暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢 歴注(れきちゅう) | 人は食べた物で創られる

暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢 歴注(れきちゅう)

信仰・縁起物

暦注(れきちゅう)とは、暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項のことである。

暦注の大半は、陰陽五行説、十干十二支(干支)に基づいたものである。一般に、暦の上段には日付・曜日・二十四節気、七十二候などの科学的・天文学的な事項や年中行事が書かれ、中段には十二直、下段には選日・二十八宿・九星・暦注下段などの事項が書かれる。また、六曜は日付の下に書かれることが多いが、これも暦注に入れる。

暦注の日取りを決める方法を撰日法という。

陰陽五行思想・説(いんようごぎょうしそう・せつ)とは、中国の春秋戦国時代ごろに発生した陰陽説と五行説、それぞれ無関係に生まれた考え方が後に結合した。陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)、陰陽五行論(いんようごぎょうろん)ともいう。陰陽思想と五行思想との組み合わせによって、より複雑な事象の説明がなされるようになった。 陰陽道などにおいては、占術などに用いられる事もあった。

十干十二支

陰陽五行説の基本は、木、火、土、金、水、(もく、か、ど、ごん、すい、金は「きん」でなく「ごん」と読ませる)の五行にそれぞれ陰陽二つずつ配する。甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸、は音読みでは、こう、おつ、へい、てい、ぼ、き、こう、しん、じん、き、と読む。音読みでは陰陽と五行にどう対応しているか分かりにくいが、訓読みにすると、きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと、となり、五行が明解になる(かのえ、かのと、は金)。陰陽は語尾の「え」が陽、「と」が陰である。語源は「え」は兄、「と」は弟である。「えと」の呼び名はここに由来する。「えと」は本来、十干ないし干支の呼称だった。きのえ、は「木の陽」という意味。

十二支にも五行が配されている。その前提として、季節に対応する五行(五時または五季)は、春が木、夏が火、秋が金、冬は水である。土はどこへ来るかというと、四季それぞれの最後の約18日(土用)である。有名な「土用の丑の日」は夏の最後の時期(土用)の丑の日(丑は土の五行)ということである。各季節に十二支を配すると、

  • 春は、一月、二月、三月(五行は木、木、土)
  • 夏は、四月、五月、六月(五行は火、火、土)
  • 秋は、七月、八月、九月(五行は金、金、土)
  • 冬は、十月、十一月、十二月(五行は水、水、土)

となる(月は旧暦の暦月または節月)。

十二支の陰陽は、子から数えていき、奇数番目は陽、偶数番目は陰となる。十干と十二支が組み合わさるとき、陰と陽の組み合わせはなく、陽と陽、陰と陰の組み合わせのみとなる。そのため、10×12=120とはならず、半分の60通りになる。甲寅はあっても乙寅はない、乙卯はあっても甲卯はない。

陰陽五行説の暦、またそれをもとにした占いは、立春を一年の始まりとしている。また月の始まりも1日ではなく、二十四節気のうち月の前半に来る十二の節(年によって違うが概ね5〜8日)が月の始めとなる。このように節から次の節の前日までの間を1か月とする月の区切り方を節切り、その月を節月という。また月の節入り(せついり)という。

  • 立春(正月節)、新暦2月4日頃
  • 啓蟄(二月節)、新暦3月6日頃
  • 清明(三月節)、新暦4月5日頃
  • 立夏(四月節)、新暦5月5日頃
  • 芒種(五月節)、新暦6月6日頃
  • 小暑(六月節)、新暦7月7日頃
  • 立秋(七月節)、新暦8月7日頃
  • 白露(八月節)、新暦9月8日頃
  • 寒露(九月節)、新暦10月8日頃
  • 立冬(十月節)、新暦11月7日頃
  • 大雪(十一月節)、新暦12月7日頃
  • 小寒(十二月節)、新暦1月5日頃

だから小寒(1月5日頃)から立春前日(2月3日頃)の「年の干支」は前年の干支となるし、「月の干支」は十二月の丑となる。

陰陽五行説の論理

「陰陽五行説」とは前述の通り「陰陽説」と「五行説」を組み合わせたものである。 『管子』の四時篇の陰陽主運説から発展している。五行と陰陽の結合の発想は易の説卦傳に基づいている。説卦傳における「地」を四方の中央とし、これに陰陽と星辰を加えている。

