人は食べた物で創られる 食品添加物20調味料 | 人は食べた物で創られる

人は食べた物で創られる 食品添加物20調味料

食品添加物

調味料は、一般的には料理の調味に使う材料のことで主なものに、砂糖、塩、酢、醤油、味噌などがありますが、食品添加物としての「調味料」とは、 昆布やかつおぶしなどのうま味成分を化学合成により抽出または生成したもので、アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4つのグループに大別される物を示します。 塩味とうま味を出す目的で使用されて、味にコクや深みを生む役割を果たしているもののことをいいます。

  1. 調味料(アミノ酸)と(アミノ酸等)
      1. 調味料(アミノ酸)と(アミノ酸等)の違い
      2. 調味料の4つの種類とは
    1. 調味料を使用する目的
    2. 調味料を使用する食品への効果
    3. 調味料という添加物の危険性
    4. 添加物の安全性
    5. アレルギーに対して
      1. 妊婦への危険性
    6. さいごに
  2. 酵母エキス
    1. 酵母エキスとは
      1. 日本語では酵母、英語ではYeast(イースト)
      2. 味の素と並ぶうま味をプラスする
      3. うま味とは
    2. 酵母エキスの効果とは
      1. 細胞の修復・生成
      2. 乾燥肌を防ぐ
    3. 酵母エキスの乳児への害
    4. 謎多き酵母エキスは大丈夫
  3. たんぱく加水分解物
    1. たんぱく加水分解物はうま味の化学調味料
      1. 加水分解とは
      2. たんぱく質の正体
    2. 食品への表示
    3. 発がん性や危険性
      1. クロロプロパノール類の国内外の危険性の評価
    4. アレルギーの危険性
    5. さいごに
  4. アスパラギン酸
    1. アスパラギン酸とは
      1. アスパラギン酸のはたらき
      2. 食品添加物としてのはたらき
      3. アスパラギン酸を多く含む食品とは
      4. アスパラギン酸はこんなところにも
    2. アスパラギン酸の効果・効能とは
      1. デトックス効果で肝臓を守る
      2. 疲労を回復して体調を整える
      3. 肌の調子を整えて美肌をつくる
      4. その他のアスパラギン酸の効果
    3. アスパラギン酸の注意点
      1. アスパラギン酸単体での摂取は避ける
      2. アスパラギン酸は加熱しない
      3. アスパラギン酸ナトリウムの使用基準
    4. アスパラギン酸は食品から摂取
  5. 有機酸
    1. 有機酸とは
    2. 有機酸の種類
    3. 使用されている食品は
  6. グリシン
    1. グリシンとは
    2. 食品添加物としての用途や効果
    3. 基準となる摂取量や副作用
    4. 関連

調味料(アミノ酸)と(アミノ酸等)

加工食品の表示を見ると「調味料」と記載のあとにカッコ付けで(アミノ酸)と明記されているものや(アミノ酸等)と明記されているものを見かけます。アミノ酸とアミノ酸等。これって何か違いがあるのでしょうか?今回は調味料の(アミノ酸)と(アミノ酸等)の違いはなにかについて調べました。調味料の目的や効果、危険性などについても同時にしらべました。

調味料(アミノ酸)と(アミノ酸等)の違い

調味料(アミノ酸)と調味料(アミノ酸等)の違いは食品衛生法に基づく食品の表示に関係する違いです。食品衛生法において調味料は食品の味の品質を向上させる食品添加物に分類されています。

食品添加物は食品の表示が義務付けられており、消費者が理解しやすいようにもしくは消費者の安心を図るために使用用途と物質名を明示しなければなりません。ただし食品添加物でも調味料については「調味料」とのみの一括表示が許されています。

調味料はその成分によって4つの種類があります。食品の原材料欄での調味料の表示の仕方は「調味料」と表示した後に添加されている物質の所属する種類の名をカッコ付けで表示しなければなりません。この時2つ以上の添加物を利用した調味料の場合、一番配分量が多い添加物が所属する種類名のあとに「等」をつけて表示します。すなわち「調味料(アミノ酸)」は調味料のアミノ酸の種類の添加物のみが使用されている調味料で、「調味料(アミノ酸等)」は複数の添加物が使用されていて、アミノ酸の種類の添加物の配分量が多い調味料だということを表示しているのです。

