無意識にあなたも流されてしまう 集団心理 | 人は食べた物で創られる

無意識にあなたも流されてしまう 集団心理

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集団心理についてどれくらいご存知でしょうか。

「漫画とかで読んだことはあるけどよくわからない……」
「周りに流されてしまう怖いものっていうイメージがある……」

などなど、集団心理という言葉は聞いたことはあっても、具体的にどういったものなのかを理解している人は少ないのではないでしょうか。

まず、集団心理によって引き起こされる行動というのは、無意識でやっているものがほとんどです。

「周りがみんなそうしてるから、それが正しいんだろう」
「私一人だけ違うと不安だけど、みんなと同じなら安心する」

あなたにも心当たりあるとおもいます。

多くの人は無意識のうちにこういった思考で行動しています。

ではもし、集団心理によって引き起こされる思考や行動を理解し、意図的に利用することができたらどうでしょう。

もちろん悪用は厳禁ですが、集団心理によって引き起こされる思考や行動を意図的に利用することができれば、

  • 周りに流されず、本当に自分が良いと思ったもの、やりたいと思ったことを選ぶことができる
  • 意中の女性への告白の成功率を上げることができる
  • 株式投資やFXなどの投資ビジネスに活用することで、利益を出しやすくなる

などなど、あなたの日常生活や恋愛、ビジネスなどに活かすことができます。

集団心理

集団心理とはどういったものなのでしょう。

まずは、集団心理について以下の3つの項目にわけて解説していきます。

  • 集団心理の概要
  • 集団心理の4つの法則
  • 集団心理と2-6-2の法則(パレートの法則)の関係性

集団心理の概要

集団心理とは、集団の中において起こる特殊な心理状態のことをいいます。

特殊な心理状態の主な特徴としては、以下の2つがあります。

  • 匿名性が強くなる
  • 自分が強い力を持っていると錯覚してしまう

特徴1.匿名性が強くなる

匿名性が強くなるということは、自分の言動に対しての責任を感じにくくなるということです。

個人が特定されるような状況においては、自分の言動に対して責任を持たなければいけないという心理状態になります。

しかし、集団の中にいて個人が特定されにくい状況においては、無意識のうちに責任を持たなくていいという心理状態になってしまいやすいということなんですね。

たとえば、テレビなどでよく聞く「匿名希望」というのも、自分の言動に対して責任を持ちたくないという心理状態から使われることが多いです。

番組の視聴者の中の1人という個人が特定されない状況においては、無意識のうちに責任から解放されて好きなことをいいやすくなるということです。

特徴2.自分が強い力を持っていると錯覚してしまう

人は集団の中にいると、自分も強くなったような錯覚に陥りやすくなります。

1人でいるときはおとなしい人でも、集団の中にいると感情的になり、過激で大胆な行動をとりやすくなります。

たとえば、ケンカの強い人たちのグループの中にいると自分もケンカが強くなったような錯覚に陥ってしまいがちです。

しかし、実際はケンカが強くなったわけではなく、集団心理が働き無意識のうちに自分も強くなったと錯覚してしまっているだけんです。

集団心理の4つの法則

続いて、集団心理の4つの法則について解説していきます。

集団心理の4つの法則は以下の4つです。

  1. 道徳性の低下
  2. 暗示にかかりやすくなる
  3. 思考が単純になる
  4. 感情的な動揺が激しくなる

では、1つずつみていきましょう。

法則1.道徳性の低下

人は集団の中にいると人としての道徳性が低下し、無責任な言動をとりやすくなります。

やってはいけないこととわかっていても、周りがみんなやっているから大丈夫だろうという心理状態です。

たとえば、赤信号を無視して横断歩道を渡る人が多くいれば、「みんな渡ってるからいいか」というような心理状態のことです。

有名な「赤信号みんなで渡れば怖くない」がまさにそうです。

法則2.暗示にかかりやすくなる

人は、集団になると冷静な判断ができなくなり、まるで暗示にかかったかのように周りの人間の言動に従ってしまいがちです。

たとえば、多くの人がいる場所で火災が起きた場合、非常口はいくつかあるにもかかわらず、みんなが同じ非常口に向かって走り出すケースがこれに該当します。

本当はもっと近くに非常口があるかもしれないのに、冷静な判断ができずパニック状態になり、無意識のうちにみんなが向っている非常口の方へ走り出してしまうということです。