「陰陽説」は古代中国神話に登場する帝王「伏羲」が作り出したものであり、全ての事象は、それだけが単独で存在するのではなく、「陰」と「陽」という相反する形(例えば明暗、天地、男女、善悪、吉凶など。前者が陽、後者が陰である)で存在し、それぞれが消長をくりかえすという思想である。陰陽は形に示すことができないもので、分析すれば千変万化となる。


陰陽は、(+)と(-)のように相対する両極のどちらに属性が高いかによって二分類する考え方である。固定的なものではなく、振り子が一方に振り切れると反対方向に戻るように、そのバランスは常に変化し増減している。


五行説は、治水に功績をあげて舜から禅譲された禹が、治政にあたって天帝から与えられた九種類の大原則(洪範九疇)の第一として、五行(火水木金土)が明記されている。「五」の起源については東西南北の四方に中央を加えたものという考え方(東‐木・南‐火・中央‐土・西‐金・北‐水)と、肉眼で観察が可能な五つの惑星、五星(水星・金星・火星・木星・土星)に淵源があるとする考え方がある。

五行相生・五行相剋

Heaven stem affect.png

五行説の特徴は、「相生」と「相剋」という、それぞれの要素同士がお互いに影響を与え合うという考え方である。相手の要素を補い、強める影響を与えるものを「相生」、相手の要素を抑え、弱める影響を与えるものを「相剋」という。注意しておきたいのは、「相生」は相手を強めるので常によい、「相剋」は相手を弱めるので常に悪い、という捉え方ではないことである。五行相生「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」という関係を『五行相生』という。木は燃えて火になり、火が燃えたあとには灰(=土)が生じ、土が集まって山となった場所からは鉱物(金)が産出し、金は腐食して水に帰り、水は木を生長させる、という具合に木→火→土→金→水→木の順に相手を強める影響をもたらすということが「五行相生」である。五行相剋「水は火に勝(剋)ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」という関係を『五行相剋』という。水は火を消し、火は金を溶かし、金でできた刃物は木を切り倒し、木は土を押しのけて生長し、土は水の流れをせき止める、という具合に、水は火に、火は金に、金は木に、木は土に、土は水に影響を与え、弱めるということが「五行相剋」である。

日本における陰陽五行思想

仏教儒教と同じ5世紀から6世紀に日本には暦法などとともに伝わり、律令により陰陽寮という役所が設置された。その後、道教の道術を取り入れて、陰陽道へと日本独自の発展をした。  また、陰陽五行思想は年中行事にも強い影響を与えているとする説もある。それによれば、正月は寅、盆は申となっており、それぞれ春、秋の始めを示す。正月は木気、火気の始めでもあり、門松を飾ったり、とんど祭りをしたりする。対して盆は水祭りとして燈籠流しなどが行われる。また、陰陽のバランスをとるためにとんどは水辺で行われ、燈籠流しは火を灯した舟を水に流す。

曜日

曜日(ようび)とは、七曜(7つの天体)が守護するとされる日のことをいい、曜日が循環する7日の組のことを週と呼ぶ。日本語では現在でも各曜日を日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日のように七曜の名を冠して呼ぶが、地域によっては、後に曜日の名に番号、土着の神、イベント等が当てはめられ、七曜との関係は忘れられている。

総説

7つの惑星(または神々の名)を決まった順序に並べて規則的に巡回させる「週・曜日」は、すでにそのものが古代バビロニアの粘土板に書かれており、太陽は太陽神シャマシュ、月は月神シン、火星はネルガル神、水星は書記の神ネボ(ナブー)、木星はマルドゥーク神、金星は女神イシュタル、土星はニニブ神(ニヌルタ)とされていた。古代エジプトのパピルスにもあるが、七曜の概念はバビロニアで生まれたと考えられ、そこからさまざまな経路を経て世界に広まった。ただしユダヤ教徒は異教の神の名を嫌って安息日以外は1から6までの番号で呼ぶようになったため、エジプトやローマやインドで古くから知られる七曜(7つの惑星または神々の名を用いたもの)とは異なっている。キリスト教徒に伝えられたのはローマ経由でゲルマン社会に広まったものである。

