実は危険な食べ物? ヒ素を含む海藻ひじき | 人は食べた物で創られる

実は危険な食べ物? ヒ素を含む海藻ひじき

個別食材の栄養素

2004年英国食品規格庁は、ひじきには多くのヒ素が含まれるということから、英国民にひじきを食べないように勧告を出しました。

日本でも一部のマスメディアで取り上げられたことから気になっている人も多いのはないでしょうか?

ひじきは健康に良いのか、危険なのか?

今回は、簡単ですがのひじきの情報を整理してみました。

ひじきは食べても大丈夫?

ひじきには、無機ヒ素が多く含まれています。

しかし、イギリスの勧告では調理法には言及していませんでした。

日本では、昔から伝統的にひじきを食べてきた長い歴史があります。

仮に1食に食べるひじきを乾燥重量で5グラム程度として、水戻しにより無機のヒ素が50%に減少したとすると、体重50キログラムの人が週に3回以上(1回当たり乾燥重量5グラム程度として)ひじきを食べなければ、暫定的耐用週間摂取量を超えることはないようです。

実際ひじきの水戻しをすると、この時多くのヒ素は水のほうに出ていくため、実際に食べるときにはかなり少なくなっていることが分かっています。

(水もどしの水は調理に使わず捨てることが大切です※)
※水戻しとゆでこぼしでヒ素は9割ぐらい減ることが分かっています。


このひじきを毎日4.7g以上食べ続けなければ健康に影響がないのですが、日本人の1日あたりの平均的なひじき摂取量は0.9g程度です。

したがって、一般的な食べ方をする限り、ヒ素の問題を気にする必要はなさそうです。

なお、国の食品安全委員会ではこの問題について、引き続き検討しています。

もしひじき好きで、毎日のように大量に召し上がる方は注意が必要かも知れませんし、飽食の時代に栄養があるからと少しでも危険性がある食べ物を食べる必要はないかもしれません。

ひじきは古くから親しまれてきた健康食の一面もある

しかし先に述べたように、ひじきはカルシウム、カリウム、リン、鉄などを多く含んだ食材です。

上手に利用してはいかがでしょうか。

ひじきは、古くから親しまれてきた健康食でもあります。

海に囲まれた日本では、わかめ・昆布とともに欠くことができない存在とも言えます。

一般的に流通しているものは乾物で、旬の2月から5月の時期にかけては生のひじきが店頭に並ぶようになります。

ひじきの栄養成分と効果

ひじきには、

  • カルシウム
  • 食物繊維
  • ビタミンA
  • ビタミンK
  • マグネシウム

など各種ミネラルが豊富に含まれています。

カルシウム

カルシウムは丈夫な骨や歯をつくり、筋肉や神経の働きをサポートします。

乾燥ひじき15gのカルシウム量は150㎎。

ヨーグルト1カップ本分(120g)と同じくらいのカルシウムを摂ることができます。

タンパク質やマグネシウム・クエン酸ととると効率よく吸収できるので、大豆製品や柑橘類・お酢などを使用した料理と一緒に組み合せてとり入れましょう。

食物繊維

ひじきは食物繊維が豊富な食材で、乾燥ひじき15g当り約7.8gの食物繊維が含まれています。

食物繊維は胃で水分を吸収して満腹感を与え、食べ過ぎを防ぐの役立ちます。

また、便のカサを増やし、腸を刺激するので便秘予防や、血中コレステロールの吸収を抑えるなどさまざまな働きをしています。

マグネシウム

マグネシウムは骨の重要な成分になっているほか、酵素の働きをサポートします。

また筋肉の働きをコントロールしたり、神経の興奮を抑えたりする働きもあります。

ひじきのおいしい食べ方

ひじきの茎の部分が長ひじき、先端の芽の部分が芽ひじきです。調理の際は洗ってゴミを取り除き、たっぷりの水で20~30分戻してから使います。

かさは約8.5倍になります。煮物・酢の物・サラダ・炊き込みごはんなどの具に利用可能です。

保存は密閉容器に入れ、直射日光を避けた冷暗所に保存しましょう。

最後に

ひじきはカルシウム、カリウム、リン、鉄、食物繊維なども多く含んだ食品です。

日本では長く食べ続けてきた食品であり、これまで健康被害が発生したという報告もありません。

しかし健康に良い食品だからと言って、極端にたくさん食べ続けることは避けるべきかも知れませんがこれまで通り普段の食生活に上手に取り入れていくぶんには、問題はないかもしれませんね。

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