界面活性剤? ショ糖脂肪酸エステル

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食品添加物

ショ糖脂肪酸エステルは、水に溶けるショ糖と油に溶ける脂肪酸(植物由来)で構成された非イオン性の界面活性剤です。界面活性剤と言えば、洗剤を思い浮かべる方も多いと思います。そんな洗剤で使っている物が添加物に入っているなんてと思うかもしれませんが、実は食品添加物として使用される乳化剤と同じなんです。今回はショ糖脂肪酸エステルの特徴や危険性をしらべてみました。

ショ糖脂肪酸エステルとは

ショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖と脂肪酸が結合した非イオン界面活性剤で、食品添加物の一つで、別名はシュガーエステルやSEと言います。

原料と製造方法

ショ糖は、砂糖の主成分です。
ショ糖とはぶどう糖に果糖が結びついた物質で1つの分子には水になじむ部分が8箇所あります。この8箇所に植物由来の脂肪酸を結合させ(この結合をエステル結合といいます)作られます。

ショ糖脂肪酸エステルの用途は

ショ糖分子の水になじむ部分8箇所に脂肪酸を結合させて作られるショ糖脂肪酸エステルですが、脂肪酸を結合させるとその砂糖は甘くなくなり無味無臭となります。甘くなるなくなるということは原料は砂糖でも用途は甘味料ではなくなります。
水になじみやすいショ糖と、油になじみやすい脂肪酸が結合したショ糖脂肪酸エステルは食品には乳化剤として使用されます。

乳化剤は食品衛生法での分類のことで食品以外では界面活性剤と呼ばれます。界面とは物質の境界(表面)のことです。その境界に付着して作用する物質が乳化剤(界面活性剤)です。

その作用は水と油を混ざりやすくするといった乳化以外にも可溶化(溶けたように見せる)、分散、起泡、消泡、湿潤、でん粉の老化防止、洗浄、製造工程の改善、食感の改善などさまざまです。

使用目的

パン類

ボリュームを増やしたり食感の改善に使用されます。また生地を冷凍保存する際の劣化防止にも使用されます。パン生地が劣化せずに冷凍できれば大きな工場で製造・成形し冷凍し、店舗では焼くだけといったことが可能となります。

ご飯類

ご飯の表面で作用することにより粒のほぐれを良くすることができます。外食などでご飯の量を均一にするために炊いたご飯を機械でお茶碗に入れているところには非常に便利です。

麺類

茹で麺の品質劣化を防ぎます。また麺に含まれるデンプンがお湯に溶けだすのを防ぎます。
また冷凍した麺同士がくっつかないようにする効果もあります。

クッキーやビスケットなど

サクサクした食感や口どけをよくすることができます。

ちくわやかまぼこなどの練り物

保水性や食感(弾力性)の向上やデンプンの劣化による品質の劣化を防止します。

その他

天ぷら、天ぷら粉、インスタントラーメン、ケーキ、餃子、シュウマイ、中華まん、缶コーヒー、缶紅茶、飴、キャラメル、ガム、カレーのルー、食肉加工品、豆腐、ドレッシング、マーガリン、乳飲料など。

ショ糖脂肪酸エステルの安全性

ショ糖脂肪酸エステルが日本で食品添加物として認可されたのは1959年です。それ以降、特に使用中止が検討されたことはありません。
また、使用基準(対象食品、使用料、使用制限)も設定されていません。ということはどんな食品にどんだけたくさん使用しても問題ないということです。
食品添加物専門家合同委員会(FAO/WHO)などの国際機関でも安全性の高さは認められており、欧米はもちろん、世界各国で食品添加物としてもちいられています。

ショ糖脂肪酸エステルの危険性

油脂から得た脂肪酸とショ糖を反応させて製造されるショ糖脂肪酸エステル。乳化剤のほかに、起泡剤、増粘剤、デンプンの老化防止などの目的で使われています。一部で奇形や染色体への異常が指摘され、妊婦は控えるべきだという意見もあります。

  • 使用食品:ホイップクリーム、ケーキ、カレールー、清涼飲料水など

またショ糖脂肪酸エステルは、多量に摂取すると下痢を起こすことが指摘されています。
ですが、ショ糖脂肪酸エステルは乳化剤等の食品添加物ですから、それ自体を摂り過ぎてしまう心配はほとんどありません。
それ以外に心配されている点としては、以下のものがあります。

多種類あるショ糖脂肪酸エステル

前述しましたがショ糖脂肪酸エステルはショ糖の分子8箇所に脂肪酸が結びついた物質です。
この結びつくところを仮に1番~8番と呼ぶことにします。
現在の製造技術では1番だけに結び付けたり4番と5番にだけ結びつけるといったことができません。いくつ結びつけるかということは可能ですが、「どこに」ができないということです。
(研究レベルでは可能ですが工業的に低コストでつくることはできません。)
脂肪酸が結びついている場所が違うということは別の物質と言えます。

また結びつける脂肪酸の種類を変えることで性質が変わり、それにより幅広い機能を持たせることができるわけです。と簡単に説明しましたが、結びつける脂肪酸の種類が変わっても名称はショ糖脂肪酸エステルのままなのです。

このようにショ糖脂肪酸エステルにはさまざまな種類がありますが、一部の安全性の試験によって安全だと言っているのです。

発がん性

国際機関であるFAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)は、ショ糖脂肪酸エステルをADI(使用基準)を特定しない物質として評価しています。また本物質を食品を通じてヒトの健康に影響を与えるものとは考えられないされています。

また、欧州食品安全機関(EFSA)は平成19年(2004年)にショ糖脂肪酸エステルのTDI(耐容一日摂取量)を30mg/kg体重/日から40mg/kg体重/日に改めています。

TDI(耐容一日摂取量)

耐容一日摂取量(たいよういちにちせっしゅりょう)とは、ヒトがある物質を生涯にわたって継続的に摂取した際に、健康に悪影響を及ぼすおそれがないと推定される1日当たりの摂取量のことです。

ショ糖脂肪酸エステルはヒトに摂取されるとショ糖と脂肪酸に加水分解され、それぞれ代謝されるので安全性は高いとされています。

結論は、ショ糖脂肪酸エステルは、催奇性や、染色体異常を引き起こす恐れ、発がん性のリスクも特に報告されておらず安全性の高い食品添加物と言われています。

ショ糖脂肪酸エステルを避けたい場合

ショ糖脂肪酸エステルは乳化剤です。
乳化剤は一括表示が認められた食品添加物なので、複数の乳化剤を使用した場合は乳化剤とだけ記載すればよいことになっています。ですから特定の物質だけ避けるのは容易ではありません。
どうしても気になるようなら乳化剤の入っていない食品を選びましょう。
ただ、ショ糖脂肪酸エステルは、それほど神経質になる必要はありません。簡単に避けられるケースなら避けるにこしたことはありませんが、そうでないならあまり気にしすぎずに。できれば、知識として持っていても良いと思います。

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