順序の起源

天動説での太陽系モデルでは、七曜は、地球から見た角速度が速いものほど地球に近く、月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星の順に並んでいると考えた。しかし、曜日の順序は、この順番またはその逆というわけではなく、土星から始めて遠い順に2つおき、または月から始めて近い順に3つめごとになっている。曜日の並びがなぜこのような順になっているのかは不明であるが、『ローマ史』を著したカッシウス・ディオは曜日の順番の起源について「テトラコルド説」と「プラネタリーアワー説」の二つをあげている。天動説での順序に並べた七曜の順序(円周点線)と曜日の順序(星型実線)

後者の説によると、古代エジプトでは、七曜は、1曜が1日ではなく1時間ごとに地上を守護すると考えられた。これが「プラネタリーアワー」である。プラネタリーアワーの順序は、地球から最も遠い土星に始まり、内側へと進む。きっかり24時間後、すなわち翌日の第一時間目の守護星は、3つ前(あるいは4つ後)の太陽となる。以下、順に土星、太陽、月、火星、水星、木星、金星、そしてまた土星が各日の第一時間目の守護星になる。第一時間目の守護星は、同時にその日一日の守護星ともされ、その日は守護星の名をもって呼ばれるようになった。こうして、現在の曜日の順が決まったのだ、という。ただしこれはあくまでローマ時代の人の推測であって、曜日の起源は当時すでに忘れられていたほど古く、実際にこのような理屈で順番が決まったのかどうかは不明である(1日を24時間に分割するのは紀元前1400年頃のエジプトから始まったが、曜日自体はそれ以前から存在したことと、エジプトでは10日を単位とする独自の週が別にあり改めて7日制の週を作り出す必要性に乏しいことからこの説が史実だとは考えにくい。現代の通説では月相による朔望月を4分割して7日ごとに休日を置いたバビロニアの暦制が関係しているとして、太陽暦だったエジプトではなく、バビロニア起源と考えられている)。

日本への導入

日本には入唐留学僧らが持ち帰った「宿曜経」等の密教教典によって、平安時代初頭に伝えられた。宿曜経が伝えられて間もなく、朝廷が発行する具註暦[1]にも曜日が記載されるようになり、現在の六曜のような、吉凶判断の道具として使われてきた。藤原道長の日記『御堂関白記』には毎日の曜日が記載されている。

具註暦では、日曜日は「日曜」と書かれるほかに「密」とも書かれた。これは、中央アジアのソグド語で日曜日を意味する言葉 ミールMyr)を漢字で音写したものであり、当時、ゾロアスター教やマニ教において太陽神とされていたミスラ神の名に由来する。

その後江戸時代になると、借金の返済や質草の質流れ等の日付の計算はその月の日にちが何日あるか(大抵は29日か30日)がわかればいいという理由で、七曜は煩わしくて不必要とされ、日常生活で使われることはなかった。

現在のように曜日を基準として日常生活が営まれるようになったのは、明治初頭のグレゴリオ暦導入以降である。

週の最初は何曜日

週の最初が何曜日であるかは、国、文化、規準により様々である。

実態

週が始まる日を、日曜日とすることもあり、また月曜日からとするところもある。アメリカ製のカレンダー、ヘブライ語、ポルトガル語、アラビア語、ペルシア語、ベトナム語などでは前者であり、フランス製のカレンダーなどは後者である。イスラム圏では金曜日が公休日になっていて、カレンダーも土曜日から始まるものがある。

日本で曜日の順列を明確に定めているものにはJIS規格(JIS X 0301)があり、「01:月曜日 02:火曜日 03:水曜日 04:木曜日 05:金曜日 06:土曜日 07:日曜日」と規定されている。

日本では明治期から両方の考え方が並立して統一されていなかったが、カレンダーに関しては60年代までは日曜始まりの方が有勢であった。70年代以降、徐々に「金土日」を指して「週末」というようになり、現在では気象庁でも週末を「土、日曜日」としている。そのため「週の頭」と言われれば「月曜」を考えるのが一般的で、実情からも習慣やイメージからも月曜が日本の週の始まりといえる。週間予定表付き手帳は、月曜始まりのものがほとんどである。一方、古くからの輸入カレンダー等の影響もあり、日本で販売されているカレンダーには日曜始まりのものと月曜始まりのものが混在している。

