意外と知らない 水引(みずひき) | 人は食べた物で創られる

意外と知らない 水引(みずひき)

信仰・縁起物

水引は未開封であるという封印や魔除け、邪気払いなどの意味がある縁起物です。

由来は諸説あり、遣隋使であった「小野妹子」が髄から日本へ帰還した際に一緒に帯同していた隋の皇帝の代わりに御礼を伝える役目の「答礼使」という役職の人物が持参した御礼の品に紅白の紐が結ばれていたことが関係していると言われています。

贈り物には欠かせない水引、大切な方への贈り物を検討している方にはぜひおすすめです。

水引の意味と由来

水引には3つの意味があるといわれています。
1つ目は開封されていないという未開封を保証する意味

2つ目は魔よけの意味

3つ目はひもを引いて結ぶということから人と人を結びつけるという意味です。
現在では特に、3つ目の意味合いで使われることが多くなっています。

水引の由来として、「遣隋(ずい)使」を起源とするものや「日明貿易」を起源とするものなど諸説ありますが、はっきりしたことはわかっていません。しかし時代をたどってみると飛鳥時代に溯り、小野妹子が遣隋使として隋から持ち帰った献上品に紅白に染められた麻ひもが結ばれていたことから、日本でも贈答品に紅白の紐が結ばれるようになったという説が伝えられています。
以来、宮中への献上品には、紅白の紐が結ばれるようになりました。それが時代とともに庶民にも慣習として定着していったと言われています。

また、水引は、和紙を「こより」にして、それに水のりを引いて固めたもので、「水(のり)を引く」ということから、その名が付いたといわれています。

水引の結び方の種類

水引には々な種類があり、シーンごとに使様用する種類は異なります。相手に失礼な印象を与えないためにも、正しい知識を調べてみました。

蝶結び(花結び)

水引の結び方で最もよく使われるのが、形が蝶のように見える「蝶結び」です。「花結び」とも言います。

蝶結びは「何度でも結び直せる」ことから、出産や入学、お年玉、お歳暮(お中元)など「何度繰り返してもよい」お祝いやお礼の際に使います。
ただし、悪いことも「何度も繰り返す」ことになるので、結婚のお祝いや病気のお見舞いなど繰り返さない方がよいことや、その後悪いことが起きてしまう恐れのあるお祝いやお礼には使えません。

結び切り(真結び)

結び目の先が上になるように結んだものが、「結び切り」です。「真結び」とも言います。
簡単に解けないように、水引を中心で固く結ぶ方法です。解けないように結ぶことで、「今後同じことが起こらないように」といった意味が込められています。

蝶結びとは逆に、「結び目が固く、一度結ぶと解けない」=「繰り返すことがないように」という意味を持っているため、蝶結びでは使えなかった結婚式のご祝儀や病気のお見舞い、お葬式などの弔事に使われます。

あわじ結び

「あわじ結び」は、結び切りの両端が輪になるよう結んだもので、その輪の部分が貝の「あわび」に似ていることから、その名が付いたと言われています。

結び切りと同様に解けにくい方法で結ばれたものです。基本的に結び切りと同じような意味合いですが、結び切りに比べるとより複雑な結び方がされていることから、「末永く続くように」といった意味が込められています。見た目も華やかなので、特に結婚式のご祝儀によく使われます。
「今回かぎり」のお祝いやお礼、弔事に使われますが、お祝いごと全般に利用している地域もあるようです。

梅結び

「梅結び」はあわじ結びの変形で、その名のとおり、結び目が梅の花のように見えるものです。やはり「結び目が固く、簡単に解けない」ことや、梅の花は厳しい冬を乗り越え、春に先駆けて咲く花として運命向上の意味をもつこと、梅が古くから「松竹梅」と呼ばれる縁起物の定番であることから、結婚や様々なお祝いごとに使われます。

水引の色の選び方

水引は、結び方だけでなく、色と用途の間にも決まりがあります。

慶事に用いられる色

赤白(紅白)

お祝いごとやお見舞いなど、慶事全般で使われます。

金銀

結婚や長寿など、「一度だけ」のお祝いごとに使われます。地域によっては、一般的なお祝いにも使われます。

金赤

神札や門松の飾りなどに使われます。

仏事に用いられる色

黒白

香典やお供えなど、仏事全般で使われます。

黒銀

黒白と同じく、主に仏事で使われます。

黄白

主に黒を忌避する関西や北陸で、法要の際などに使われます。

双銀

仏事の中でも、女性が香典を出す場合や、キリスト教の形式で行われる場合などに使われます。

双白

仏事の中でも、主に神式で行われる場合に使われます。

青白

仏事で使われますが、最近ではあまり使用されなくなりました。使用されなくなった具体的な理由は定かではありませんが、もともと青白の水引は一部の地域でのみ使用されるものでした。近年では地域ごとに水引を使い分ける風習が減ってきているため、使用されなくなったといわれています。

