ちょっと長くて、頭に入りづらい名前のカルボキシメチルセルロースは、天然由来の物質ではく、毒性やアレルギー性がないことから比較的安全と言われています。
食品添加物として、とろみや粘り気を出すのに使用される他、化粧品や医薬品、工業や建築などにも活用されています。
カルボキシメチルセルロース(CMC)とは
カルボキシメチルセルロース(CMC)とは、紙を作るときの原料(パルプ)に化学薬品を混ぜて抽出される水溶性の高分子で、粘性や安定性、保護コロイド性、吸湿性などがあるのが特徴です。
また、焼却により処分でき環境にはやさしい物質とも言われています。
カルボキシメチルセルロースと類似した性質である、増粘性のある他の天然由来の物質よりも、機能性には優れているそうです。
食品添加物として使用される以外に、医薬品、化粧品、塗料、製紙、ペット用品などに幅広い用途があります。
カルボキシメチルセルロースは、食品添加物として使用されるときにはカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC–Na)とカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)の2種類が存在します。
歯磨き粉に利用
歯科医療で推奨されているプラークコントロール。虫歯や歯周病の予防のため、その原因となる口の中の細菌(プラーク)の増殖を抑制して、自分自身で歯や歯茎を守るために正しい歯磨きの仕方が歯科の医師から推奨されています。
プラークコントロールは、正しい歯磨きをするために補助器具を使うことで細菌の抑制が効果的になると言われます。
しかし使い方を歯科医が十分に指導しなければ効果が得られ難いために、歯ブラシの使い方や歯磨き粉の説明が歯科医院で必要です。
歯ブラシは個人によって好みがありますが、歯磨き粉の成分も配合の目的にあわせて様々な成分が含まれています。
その成分の中にカルボキシメチルセルロースも配合されているのです。
いつもは何気に使用している歯磨き粉ですが、研磨剤や湿潤剤、抗菌剤、そして粘結剤などが配合されてその特性を発揮して歯の健康が守られています。
カルボキシメチルセルロースが配合されているのは、歯の表面の汚れを落としたり口の中の細菌を除去する粉の基本剤と研磨剤や、歯磨き粉に湿り気を持たせてクリーム状の形にする保湿剤が分離しないように適度な粘度感を与えるために粘度剤として配合されています。
歯科医院でプラークコントロールの説明を受けるときには補助器具である歯磨き粉の成分の1つに粘度性を目的としてカルボキシメチルセルロースが配合されていることを耳にすることがあるかもしれません。
カルボキシメチルセルロースの購入
カルボキシメチルセルロースは古くから増粘剤の目的で食品添加物として国内外で許可されており、アイスクリームやヨーグルト、飲料に使われています。
食品添加物(食用)として個人が店頭で購入できる店舗はあまり見当たりません。
食用として販売されるカルボキシメチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースの製造元からこれを食品添加物として利用した製品を製造している製造会社に直接卸売されて食品に添加されて使われています。
残念ながら店舗にて個人が購入することはできませんが、個人で必要な場合はネット通販を利用するとで購入は可能です。
ネット通販で食品添加物として購入した際は使用基準や注意事項が記載されていますのでよく読んでご使用ください。
カルボキシメチルセルロースはレザー用品、プラスティック、ペーパーなどのホビークラフトに利用し毛羽立ちを抑えたり作品を美しく仕上げることに役立てる用途にも使用されます。工芸やDIYなどを目的として利用するカルボキシメチルセルロースは、東急ハンズやホームセンターなどで購入することができるほか、ネット通販でも購入は可能です。
カルボキシメチルセルロースの安全性
カルボキシメチルセルロースは、一日摂取量の制限はなく、原料のセルロースが分解性があることから、安全とされています。
毒性やアレルギー性がないことから、人体への影響は少ないと考えられています。
一方で、大量に吸い込んでしまうと、呼吸器を傷つけてしまい痛みを感じますし眼に入ると危険とも言われています。
ただし、これらの事はカルボキシメチルセルロースに限って言われることではありませんので、危険性として気にしなくて良いでしょう。取り扱い方の注意点です。
通常、食品に含まれるものを摂取する程度ならば、直ちに健康に害を及ぼすものではないようです。
食品添加物として使用されている食品
カルボキシメチルセルロースは、その特性から増粘剤や乳化安定剤として食品に使用されて、アイスクリームにCMC-Naを添加すると、腐敗しにくく、生クリームの使用量を減らすことができ、低脂肪化が実現する上、メーカーとしても低コストに仕上げることができるそうです。
カルボキシメチルセルロースは、食品に使用される際は、CMC−CaやCMC–Naとして扱われることもあり、増粘剤として使用される際は、成分表示に「増粘剤(CMC)」または、「増粘多糖類」と表示されます。
食品への具体的な用途としては、アイスクリーム以外に、ヨーグルト、ソース等の調味料、飲料、またダイエット用食品などへの使用があります。
またCMC−Caは、水に溶けず、増粘性や安定性はないため、用途としては固形スープの素や菓子の崩壊剤などに使用されています。
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