国際標準

  • ISO 8601では、月曜日が週の始まりとされ、月曜日-日曜日を1-7で表す。
    • その日本語訳であるJIS X 0301:2002「情報交換のためのデータ要素及び交換形式 ― 日付及び時刻の表記」においても,4.3.2.2節「暦週」において,次のように曜日名とその序数を定めている。
週内の日の序数     曜日名     
01     月曜日
02     火曜日
03     水曜日
04     木曜日
05     金曜日
06     土曜日
07     日曜日

Unicodeには全角幅の「(月)」-「(日)」が以下のコードポイントに定められている。

記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
U+322A-㈪
㈪
(月)
U+322B-㈫
㈫
(火)
U+322C-㈬
㈬
(水)
U+322D-㈭
㈭
(木)
U+322E-㈮
㈮
(金)
U+322F-㈯
㈯
(土)
U+3230-㈰
㈰
(日)

曜日の名称

いくつかの言語では、曜日の名称が、明示的にもしくは暗黙のうちに順序を示している。

  • ドイツ語では、水曜日をMittwoch(ミットゥヴォッホ、直訳すれば「週の中間」)と呼び、この名は日曜日が週の始まりであることを前提としている。ロシア語のсреда(スレダー、真ん中)も同様であるが、週末と平日は区別され、月曜日を平日の第1日としている。
  • 中国語では、唐の時代に占いの中で日本語と同じ曜日名を使ったが、今は広く日常生活において日曜日を星期日、平日の月曜日-土曜日を星期一-星期六というようになった。中国本土の住民の間では週は月曜日に始まるとの考えも根強いが、香港などの中国語のカレンダーでは、日曜日の後に平日が配列されている。
  • ベトナム語では、日曜日をChủ nhật(主日)、月曜日〜土曜日を二次〜七次を意味する言葉(Thứ Hai〜Thứ Bảy)で表している。しかし近年のベトナム語によるカレンダーではヨーロッパ諸国やタイで見られるように日曜日を週末に配しているものが珍しくない。
  • ポルトガル語では、ポルトガル北部ブラガの司教だったマルティーニョ・デ・ドゥメが、聖週間の曜日をキリスト教以前に由来する表現で呼ぶことに反対し、キリスト教典礼で使われていた数字表現(イースターの前の日曜日を第1休息日、月曜日を第2休息日…)に代替することを提唱したが、これが後に一般化し、月曜日~金曜日は第2~第6(segunda-feira, terça-feira, quarta-feira, quinta-feira, sexta-feira)という表現が使われる。なお、中世までポルトガル語と同一言語だったスペイン北西部のガリシア語では、スペイン語に類似の表現が使われている。
  • スワヒリ語では、週の起点は金曜日または土曜日である。

曜日と暦

曜日の基点

日付から曜日を特定するには、ある1日についてそれが何曜日かを決めておく必要がある。これは古代からデファクトスタンダード(事実上の標準)として暗黙裏に広く認められ使われていたが、あらためてISO 8601で「2000年1月1日を土曜日とする」と定義された。日本ではJIS X 0301がそれに従っている。

曜日の計算

任意の日付から曜日を求めるには、ユリウス通日を求める。

ツェラーの公式を使えば、日付から直接に曜日を計算することもできる。

曜日の循環

グレゴリオ暦では、曜日の循環も400年周期である。その理由は、以下の通り、400年間の日数である146097日が7日で割り切れるからである。

  • グレゴリオ暦では、400年間に97回の閏年を設ける。したがって、
  • 1年間の平均日数 = 365 + 97/400 = 365.2425 日/年
  • 400年間の日数 = 365.2425 × 400 = 146097 日 ( 又は 365 日 × 400 年 + 97 日としても同じ。 )
  • 146097 日 ÷ 7 日/週 = 20 871 週ちょうど

各言語での曜日の名称

ロマンス諸語

イタリア語、スペイン語などの多くのロマンス諸語では、キリスト教やローマ神話に由来する呼び名が使用されている

例えば、スペイン語では

domingo(日曜日)は主、

lunes(月曜日)は月、

martes(火曜日)は軍神マルス、

miércoles(水曜日)は商業の神メルクリウス、

jueves(木曜日)は神々の王ユピテル、

viernes(金曜日)は愛の女神ウェヌス、

sábado(土曜日)はユダヤ教の安息日を

それぞれ起源としている。

アジアでは、(ロマンス諸語には含まれないものの)タガログ語などフィリピンの諸言語がスペイン語の曜日名を借用している。ただし、タガログ語において日曜日のみは週を表すLinggoと呼ばれるが、これもスペイン語の”domingo”がなまったものと言われる。

