調味料(アミノ酸)と調味料(アミノ酸等)の違い | 人は食べた物で創られる

調味料(アミノ酸)と調味料(アミノ酸等)の違い

食品添加物

加工食品の表示で「調味料」のあとに(アミノ酸)と明記されているものと(アミノ酸等)と明記されているものがあります。アミノ酸とアミノ酸等?これって何か違いがあるのでしょうか分かりますか。等って何。気になったので調味料の(アミノ酸)と(アミノ酸等)の違いはなにかについて調べてみました。

調味料(アミノ酸)と調味料(アミノ酸等)の違い

まず食品衛生法において調味料は食品の味の品質を向上させる食品添加物に分類されています。調味料(アミノ酸)と調味料(アミノ酸等)の違いは食品衛生法に基づく食品の表示に関係する違いみたいです。

食品添加物には食品の表示が義務付けられており、消費者が理解しやすいようにもしくは消費者の安心を図るために使用用途と物質名を明示しなければなりません。ただし食品添加物でも調味料については「調味料」とのみの一括表示が許されています。

調味料はその成分によって4つの種類があります。食品の原材料欄での調味料の表示の仕方は「調味料」と表示した後に添加されている物質の所属する種類の名をカッコ付けで表示しなければなりません。この時2つ以上の添加物を利用した調味料の場合、一番配分量が多い添加物が所属する種類名のあとに「等」をつけて表示します。すなわち「調味料(アミノ酸)」は調味料のアミノ酸の種類の添加物のみが使用されている調味料で、「調味料(アミノ酸等)」は複数の添加物が使用されていて、アミノ酸の種類の添加物の配分量が多い調味料だということを表示しているのです。

調味料の4つの種類とは

調味料はその成分によって

  • アミノ酸
  • 核酸
  • 有機酸
  • 無機塩

の4つの種類に分類されます。そして各種類にはそれぞれ特徴を示す添加物が含まれています。たとえばアミノ酸の種類の添加物には昆布のうま味の正体であるL-グルタミン酸ナトリウム、牛すじや軟骨など動物性コラーゲンに含まれているグリシン、またDL-アラニンが添加物として含まれています。

調味料を使用する目的とは

調味料は食品の味を調えたり美味しさを加える目的で昔から使われてきました。昔ながらの調味料には塩、酒、酢、醤油、味噌、昆布やカツオなどから取っただしやエキスなどがあります。昔は調味料とは呼んでいませんでしたが、昔から食品の味を調え美味しさを加えたものです。

調味料は昔から欠かすことなく使われている添加物です。たとえば醤油や味噌に含まれているグルタミン酸などは明治時代の後半から食品の味を調え美味しさを増す目的で使われてきました。調味料は食品にうま味や塩味を付けるもしくは増強する目的、また食品の味を調え、味覚を高めて改善する目的で食品に添加されます。

調味料を使用する食品への効果

調味料の効果はその使用目的と同様に、食品の味の質を調え、食品を食べた時の味覚の向上と改善を図るなど、総合的に食品の美味しさにうま味を付ける効果があります。

  • 食品にうま味をつける効果
  • 塩味をつける効果
  • 食品のコクや味を広げる効果
  • 酸味や苦味を和らげ、塩味を緩和する効果
  • 食品の味の質を調和し、塩分の少ないだし汁など味ボケするのを改善する効果
  • 天然素材の風味を引き出す効果(たとえばかつおだしに調味料を添加することで香りが引き立ち風味が増すことができます)

調味料の危険性

食品にうま味をつける食品添加物である調味料。そもそもうま味は明治時代の農学者の一人である池田菊苗氏が昆布のだしの美味しさを追及していたところ、そのうま味の素はグルタミン酸ナトリウムであることを突き止めました。そこから生まれたのが現在一般家庭でよく使われている調味料である「味の素」です。

グルタミン酸ナトリウムは調味料の添加物の中でもよく知られている添加物で、うま味調味料としていろいろな商品に添加され利用されています。味の素やハイミーなどはグルタミン酸ナトリウムが利用されているポピュラーな調味料です。その表示は「調味料(アミノ酸等)」と明記されていることが多いです。

