化学的根拠はないのに何故か信じてしまう 日本の迷信⑩

日本の行事 その他

日本には数多くの迷信があり、その多くは科学的根拠がないにもかかわらず、長い歴史の中で現在の日本文化の一部となり日常生活に溶け込んでいます。それは、迷信や言い伝えが適当な作り話ではなく、いつもと違った現象から先を読むことを生活の中で作り上げていった先人の知恵であり、現代にも通じることが多いからだと思います。

そんな昔から言い伝えられている日本の迷信を調べてみました。迷信を信じない人も、言い伝えが生まれた由来を知ることは、日本文化や歴史を垣間見ることができ、いかに迷信が人々の暮らしに寄り添っていたかを感じるきっかけになるでしょう。そして、意外にも迷信はあなたの中に浸透し心に抱いていることを感じるかもしれませんよ。

google

クモが巣をはると晴れになる

蜘蛛の巣が顔に張り付いたりすると気持ち悪くイラッ!とします。そんな蜘蛛ですが日本では蜘蛛は縁起のいい生き物として多くの迷信があります。その一つに「クモが巣をはると晴れになる」という言い伝えがあります。科学的根拠は証明されていませんが、クモは湿度を察知し晴天の時にだけ糸を張る習性があると言われています。翌日雨や風が強ければ糸は簡単に壊れてしまい餌となる昆虫も動きが鈍くなり網に捕らえることが出来なくなるからです。このようなことから、昔の人は朝新しい蜘蛛の巣を見つけたらその日は晴れると予想したのでしょう。

アリが巣穴をふさぐと雨

最近あまり気にしていないからもしてませんが蟻を見なくなりましたが日本には天気にまつわる迷信が多々存在しますが、「アリが巣穴をふさぐと雨」という言い伝えは先人の知恵が現代まで語り継がれているものの一つです。

アリは湿度から事前に雨を察知すると、巣穴の入口に土をもって入り口をふさいだり、巣穴の壁を固めて水を通さない工夫をしています。この様子を見た昔の人は、雨を予想することができました。雨の程度ではアリの巣もダメージをうけます。雨上がりにアリが盛んに土を運んでいるのは、ダメージのあった箇所を補修しているからだと言われています。

朝焼けは雨・夕焼けは晴れ

朝一の晴れ渡った太陽や夕暮れに沈む太陽って気持ちいいですよね。「朝焼けは雨・夕焼けは晴れ」は、現代でも生活の中で使われている迷信の一つと言えるでしょう。この意味は、朝方に東の空が赤く染まれば雨が降る前兆であり、夕方、西の空が赤く染まるのは翌日晴天になる前兆だということです。

日本の天気は西から東へ変化する特徴があります。つまり、夕方、西側が晴れているということは、翌日、東側も晴れることが予想できます。このことから、低気圧と高気圧が交互に通過する春と秋は、この法則に従って天気を予測することができると考えられてきました。

池の魚が水面でパクパクすると雨が近い

魚が水面でパクパクするのは、晴れの日が長く続き酸素を含んだ雨水が減ってしまったため、酸欠で苦しくなり水面に顔を出している状態です。この様子をみた昔の人は、これだけ晴れが続いているのだからもうすぐ雨が降ってくるに違いないと考え「池の魚が水面でパクパクしているから雨が近い」と噂話したことが次第に迷信化していったと考えられています。そのため、魚が水面でパクパクする習性と雨が降る予想は直接の関係はないと言えるでしょう。

朝露が降りると晴れ

「露」は、気温が下がり地面や物体が冷えたところに、空気中の水蒸気が液体化しついた水滴のことを言います。これは、夜間放射冷却によるもので、夜の間大きな高気圧に覆われ雲一つなかったため、物の表面から次々に熱が放射され気温がどんどん下がったことを意味します。つまり朝露が降りたということは、夜間高気圧に覆われていたことを意味し、翌日も晴天になるだろうと予測できます。天気にまつわる迷信の中でも自然現象から予測する信憑性の高いものと言えるでしょう。

茶碗のご飯粒がきれいにとれると雨、つくと晴れ

こちらも天気にまつわることわざであり信憑性の高い迷信の1つと言えます。ご飯粒はとても湿度に敏感で、炊いたお米はベトベトし、乾くと糊のようにくっつく特徴があります。そこから、お茶碗のご飯がきれいに取れる時はとても湿度が高い時、つまり低気圧が接近し雨になると考え、反対に、ご飯がこびりついてお茶碗からなかなかはがれない時は空気が乾燥している、つまり高気圧に覆われているので晴れになると昔の人は天気を予想していたと言われています。

大雪の年は豊作

昔から農家の間で言い伝えられてきた迷信の1つで、「大雪の兆しは豊作」「雪は豊作の瑞」など多くのことわざもあります。大雪となった年は雪の保湿作用で地温を高め、土中の凍結深を緩める効果があるため豊作になると言われています。また、農作業にはたくさんの水を必要とするため、降り積もった雪の豊富な雪解け水が干害の被害を防ぐとし、豊作の願いも込めて言い伝えられてきました。日本に気象観測がなかった時代、気候と豊作を予想する昔の人の知恵が今でも語り継がれています。

最後に

日本には、まだまだたくさんの言い伝えや迷信があると思います。全国的に広まっているものや各地方に根強く生き抜いているもの各ご家庭内だけのものなど様々です。そんな言い伝えや迷信をもっと共有出来たら面白いかもしれませんね。私も申し越し調べていきたいと思います。

コメント