ゲルマン語

英語やドイツ語、オランダ語といったゲルマン系の言語では、

日曜日 (Sunday) は太陽 (Sun)、

月曜日 (Monday) は月 (Moon) にちなむ。

また、ローマ神話の神々に相当する北欧神話の神々の名も採用されている。

英語においては、

火曜日 (Tuesday) は北欧神話における天空神テュールに、

水曜日 (Wednesday) はアングロサクソンの主神オーディン(ウォドン)、

木曜日 (Thursday) は北欧の雷神トールに由来しており、

金曜日 (Friday) は北欧の愛の女神フレイヤ(フロイア)、

土曜日 (Saturday) はローマ神話に登場するサトゥルヌスを起源としている。

ただし、アイスランド語では日曜日 (sunnudagur) と月曜日 (mánudagur) が太陽と月に由来する部分では他のゲルマン系の言語と共通するが、残りの曜日において、北欧神話の神々の名はすべて排除された名称が用いられる。

個々の曜日名を廃して数字で呼ぶ例

曜日の名は多神教の異教の神々の名であるのでユダヤ教ではその名を避け、単なる番号で呼ぶ。イスラム教のアラブ人、イラン人、キリスト教のポルトガル人も同様である。また共産主義国家である中国とベトナムでは唯物論の観点から同様に数字で呼ぶようになった。特定の曜日(金、金土、日)を除き、中国語では月曜日を、それ以外の言語では日曜日を第一日とする番号で言い表される。

  • ヘブライ語では土曜日は安息日を意味する「シャバト」を用いる。
  • アラビア語では金曜日(ジュムア)と土曜日(サブト)のみ特別な名称を使用する。
  • ペルシャ語では土曜日を「シャンベ」と呼び、日曜日から木曜日までは「シャンベの1日後・2日後…5日後」を意味する語を使用する。
  • ポルトガル語では日曜日が「主日」(domingo)、月曜日〜金曜日は第2〜第6(segunda-feira, terça-feira, quarta-feira, quinta-feira, sexta-feira)という。
  • ベトナム語では日曜日をChủ nhật(主日)、月曜日〜土曜日を二次〜七次を意味する言葉(Thứ Hai〜Thứ Bảy)で表している。
  • 中国語では日曜だけが「星期天(または星期日)」、月曜以降は「星期一」、「星期二」と数字になる。