水引の本数に関するマナー

水引は、使う数にも決まりがあります。

慶事の場合の本数

5本

慶事に適した水引は基本的に奇数本使用され、その中でも「5本」が一般的な水引の本数になっています。

7本

通常よりも丁寧にお祝いをしたいとき、水引を「7本」使うことがあります。一般的に5本か7本かを選ぶ基準は、中身の「金額」によって決めることが多いです。一般的に、5本は3,000円から5,000円、7本は5,000円より多いときといわれています。ただし金額に正解はなく、対象の相手との関係性などによって異なりますので、一般的な金額として参考にしてください。

10本

慶事では、「奇数」の本数を使うのが基本になりますが、結婚式で使う場合は別です。
なぜ結婚式の水引の本数だけ10本なのでしょうか。その答えは、水引の基本の本数である5本を二重に結んだときの本数だからです。なぜ二重かというと、結婚をすることで2組の家族が手を取り合って縁を結ぶことを表しており、水引の本数も指の本数(5本)の2倍である10本になるといわれています。

弔事の場合の本数

4本

弔事に適した水引は基本「4本」です。慶事の基本的な水引の本数が「奇数」だったのに対して弔事の数は、反対の「偶数」になります。どの香典袋にしたらいいのか迷ってしまった場合は、4本の水引を使いましょう。

2本

弔事の基本的な本数は4本ですが、それよりも簡易にしたい場合などには「2本」の水引を使うこともあります。

6本

最後に、とくに気持ちを込めたい場合の「6本」です。6本は、大変お世話になった方・手厚い気持ちを表したい方などに対して使用します。

ちなみに、「3本」の水引は、粗品などに使われます。「9本」は「苦」につながることから、使われません。
また、弔事の場合の水引は、2・4・6本の本数が使われていますが、最近では5本の水引も見受けられます。この5本は、水引の本来の基本の本数は5本であることや、陰陽五行説に起源があるといわれています。

用途と相手との関係、地域の慣習などを考えて、適したものを選ぶようにしましょう。

水引はどこで買える

水引を自分で見繕う場合は、文房具や手芸品、包装用品などを扱っているお店や100円ショップで購入できます。また、水引を専門に扱うお店もあり、インターネットで購入できる場合も多いので、チェックしてみるといいでしょう。

水引の価格は、5本束のものだと、おおむね1束50円前後から購入できるようです。ただお店ごとに長さや色などの違いがあり、それにより価格にも違いがあります。

ご祝儀袋・不祝儀袋に包む、お金の相場

最後に、日頃お悩みの方も多いと思いますので、参考情報として、慶事や弔事でお金を包む際、「どのような関係の場合、どれぐらい包めばよいか」をご紹介しておきます。ここでご紹介する内容は全て、みなさんから送る場合の金額です。

結婚祝いの相場

友人や知人なら、3万円
おじ、おば、兄弟姉妹なら、5万円
いとこなど、そのほかの親戚なら、3万円
親なら、7〜10万円
未成年の子どもがいる場合は、1万円
結婚式に出席しない場合は、1万円

出産祝いの相場

友人、知人なら、5,000円~1万円
兄弟姉妹なら、1~3万円
親戚なら、5,000円~1万円
祖父母なら、5,000円~5万円

合格祝いの相場

高校の合格祝い

孫なら、1~4万円
甥・姪なら、1~3万円
友人の子どもなら、3,000円~1万円

大学の合格祝い

孫なら、3~10万円(平均は約6万円)
甥・姪なら、1~3万円
友人の子どもなら、3,000円~1万円

卒業祝いの相場

幼稚園や保育園卒園祝いなら、5,000円~1万円
小学校卒業祝いなら、5,000円~1万円
中学校卒業祝いなら、5,000円~1万円
高校卒業祝いなら、5,000円~1万円
大学卒業祝いなら、1~3万円

長寿祝いの相場

両親なら、2~3万円
祖父母なら、1~3万円
親戚・知人・恩師なら、5,000円~1万円
同僚・取引先などなら、3,000円~1万円

新築祝いの相場

友人・知人なら、5,000円~1万円
兄弟姉妹なら、1~3万円
親戚なら、1~5万円
親なら、1~5万円

香典の相場

友人・知人なら、5,000円~1万円
取引先関係なら、3,000円~1万円
兄弟姉妹なら、3万円~5万円
親戚なら、3,000円~2万円
親なら、3万円~10万円
祖父母なら、1万円~3万円