法則3.思考が単純になる

普段1人のときはものすごく考えて物事を決める人でも、集団の中にいると周りの意見や考えに流されてしまい「これでいいか」とあまり物事を深く考えないようになってしまう傾向があります。

たとえば、集団でお昼ご飯を食べに行くときに、自分は中華料理屋で天津飯と餃子を食べたいと考えていても、周りにカレーが食べたいという意見が多ければ、無意識のうちに「みんながそういうならカレーで良いか」と思ってしまうような心理状態のことです。

普段1人のときはお昼に食べたいものを厳選して決める人でも、集団になると無意識のうちに思考が単純になり、周りの多数意見に合わせてしまいがちということです。

法則4.感情的な動揺が激しくなる

普段はおとなしい人でも、興奮状態にある人たちの集団の中にいると感情の動揺が激しくなり興奮状態になりやすくなります。

たとえば、ライブ会場などで激しく盛り上がっている人たちの中にいると、自分もつられて感情のタガが外れたように興奮状態に陥ってしまいやすくなるんです。

集団心理と2-6-2の法則の関係性

最後に、集団心理と2-6-2の法則の関係性について解説していきます。

まず2-6-2の法則とは、学校や企業などなどの集団組織において、優秀な人が2割、普通の人が6割、怠ける人が2割という比率にわけることのできる法則のことで、別名「働きアリの法則」ともいわれています。

では、この2-6-2の法則と集団心理に関係性はあるのでしょうか?

結論からいうと、関係性はあります。

たとえば、各企業から優秀な2割の人間だけを集めて集団を作ったとします。

しかし、どれだけ優秀な人間だけを集めても、その中で必ず、優秀な人、普通の人、怠ける人が2:6:2の比率でわかれてしまうんです。

それはなぜかというと、
「これだけ優秀な人間が揃ってるんだから、自分1人が怠けたところで業績は落ちないだろう」
という集団心理が働くからなんです。

つまり、1人で仕事をしているときは優秀な人でも、集団の中に入ると怠けてしまうという人が出てくるということです。

集団心理の事例

ではここから、集団心理によって引き起こされた8つの事例を紹介していきます。

  1. いじめ
  2. お店の前の行列
  3. 渋谷のハロウィン
  4. 火事
  5. スポーツ観戦
  6. 恋愛
  7. 集団心理療法
  8. 株式投資・FX

事例1.いじめ

いじめが起こる主な原因として、「自分たちと異なるものの存在が気に食わない」という集団心理があります。

たとえば、クラスの中に茶髪の子が1人いると、その子はいじめの標的になりやすくなります。

「あいつだけ目立って気に入らない」
「カッコつけやがって……」
といった心理が働き、仲間からはじかれてしまうんです。

また、いじめている側の集団の中には、いじめが悪いことだとわかっていてもやめることができない人がいます。

それは、「いじめに加わらないと、今度は自分が標的にされてしまう」という心理が働いてしまっているからなんです。

集団心理は、みんなと同じ行動を取ろうとしてしまう心理のことなので、
「みんな一緒であるべきだ!」
「1人だけ違う行動をしている人がいると不愉快だ!」
という感情が生まれてしまいます。

このように、集団心理といじめが起こる原因というのは深く関係しています。

事例2.お店の前の行列

お店の前に行列ができていると並びたくなってしまうのは、「あれだけたくさんの人が並んでるんだから、あのお店の商品は凄いに違いない」という集団心理が無意識のうちに働いているからです。