調味料への危険性を心配する声の一つには、グルタミン酸ナトリウムに発がん性の危険があると言われている点で、そのため味の素やハイミーなどの使用を懸念する声が上がっています。グルタミン酸ナトリウムを加熱すると発がん性の物質を生成すると言われているのです。確かにグルタミン酸ナトリウムについては動物実験からも肝臓がんや大腸がんなどが発生したという報告があげられています。

また調味料への危険性についての不安は、調味料は厚生労働省が指導する食品に添加する成分規格はあるものの使用基準が定められていないこと、人が生涯摂取しても健康に危険はないとされる1日の摂取許容量(ADI)の基準がなされていないこと、また添加物として添加されたとき原材料の表示には一括表示しかされていないことで消費者からは不安の声が寄せられています。

調味料を含む食品添加物に対する危険性についての心配の声は、食品安全委員会が調査したアンケート調査の中にも多くの不安の声が上がっており、消費者の理解や信頼を十分に得られていない面があることがわかります。また現代の食生活において加工食品や調理された食品の利用が増えたため、食品の安全を自分で確かめづらくなったことや、がんや糖尿病などの生活習慣病患者の増加は食品添加物によるものではないかと消費者に疑われている点などから調味料に関する健康への危険性の声もよせられるのです。

しかしながら、調味料をはじめ添加物の使用について、使用する物質については、その安全性を図るため実際に人が摂取する数千倍もしくは数万倍の量を動物に投与して実験が行われて危険性の試験が行われ、各国で分析された報告、データ、評価があげられているのも事実で、そこには調味料に使用される物質の危険性についてはなにも上がってきていません。

実際にグルタミン酸ナトリウムを添加物とした調味料を摂取したために人体に危険が及んだという報告は現在のところ上がっていません。調味料の危険性は、たとえばグルタミン酸ナトリウムやグリシンにおいては独立法人国立健康栄養研究所の調べによると、人への危険性については通常の食事に含まれる量を摂取する分には何ら問題はないと報告しているほか、食品安全委員会の評価でも危険性の評価は上がっておらず、国内外の評価(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)においても添加物としての摂取量であれば危険性はないと評価されているのが現状です。

添加物の安全性の裏付け

食品に関しては天然の食材だから必ずしも100%安全な食物とは限りません。しかしながら健康な食生活を営むために食品や食品添加物が、より安全であるために国内外では食の安全性の一環として動物実験などによる研究報告や試験などを行い、科学的な根拠に基づく評価をしています。

添加物の安全性の裏付けの一つとしては、食品成分や添加物の化学物質量が人体に影響するかどうかを図るために行われた動物実験の結果をもとに、通常の1/100の量を一生の間に人が食べ続けて安全だとされる1日の摂取量(ADI)を設置し、これに基づき消費者の健康への安全性を国が管理しています。

添加物の安全性を評価したADIは、国連機関であるFAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)からなるFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が、各国の試験データーに基づき食品添加物の安全性を評価して、添加物の規格を作って各国に情報を流し国の食への安全の参考にするよう公表したものです。

しかしながら先ほども記載したように調味料にはこのADIの基準がないこと、調味料の使用基準や使用量に規定がないこと、食品の表示に一括表示しかされないことについて、消費者の一人としてこれらの疑問を厚生労働省と食品安全委員会にその不安をぶつけてみたところ「調味料に使用する物質に関しては使用するにあたり人体への危険に関して評価するにも及ばないほど危険性はないと判断されており、そのため使用基準やADIの決まりはない」という回答でした。

※食品安全委員会・・・内閣府に設置されており食品安全基準法に基づいて食品の安全行政を取り締まっている機関

日本においては食品安全委員会、農林水産省、消費者庁、厚生労働省において食品や添加物についての安全性が常に検討され、消費者、生産者、学会などとコミュニケーションが図られています。

国際的にはFAO、WHO、JECFA、Codex委員会(合同食品規格委員会・食品添加物の使用基準を作成する場)において調味料に含まれる食品の添加物についての安全性の確保もとり行われています。

様々な風潮がある中、調味料をはじめする添加物は国内外で、その安全性について科学的な知識をもとに評価していると同時に、製造者側からの回答でも、その安全性の確保をして調味料を製造しているという回答は、消費者として心配な面がありつつも信じなければならない点でもあります。

