再冷凍しても大丈夫? 使いきれず残った肉の再冷凍

その他

安売りなどでついつい多く買いすぎてしまったり、料理のたびやメニューが変わったりなどで、解凍した肉を再冷凍する場面はついやりがちじゃありませんか?

いくら冷凍してたからといって、解凍した肉はドリップが出ていることも多いですよね。

ドリップは、肉の旨みが含まれる液体ですし、それが流れて味の変化がきになったり、暑い時期なら食中毒についても気になるところ。

そこで今回、このドリップが出てしまう理由や再冷凍しても問題ないのかという点について調べてみました。

google

肉は再冷凍しても大丈夫? やりがちな解凍した肉の再冷凍

献立を考える身の方にとってメニューが変わるのはよくあることですが、事前に解凍した肉がまた冷凍庫に戻る場面も度々ありませんか。

解凍の方法は常温で解凍したり、冷蔵庫の中でゆっくり解凍させるなど様々なやり方があります。

しかし解凍の方法は違っても、せっかく柔らかくなった肉を再冷凍させるのは気になる。

安売りしているとつい大量に買い込んで一気に冷凍保存する方も多いですが、事情が重なり何度も解凍、冷凍を繰り返してしまうことも。

そんなお肉食べても大丈夫なの?

解凍した肉から出る液体は旨味成分だった

肉の鮮度を気にしていると、よく目にする「ドリップ」という名の液体。

ドリップとはお肉の水分や旨みが染み出ている状態のことを言います。

パックを傾けると赤やピンク色の液体が出ていることがありますよね。

あれがドリップです。

肉から出たドリップは、肉らしさを味わえるジューシー感や旨みを流してしまっていますし、それだけでなく同じ肉に冷凍や解凍を繰り返していると肉の細胞が壊されてしまうため、おいしさがどんどんなくなってしまっています。

うまみ成分ドリップが出てしまう理由

お肉だけではなく、魚介類からもドリップが流れ出ます。

この魚や肉類からドリップが発生する理由は、冷凍や解凍して保存しているうちに肉の筋肉細胞のタンパク質が変性しているからです。

このタンパク質が変性すると肉の筋肉繊維の水分を再吸収する働きが悪くなってしまいます。

再吸収の働きが悪くなると水分を吸う力がなくなるため、その分ドリップの量も必然的に多くなっていしまいます。

ですからドリップが多くなればなるほど確実に味は落ち、水分だけではなく栄養素まで流れ出てしまいます。

味の面からみると何度も再冷凍を繰り返すことは、お勧めできません。

再冷凍肉や再解凍肉の食中毒について

多少味が落ちても調理や調理法で復活は可能かもしれませんが、安全面はどうなんでしょうか?

買物で大きなパックのファミリー向けとして肉がたくさん入っている商品などは、そのまま再解凍、再冷凍を繰り返すことが多くなってませんか?

ついやりがちな肉の再冷凍、再解凍ですが当然食中毒の観点から見ると体に良い行為とは言えません。

動物の肉、腸などにはサルモネラ菌やO157などの病原大腸菌、食中毒を引き起こす様々な細菌が潜んでいます。

肉を食べるということは、こういったあらゆる菌が付着していると考えて取り扱うのが大切です。

ついつい忘れがちですが食中毒の原因となる菌たちは、15~50℃程度で繁殖が活発になると言われています。

この温度は人間が過ごしやすい環境と同じですが、肉は再冷凍、再解凍などの温度変化が頻繁に起きると細菌の繁殖を助長させてしまいます。

味や肉質が落ちるのはもちろんのこと、健康への悪影響も出る可能性があります。

常温で肉を解凍したら、再冷凍は避けてその日のうちに食べ切るのがお勧め。

人にはちょうど良い温度でも、肉にとっては細菌を繁殖させてしまう温度だということを意識して扱っていくことが大切だと思います。

冷凍・再冷凍のやり方に注意すれば問題なし?

