい、昔からの緑青は毒性があり人体に危険を及ぼすと言われていました。

これは単なる迷信として言い伝えられていたものでなく、昭和時代には、辞書や学校の教科書にも「銅の錆の一種である緑青には毒性がある」と表記がされていたそうです。

しかし、科学の進歩とともにこれは全く科学的根拠がないことが研究結果によって実証され、今からおよそ30年ほど前、厚生省から誤解であったことが発表がなされています。

火遊びをする子どもは寝小便をする

この迷信は、子どものしつけとしておねしょをするバツの悪さを利用した戒めであると言われています。

幼児期の子どもは火の危険をなんとなく理解していても、火に興味を持ち火遊びしたい衝動にかられるものです。

そして大人が注意すればするほど火遊びがしたくなる心理が働いてしまします。そこで昔の人は、子どもが恥ずかしいと感じる心理的作用を利用して火遊びをやめさせたと言われています。

また一説では、夜の火遊びは興奮状態が続きなかなか寝付けないため、自律神経が乱れ睡眠中におねしょをしてしまうという説もあります。

亭主関白だと女の子が生まれやすい、かかあ天下だと男の子が生まれやすい

日本で昔から言い伝えられている迷信の中でも、全く科学的根拠がない代表例でありながら、赤ちゃんの性別が気になる夫婦の間では現代でも広く周知されている迷信の1つです。

最近ではあまり耳にしませんがつい最近まで一部の人の間では言い伝えられていました。

この迷信は夫婦の力関係を表しており、「亭主関白」「かかあ天下」という風にどちらか一方の家庭での力が強く、母親のほうが強いと男の子が生まれ、父親のほうが強いと女の子が生まれると言われています。

赤ちゃんの誕生を待ちわびる気持ちは昔の人も同じで、性別にまつわる迷信が多く生まれました。

蜂に刺されたら尿をかける

古く親から子へと言い伝えられてきた迷信の1つ「蜂に刺されたら尿をかける」は日本全国に広がり、以前は多くの人が信じていました。

その理由は、尿に含まれているアンモニアが中和反応を起こし痛みがおさまるという発想からでした。

しかしその後、アンモニアは体内で尿素に変わって排出されるため、尿を傷口にかける方法は、民間療法としては全く意味のないものであることが知られるようになりました。

薬のない時代に昔の人が考えた知恵であり、苦肉の策であったと言えるでしょう。

熊に出会ったら死んだふりをすると助かる

近年日本各地で熊の出没件数が増えている中、「熊に出会ったら死んだふりをすると助かる」という言い伝えは全く根拠がなく、大変危険な行動であるとテレビの報道などでも注意が促されています。

この迷信の由来は、一説では、昔熊に襲われた一家で「寝ていた赤ちゃん」だけが助かったとう逸話によるものと言われています。

実際に熊は死んだ肉でも食べるので、万が一熊に遭遇した場合は、熊の方向を向きながら後ずさりして逃げましょう。しかし一番大切なのは熊と出くわさないように対策するのが大切です。

血液型で人の性格が決まる

血液型と人の性格については現在もあらゆる研究が行われており賛否両論ある中、日本では血液占いなどの流行を経て、血液型で性格を判断する風潮が広まっていきました。

科学的根拠はなく迷信である!といった否定派意見がある中、女性を中心に対人関係の拠り所にしている傾向があります。

そこには、否定する根拠もそれほど解明されていないことがあげられます。

海外では、自分の血液型に関心がない人も多く、差別問題にも係わるので慎重な対応が求められています。

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チョコレートをたくさん食べ過ぎると鼻血が出る

幼少期に一度は言われ全国的に周知されているこの迷信は、医学的な根拠はほとんどないと言われています。

昔、チョコレートは大変高価なものだったため、子どもに我慢させ食べ過ぎを戒めるため生まれたのではないかと言われています。

また、チョコレートは多くの脂肪分や糖分を含んでいるため大量摂取は健康被害につながる危険があるとし、注意喚起で噂が広まったという説があります。

しいて言えば、チョコレートは血圧を上昇させる作用があるため血管に負担がかかり、なんらかの条件がそろえば鼻血が出やすくなることは考えられます。

最後に

日本には、まだまだたくさんの言い伝えや迷信があると思います。

全国的に広まっているものや各地方に根強く生き抜いているもの各ご家庭内だけのものなど様々です。

そんな言い伝えや迷信をもっと共有出来たら面白いかもしれませんね。私も申し越し調べていきたいと思います。

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