アレルギーについての心配

普通の人には反応しなくとも、その物質に対して体が反応してしまい蕁麻疹や腹痛、下痢、喘息などの症状を引き起こすアレルギー。アレルギーは食物だけが原因となるわけではありませんが、食物が原因となってアレルギー症状を引き起こすことがあります。

その場合の予防は、アレルギー患者が食べ物に自分が反応してしまうアレルギー物質が含まれているかどうか判断して、摂取しないようにすることが一番の予防だとされるため、厚生労働省ではアレルギー患者が食品を選別しやすいように、製造者側にアレルギーゲンとなる食品の食品表示についての義務付けや奨励を指示しています。

現在アレルギー表示対象品目は27品目で、そのうち特定原材料は7品目です。調味料の添加物の中にも特定原材料を含むものがある場合は、一括表示が許されている調味料でも、その材料を表示しなければなりません。たとえば特定原材料などで製造した調味料なら「調味料(アミノ酸・○○由来)」、あるいは「調味料(アミノ酸等)」(原材料に一部に乳成分、小麦、ゼラチン、大豆を含む)と表示するように指示されています。

ただし、特定原材料によって製造された調味料であっても、抗原性試験などにより抗原性がみとめられないと判断できるものは表示の義務付けはされません。抗原性が高いか低いかなどについてはさらに検討しなければならない部分も多く、症例などを検証していくことが今後の課題とされているそうです。

一般的に調味料の4種類(アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩)の添加物からアレルギー症状がおこったという事例はありませんが、例えば味の素やほんだしなどグルタミン酸ナトリウムなどの添加物を利用して商品化した調味料の原材料の中には、人によってアレルギーゲンとなる材料がある場合があります。その材料は各メーカーによって異なり使用量も違います。国の機関では調味料の使用基準や使用量を決めておらず、製造者側の判断に任せて食品に添加しているため、なにをどれだけ使用しているかについては国の機関からの回答は得られませんでした。

ただし健康志向が高まる現在、製造者側でも商品ラベルにお客様相談窓口などという項目で商品の問い合わせ先のフリーダイアルの番号などを明記したり、ネットで製造者を検索した場合商品の問い合わせの画面を用意するなど、消費者からの質問への回答に積極的に取り組んでいます。アレルギーなどを心配される方は商品の製造元へ成分について聞いてみるのも、調味料に関してアレルギー予防になる一つの手立てです。

妊婦が摂取した場合の危険性

調味料の成分については食品安全委員会の評価でも危険性については評価されておらず、またFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の国内外の審議でも、添加物として摂取する量であれば安全性に問題はないとされているため、調味料については使用基準やADIの基準ありません。しかし妊娠中や授乳中の者が摂取した際の安全性については信頼できるデータがないのが事実であり、妊娠中や授乳中の者は使用することを避けるようにと呼びかけられている商品もあります。

妊娠中の者が調味料を使用したため危険性を伴った事例は上がっていませんが、確たるデータがないのも確かなことなので、心配な方は妊娠中や授乳期においては、長年の生活の知恵より利用されている天然の素材のうま味を利用して調理することをおすすめします。

最後に

調味料はアミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4つの種類に分類され、それぞれ特徴を示す添加物が含まれています。食品衛生法に基づき食品添加物である調味料は「調味料」と一括表示が許されています。ただし「調味料」と表記したあとにカッコ付で使用した添加物の種類を記載することが原則となっています。添加物が一種類ならその物質が所属する種類名、2種類以上の場合は成分量が多いものの種類名を表示した後に(○○等)と記載します。調味料(アミノ酸)は添加物がアミン酸のみ、また調味料(アミノ酸等)はアミノ酸の種類のほかにも添加物がはいっている調味料です。

添加物についての危険性については、厚生労働省や消費者庁の相談窓口、またネット上にも消費者から多くの心配が寄せられていますが、国内外における添加物の安全性を確保する機関からの回答では、調味料の物質は人体への危険性はないと判断しているので、使用基準やADIの基準はないと回答がありました。そのため何がどれだけ使用されているかは製造者側の判断で調味料が添加されているわけです。しかしながら製造者側も消費者からの質問の窓口を広げてその回答に向き合っています。アレルギー症などでお悩みの方は、そんな窓口に質問してみるのもアレルギー対策の一つの手立てかもしれませんね。

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