もちろん上記の金額は、あくまで一般的な目安です。贈る相手との関係やお付き合いの程度を踏まえて、これより前後させてもよいでしょう。

また、祝儀の場合は「新札を使うのがよい」とされていますが、不祝儀の場合は使用してはいけません。「前もって、用意していた」ことになってしまうので、間違って使うことのないよう、気を付けましょう。

包み方・名入れ

水引は、色や結び方によって用途が決まっています。これを間違えると、先方に大変な失礼をすることになってしまいます。せっかくの贈り物ですから、みなさんのお祝いやお悔やみの気持ちが正しく伝わるよう、今回のご案内をぜひ参考にしてみてください。

のし(熨斗)

「のし」は慶事一般の贈り物に付けます。
のしの起源は、慶事に贈る酒の肴(さかな)であったといわれます。肴の、特にあわびを細くむいたものを引き伸ばした「のしあわび」を、「伸ばす、永遠」の意味を込めて送り先の発展を祈り、贈り物に添えました。
そのため、肴に相当する鮮魚、肉などには「のし」を付けません。また、不祝儀や病気見舞い・災害見舞いなどには、生ものや引き伸ばすことを嫌うため「のし」を付けません。

熨斗

のし紙

慶事の贈り物には、白い奉書紙(ほうしょがみ)を掛け、水引で結び、のしを付けます。これらを一枚の紙に印刷したものを、一般に「のし紙」と呼んでいます。
水引だけを印刷してあるものは「かけ紙」と呼び、弔事や病気見舞いなどに使用します。

< 慶 事 >

  1. 花結び
  2. 花結び
    < 結婚以外の慶事一般 >出産、入学、長寿、新築・開店、中元・歳暮・年賀など
  3. 結び切り
  4. 結び切り< 一度きりのお祝い >結婚、快気祝いなど

< 弔 事 >

  1. 結び切り
  2. 結び切り鮮魚、肉など生ものを贈るときや、病気・災害見舞い、弔事のときは「のし」は付けませんので、ご注意!

包み方

< お札の包み方 >

慶事には、新しいお札を用意し、開封したときに人物の顔が表の上部にくるようにします。
弔事には、新札を避け(あらかじめ用意していたと思わせないため)、人物の顔が裏の下部にくるようにします。

< 中包みの書き方 >

慶事には、表には漢数字で「金○万円也」と包んだ金額を書きます。裏には自分(贈り主)の住所・氏名を書きます。
弔事には、表には何も書かない習慣です。裏には自分(贈り主)の住所・氏名を書きます。

< 上包みの折り方 >

表は左を先に、上から右を重ねるように折り(左前)、上下を裏へ折り返します。
折り返しは、慶事と弔事では上下の重ね方が異なります。
慶事は下の折り返しが手前になるように、弔事は上の折り返しが手前になるように重ねます。「幸せは上向き」「悲しみは下向き」と覚えましょう。

< 慶 事 >

  1. 中包み(慶事)
  2. 中包み表:中央に金額 裏:左側に住所・氏名
  3. 上包み(慶事)
  4. 上包み上向き(下の折り返しが手前)

< 弔 事 >

  1. 中包み(弔事)
  2. 中包み表:無地裏:右側に金額、左側に住所・氏名
  3. 上包み(弔事)
  4. 上包み下向き(上の折り返しが手前)

表書き・名入れ

祝儀・不祝儀袋には、「御祝」や「御霊前」などの贈る目的を記し(表書き)、贈り主の氏名を書きます(名入れ)。基本的には毛筆で、慶事は濃墨、弔事は薄墨で書きます。
表書き」は、水引の上部・中央に書きます。
「名入れ」は、水引の下部・中央か、やや左寄りに、贈り主の姓名を書きます。姓のみでは略式です。
連名の場合は、正式には上位者を中央に、以下左へ順に連名します。最近は全体のバランスをとるため、真ん中にくる人の氏名を中央にすることも多くなっています。

  1. 一般的な名入れ
  2. 一般的な名入れ下部中央に姓名を書く
  3. 肩書きを入れる
  4. 肩書きを入れる社名や肩書きは氏名の右上に小さく書く
  1. 夫婦連名
  2. 夫婦連名夫の姓名を中央に、妻の名前のみをその左に書く
  3. 連名
  4. 連名上位者から順に左側へ連名
  1. 4名以上の連名
  2. 4名以上の連名代表者の左側に「他一同」、別紙に全員の姓名を書いて中包みに同封
  3. 先方の名前を入れる
  4. 先方の名前を入れる左上に先方の名前 連名の場合、先方に近付け上位者を左に、順に右側へ連名

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