少しでも良いものを買う意識の高いかたは、肉から流れ出たドリップの状態を見て食品の鮮度を確かめるのが一般的ですが、ドリップがたくさん出ていると鮮度が落ちているのではないかと不安になりますよね。

しかし、やり方に気を付けていれば再冷凍、再解凍を少しでも問題を少なく行うことが可能なんです。

少々手間はかかりますがおいしさを損なわないために必要なことですから、もし可能であれば出来ることから初めてみまて下さい。

冷凍・再冷凍のやり方1・解凍は基本的に冷蔵庫で行う

冷凍したお肉をいち早く解凍したいときは、常温の環境で効率良く解凍するという方も多いですが、先ほど触れたようにお肉の解凍はなるべくドリップを少なくするか、出さないことが理想の解凍方法です。

夏は特に冷凍庫からいきなりカチカチのお肉をテーブルの上に乗せてしまうと、肉の内部と外側の温度差が大きくなるため余計にドリップの流れを加速させる原因になります。

また精肉店では持ち帰りをする際に、ドライアイスなどを入れて肉が劣化しない環境を作ってくれることが多いですが、精肉はそれだけ常温の場所に置くべきではないと認識されており生肉は常温に置いておくと2時間程度で肉質が落ちると言われています。

常温で肉がどれほどの時間持つという明確な基準はありませんが、味の良さを知っている方は30分で肉質が落ちると厳しい考えを持つ方もいます。

ちなみに常温で完全に解凍させると、ドリップ出まくりで食べる気が失せます。

そのため肉の解凍はゆっくりと解凍できる冷蔵庫が理想です。

が時間がかかりますよね。

余裕を持って前日には肉を冷蔵庫に移して解凍するのがお勧めです。

解凍した肉を再冷凍する方法

解凍したお肉は食べきるのが理想ですが、毎回そうも行きませんよね。

なんだかんだと解凍した肉をもう一度冷凍したい場合も多いと思います。

少し面倒ですが肉をより扱いやすくするためには、冷凍庫に入れる前に少し工夫するとよりおいしく保存できます。

冷凍・再冷凍のやり方2・加熱と味付けで下処理をする

一度解凍した肉を再冷凍したいときは、そのまま冷凍庫に入れるのではなく一度下処理をしてから再冷凍を行うと良いそうです。

肉に熱を加え調理してから冷凍庫に入れることによって旨みを逃がさないだけではなく、生肉の状態で起きる雑菌などの付着が起きにくくなり肉の劣化や傷みを防ぐことができます。

また「下味冷凍」と呼ばれる冷凍する前に味を漬けて保存する下処理の方法もあります。

例えば煮込みやソースなどを使う料理などは、使いたい肉と調味料(タレなど)をそのまま真空パックに入れて再冷凍することで、傷みを気にすることなくむしろ味の染み込みが良くなり、次の調理で時短も可能です。

また固くなりがちな肉も柔らかく食べることができますよ。

真空パックを持っていないという方は、ラップで隙間がないように包みジッパーバッグなどに入れて再冷凍がお勧めです。

冷凍・再冷凍のやり方3・初めから解凍された肉の再冷凍

購入した肉が初めから冷凍肉だったという場合も最近では多いですね。

スーパーなどで販売している肉のパックには、解凍という表示がされているのを度々見かけますがこのタイプの解凍肉は家に持ち帰って再冷凍することは可能です。

解凍と表示されてはいますが、店で売り出す前の冷凍は「急速冷凍」という一般的な家の冷凍庫よりも低い温度で冷凍されています。

売り出すために鮮度を極力落とさない加工を行っているということだそうです。

急速冷凍された肉は売り出す際に、専用の冷蔵庫に入れて時間をたっぷりかけて保存しています。

そして、安心して食べられる肉として精肉コーナーに陳列されているんです。

しかし、急速冷凍と言っても一度冷凍していることに変わりはありません。

肉質は生肉を冷凍した状態と比較すると、味に敏感な方には多少違う食感に感じられることもあります。

お肉の冷蔵庫以外の解凍法

肉の解凍は基本的に冷蔵庫でじっくり解凍させていく方法が簡単ですが、前日から肉を移しておく必要があるため時間がかかり過ぎると感じる方もいるでしょうし解凍を忘れてしまうリスクもありますよね。