たとえば、ラーメン屋さんの前に何十人という行列ができていれば、「これだけの人が並んでいるんだから、ここのラーメンは美味しいいに違いない!」という集団心理が働きます。

こういった集団心理が働く背景には、「自分1人の判断よりも、より多くの人が判断したものの方が正しい」という思い込みがあるからだと考えられます。

つまり、他人と同じことをすることで安心を感じやすい日本人には、「モノの価値よりも、他人がどうしているか」の方が気になっているということです。

事例3.渋谷のハロウィン

10月31日のハロウィンの日には、仮装した人たちの集団が渋谷の街を埋め尽くします。

渋谷のスクランブル交差点を仮装した姿で出歩くことができるのは、仮装した集団の中の1人という状況において匿名性が強くなり、個人が特定されにくくなるからです。

普段1人で仮装して渋谷のスクランブル交差点に行こうとは誰も思わないですが、ハロウィンのときのようにみんなが仮装している状況であれば、個人が特定されにくくなるので恥ずかしくないということなんです。

「赤信号みんなで渡れば怖くない」もこれと同じ心理です。

事例4.火事

火事が起こるとその周りに多くの野次馬が集まりますが、野次馬が増えれば増えるほど消防車を呼ぼうとする人は少なくなります。

それはなぜかというと、
「これだけたくさんの野次馬がいるんだから誰かが通報してるだろ」
という心理が働くからなんです。

普段自分1人しか野次馬がいない状況であればすぐに消防車を呼んでる人でも、野次馬の集団の中の1人という状況においてはなかなか行動に移せなくなります。

これは、「結局誰1人として消防車を呼んでいなかった」という事態にもなりかねないので、「自分がやるんだ!」という気持ちを持つことが大事です。

事例5.スポーツ観戦

スポーツ観戦で同じチームを応援する人同士というのは、初対面であっても仲間意識が生まれやすくなります。

それは、初対面の人同士でも、出身地や趣味などが同じだったりすると親近感が湧く心理と同じで、「類似性の法則」というものが働いているからなんです。

「類似性の法則」とは、人は自分と似たものに興味を持つという心理状態のことをいいます。

「類は友を呼ぶ」ということわざがあるように、人は自分と同質なものを否定することができないんです。

このように、スポーツ観戦などの場で「初対面同士の集団であっても、応援しているチームが同じであることから、類似性の法則が働いて仲間意識を感じる」というのも1つの集団心理です。

事例6.恋愛

意中の女性に告白するとき、カップルの多い場所で告白すると成功率が上がります。

なぜなら、女性は集団心理に弱いため、周りがカップルだらけという状況を見ると「私も彼氏が欲しい」という欲求が強くなってしまうからなんですね。

まず、女性の多くは自分で考えるというよりも他人の意見に左右されやすいという特徴があります。

たとえばファッションでも、自分で可愛いと思った服よりも、流行だといわれている服の方を選ぶ傾向が強いんです。

女性は自分でおしゃれかどうかを判断するよりも、他人がおしゃれだと思っているものかどうかを見ています。

そして、これはファッションだけに限らず恋愛でも同じなんです。

カップルが多い場所では、「みんなは彼氏がいるけど私にはいない」という状況になるため、そういう場で男性から告白されるとOKしてしまいやすいということです。

事例7.集団心理療法

集団心理療法とは、3人以上の人数で一定期間の間、決まった時間・場所に集まり、患者個々の治療的変化を目的として行われるフォーマルな集団活動のことです。

この集団活動は、精神障害の患者などが3人以上のグループで話し合いや活動をおこない、その集団の中で起こる心理的相互作用を治療に役立てるというものです。

また、集団心理療法は、多くの悩みを持った人、自分と同じような問題や悩みを抱える人たちと話し合う中で、自己の発見や症状の改善を目的としています。

集団心理療法を受けた人は、集団の中で個を再確認できるので、
「普遍性や社会性に気付くことができる」
「対人関係トレーニングに役立つ」
というようなメリットもあります。