様々な呼び方の曜日

  • 日曜日
    • 薔薇の日曜日・台所の日曜日 – 謝肉祭(カーニバル)最後の日曜日。ローマ教皇が薔薇を手にしてイエス・キリストの受難を人々に知らせる。
    • 血の日曜日事件 – 1905年1月22日日曜日、ロシア帝国の首都サンクトペテルブルクにおけるデモに対し当局が発砲し多数の死傷者を出した事件。
  • 月曜日
    • 薔薇の月曜日 – 謝肉祭最後の薔薇の日曜日に続く月曜日。
    • 暗黒の月曜日 – 1987年10月19日月曜日(アメリカ時間)の株価大暴落。
    • ブルーマンデー症候群 – 初台関谷神経科クリニックの関谷透院長によって命名された症候群。「休日が終わり仕事が始まる」という事実が会社員の心身に負担を与え、自殺率、脳卒中と心筋梗塞の発症率、血圧上昇率、ひいては歩留まり下降率等が他の曜日よりも高くなるという統計に基づく。
  • 火曜日
    • 薄切りの火曜日 – 謝肉祭最終日の火曜日。ベーコンや梨など、薄切りの食べ物がよく食べられる日。
    • スーパー・チューズデー – アメリカ合衆国大統領選挙がある年の3月初旬の一つの火曜日。多くの州で同時に予備選挙が開催されるため重要視される。
    • 暗黒の火曜日 – 1929年10月29日火曜日(アメリカ時間)の株価大暴落。同年10月24日木曜日の大暴落に続いたこの日の大暴落が世界恐慌を引き起こした。
  • 水曜日
    • 灰の水曜日 – 四旬節の初日(2月下旬-3月上旬)。キリスト教における四旬節の初日で、額に灰をつける儀式や、菜食または粗末な食事で済ませる風習がある。
  • 木曜日
    • 汚い木曜日 – 謝肉祭最後の木曜日。オーストリアではこの日には脂身 (Schmalz) の多い食べ物が食べられることから、それが訛って汚い (schmutzig) 木曜日と呼ばれるようになった。
    • 暗黒の木曜日 – 1929年10月24日木曜日(アメリカ時間)の株価大暴落。世界恐慌の発端となった。
  • 金曜日
    • 煤の金曜日 – 謝肉祭最後の金曜日。この日、互いの顔にすすを塗り付けるいたずらが行われる。
    • 13日の金曜日 – 主に西洋で不吉であるとされている日。キリスト受難日が当時の暦で13日の金曜日であったため。
    • 暗黒の金曜日 – 1939年1月13日金曜日(オーストラリア時間)、オーストラリアのヴィクトリアで拡散していた小火災が集合し、2か月間続く大火災に発展した。
    • ブラックフライデー – 感謝祭(11月の第4木曜日)翌日の金曜日。店の売り上げが黒字になる金曜日。
    • ブルーフライデー – 株式が急落する金曜日。
  • 土曜日
    • 汚い土曜日 – 謝肉祭最後の土曜日。オーストリアではこの日には脂身 (Schmalz) の多い食べ物が食べられることから、それが訛って汚い (schmutzig) 土曜日と呼ばれるようになった。
    • 土曜日の夜の虐殺 – 1973年10月20日の夜、ニクソン大統領が司法長官・司法次官・特別検察官を次々に辞職(特別検察官は解任)に追い込んだ出来事。
    • 虐殺の土曜日 – イタリアでは、土曜日に飲酒運転が増えそれに伴って死傷者が増えることをこのように呼ぶ。

七曜以外の曜日

十曜制

  • 古代エジプトには10日を単位とする独自の十曜制があった。
  • フランスでは、七曜制を廃止し独自の十曜制が設けられた時期が存在した。1793年11月24日から1805年12月31日まで(グレゴリオ暦)と1871年のパリ・コミューンの際に「フランス革命暦」が用いられ、この暦では、合理性を追求するため、従来の七曜を廃止して10日ずつ3つのデカード(décade。週・旬とも。フランス革命暦では1か月はすべて30日であった)に分けられた。しかし、七曜に慣れた国民にとっては大変苦痛であったため、革命暦廃止を前に1802年3月31日から元の七曜制に戻された。

五曜制

  • 古代オリエントのアッシリア帝国には五曜制があった(下記のインドネシアのものとは無関係)。
  • インドネシアのジャワ島にも古来から伝わる「パンチャワラ」という伝統的な独自の五曜制があり、通常の七曜日(サプタワラと呼ばれる)と組み合わせて35日周期として使われる。
  • ソ連でも七曜制を廃止し独自の五曜制が設けられた時期が存在した。1929年から1940年まで「ソビエト連邦暦」が用いられた。この制度の実施は2つの時期に分けられる。
    • 1929年10月1日から、宗教抑制のために従来の七曜は廃止され、黄曜日・桃曜日・赤曜日・紫曜日・緑曜日の五曜制に移行した。休日の増加と生産の効率向上を狙い、国民それぞれに休日となる曜日を割り当てた。しかし、家族間の休日不一致等の理由から大変不評で、肝心の生産効率もまったく向上しなかったため、1931年11月30日をもって廃止された。
    • 1931年12月1日からは、黄曜日・桃曜日・赤曜日・紫曜日・緑曜日を廃止し、毎月第6・12・18・24・30日を国民共通の休日とする新しい制度に移行した。七曜より休日日数は多いものの、これも大変不評であったため、1940年に元の七曜制に復帰した。

七曜・十曜・五曜以外の曜日制

  • インドネシアのバリ島では三曜制から九曜制まで7種の曜日があり、すべて組み合わせて使われる。

曜年

ドイツでは日付けでなく年に七曜をあてることがある。ただし順番は土木火日金水月の順番で、年の切り替わりは元旦でなく春分からである。2001年は土星の年、2019年は金星の年にあたる。

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