下記からはなるべく早く冷蔵庫以外で出来る解凍法について取り上げてみました。

お肉の冷蔵庫以外の解凍法1・氷水で解凍する

冷蔵庫で解凍する以外にも、氷水で解凍する方法もあります。氷水なら冷蔵庫より早く解凍することができ、尚かつ低温で解凍されるためドリップをほぼ出さずに肉を解凍することができます。

冷凍中の肉はビニール袋などで氷水が入らないように二重で包み、氷が溶けたら様子を見ながら足して解凍を行ってください。

お肉の冷蔵庫以外の解凍法2・流水につける

氷水で解凍するやり方と同様に、解凍したい肉を密閉できる袋に入れボウルの中に流水を溜めながら行う方法です。

水を少量出しっぱなしにするだけの簡単なやり方です。

本格的な調理に入る前から解凍しておけば、比較的短時間で解凍することができます。

流水で行う解凍は誰でも簡単に出来ることに加え、解凍ムラがほぼないことも嬉しい点です。

ただ水道代が高額の地域の方にはお勧め出来ないかもしれません。

お肉の冷蔵庫以外の解凍法3・電子レンジの解凍機能を使う

急に予定が変わり、早急に肉を解凍しなければいけないときもありますよね。

時間を短縮したい場合は、電子レンジの解凍機能を使うのも有効です。

お使いの電子レンジによって操作方法が異なるため、説明書をよく読んでから解凍して下さい。

簡単にできるレンジもありますが、自動解凍モードへの切り替えや、ボタンを何回か押して解凍、完全解凍にするものもあります。

レンジ解凍に不慣れな場合、レンジ任せにしていると解凍に失敗してしまうことも多いため、慎重に見ながら時間の調節をしてみてください。。

電子レンジでの解凍の欠点は、ムラができたり加熱しすぎてしまうことも多い点です。

利点としては、なるべく早く肉を解凍したいときに役立ちます。

肉を冷凍するときの注意点

大前提として生肉は、鮮度が大切です。

初めから冷凍する予定の場合は、購入したらなるべく早めに冷凍庫へ保管しましょう。

肉を冷凍する時は小分けして下にアルミトレーをひく

また一度にたくさんの解凍を避けるために、小分けにして冷凍することを意識し、肉の下にアルミトレーなどを敷いてから冷凍するのもおいしさを逃さないコツです。

アルミトレーに肉類を乗せて冷凍すると、冷気が伝わりやすくなり急速冷凍に近い環境を作ることができます。

※解凍した肉を再冷凍することなく早めに使う予定の場合は、5℃以下の冷蔵庫やチルド室に入れておけば2日程度は保存可能です。

冷蔵庫などで解凍した肉の場合はそのまま再冷凍することができますが、常温で解凍した肉の再冷凍は避けた方が賢明です。

再冷凍していいお肉は冷蔵庫で解凍したものだけにする

再冷凍したお肉の安全面に関して、十分に火を通せが大丈夫と思っているかもいますが、解凍や冷凍を繰り返すと食中毒の原因になる菌が繁殖するのはもちろんのこと、中には100℃の火を通しても死滅しない熱に強い菌もいます。

温度変化の大きい常温で解凍した場合は、再冷凍しないように注意が必要です。

そのため、解凍した肉を再冷凍できるのは、基本的に「冷蔵庫で解凍した肉」だけということになります。

最後に

今回、解凍した肉を再冷凍できるのかについてご紹介させて頂きました。

繰り返しになりますが解凍した肉を使わない場合、つい冷凍庫に戻したくなりますが、再び冷凍庫に戻れるのは常温以外の解凍法をされた肉だけです。

再冷凍する前に調理を行うことでも肉の傷みを防ぐことができますから、ライフスタイルに合わせた冷凍・解凍を上手く活用してみて下さい。

コメント