集団心理療法は、他者を鏡にして自分を知り、1人で体験すること以上の知恵を得ることができ、何を語ってもいいという雰囲気が保たれています。

事例8.株式投資・FX

株式投資やFXなどの投資ビジネスにも、集団心理が大きく影響しています。

なぜなら、市場の高騰や下落が起こる要因は集団心理によるものだからなんです。

たとえば、ドル/円相場においてアメリカでテロが起きたというニュースが流れると、ドルを買っていた多くの人たちの心理というのは、「リスク回避のためにドルを売って(決済)しまいたい」となるわけなんです。

そうすると、ドルを買っていた人が一斉に持っていたドルを売って(決済)してしまうため、一気にドルを買っている人が少なくなり相場が暴落してしまいます。

こういった相場心理を理解し、上手に利用している人たちが、市場から利益を得ているということなんです。

集団心理による善人から悪人へ変貌するメカニズム

集団心理によって善人から悪人へ変貌してしまうメカニズムを「ルシファー効果」といいます。

ルシファー効果とは、「スタンフォード監獄実験」を行ったアメリカの心理学者フィリップ・ジンバルドーが提唱した概念で、どんな人間でも周囲の同調圧力という集団効果によって善人から悪人に変わってしまう可能性があるというものです。

※ルシファーとは、天国から追い落とされて、やがてサタンと結託して神に反逆を企てる堕天使の名前のことです。

人間には「善と悪」という対極した2つの面が「陰と陽」の関係のように刻み込まれています。

そして、善良な人が悪人に変貌することはとても簡単で、また悪人が善良な人に変貌することも可能であると言われています。

ではここで、フィリップ・ジンバルドーがおこなった「スタンフォード監獄実験」を例に挙げて説明します。

まず、この実験では、

  • 強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう。
  • 元々の性格とは関係なく、役割を与えられただけでそのような状態に陥ってしまう。

という結果が出ました。

このスタンフォード監獄実験は、普通の大学生などから選ばれた被験者21人を看守役11人、囚人役10人にグループ分けして、それぞれの役割を実際の刑務所に近い環境で演じさせるというものでした。

スタンフォード監獄実験の最高責任者であるジンバルドーは、囚人役をリアルに演じてもらうためにパトカーを用意してを逮捕させるなど、リアル感を出すために徹底して実験をおこなったんです。

そして、次第に看守役は誰かに指示されるわけでもなく、自ら囚人役に罰則を与え始めました。

そんな中、罰則に耐えきれなくなった囚人役は精神的に追い詰められ、実験から2人が離脱していきました。

しかし離脱者が出てもなお、看守役は囚人役に罰則を与えるために、素手でのトイレ掃除や靴磨きをさせ、さらには禁止されていた暴力行為までおこなうようになったんです。

このように、元々の性格とは関係なく、おかれている状況や環境、集団心理によって人が簡単に善人から悪人へと変貌するこのメカニズムにルシファー効果という言葉が名付けられました。

集団心理を理解する

ここまで集団心理について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

まず、集団心理によって引き起こされる行動というのは、無意識でやっているものがほとんどでした。

また、集団心理によって引き起こされる思考や行動を上手に利用することができれば、

  • 周りに流されず、本当に自分が良いと思ったもの、やりたいと思ったことを選ぶことができる
  • 意中の女性への告白の成功率を上げることができる
  • 株式投資やFXなどの投資ビジネスに活用することで、利益を出しやすくなる

などなど、あなたの日常生活や恋愛、ビジネスなどにプラスになることがたくさんありまし。

しかし、ビジネスへの活用に関しては、集団心理の知識を実益に変えていくための具体的なノウハウが必要になってきます。

今回あなたが身に付けた集団心理の知識に、それを実益に変えてくための具体的なノウハウが加われば、
「投資ビジネスで起業できた!」
「今までFXで勝ったり負けたりの繰り返しだったけど、コンスタントに勝てるようになった!」
なんてことも実現できる可能性があるということなんです。

最後まで読んでいただきありがとぅございました。

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