調味料の4つの種類とは

調味料はその成分によって

  • アミノ酸
  • 核酸(かくさん)
  • 有機酸
  • 無機塩

の4つの種類に分類されます。そして各種類にはそれぞれ特徴を示す添加物が含まれています。たとえばアミノ酸の種類の添加物には昆布のうま味の正体であるL-グルタミン酸ナトリウム、牛すじや軟骨など動物性コラーゲンに含まれているグリシン、またDL-アラニンが添加物として含まれています。

調味料を使用する目的

調味料は食品の味を調えたり美味しさを加える目的で昔から使われてきました。昔ながらの調味料には塩、酒、酢、醤油、味噌、昆布やカツオなどから取っただしやエキスなどがあります。昔は調味料とは呼んでいませんでしたが、昔から食品の味を調え美味しさを加えたものです。

調味料は昔から欠かすことなく使われている添加物です。たとえば醤油や味噌に含まれているグルタミン酸などは明治時代の後半から食品の味を調え美味しさを増す目的で使われてきました。調味料は食品にうま味や塩味を付けるもしくは増強する目的、また食品の味を調え、味覚を高めて改善する目的で食品に添加されます。

調味料を使用する食品への効果

調味料の効果はその使用目的と同様に、食品の味の質を調え、食品を食べた時の味覚の向上と改善を図るなど、総合的に食品の美味しさにうま味を付ける効果があります。

  • 食品にうま味をつける効果
  • 塩味をつける効果
  • 食品のコクや味を広げる効果
  • 酸味や苦味を和らげ、塩味を緩和する効果
  • 食品の味の質を調和し、塩分の少ないだし汁など味ボケするのを改善する効果
  • 天然素材の風味を引き出す効果(たとえばかつおだしに調味料を添加することで香りが引き立ち風味が増すことができます)

調味料という添加物の危険性

食品にうま味をつける食品添加物である調味料。うま味の素はグルタミン酸ナトリウムであることを突き止めました。そこから生まれたのが現在一般家庭でよく使われている調味料である「味の素」です。

グルタミン酸ナトリウムは調味料の添加物の中でもよく知られている添加物で、うま味調味料としていろいろな商品に添加され利用されています。味の素やハイミーなどはグルタミン酸ナトリウムが利用されているポピュラーな調味料です。その表示は「調味料(アミノ酸等)」と明記されていることが多いです。

調味料への危険性を心配する声の一つには、グルタミン酸ナトリウムに発がん性の危険があると言われている点で、そのため味の素やハイミーなどの使用を懸念する声が上がっています。グルタミン酸ナトリウムを加熱すると発がん性の物質を生成すると言われているのです。確かにグルタミン酸ナトリウムについては動物実験からも肝臓がんや大腸がんなどが発生したという報告があげられています。

また調味料への危険性についての不安は、調味料は厚生労働省が指導する食品に添加する成分規格はあるものの使用基準が定められていないこと、人が生涯摂取しても健康に危険はないとされる1日の摂取許容量(ADI)の基準がなされていないこと、また添加物として添加されたとき原材料の表示には一括表示しかされていないことで消費者からは不安の声が寄せられています。

調味料を含む食品添加物に対する危険性についての心配の声は、食品安全委員会が調査したアンケート調査の中にも多くの不安の声が上がっており、消費者の理解や信頼を十分に得られていない面があることがわかります。また現代の食生活において加工食品や調理された食品の利用が増えたため、食品の安全を自分で確かめづらくなったことや、がんや糖尿病などの生活習慣病患者の増加は食品添加物によるものではないかと消費者に疑われている点などから調味料に関する健康への危険性の声もよせられるのです。

しかしながら、調味料をはじめ添加物の使用について、使用する物質については、その安全性を図るため実際に人が摂取する数千倍もしくは数万倍の量を動物に投与して実験が行われて危険性の試験が行われ、各国で分析された報告、データ、評価があげられているのも事実で、そこには調味料に使用される物質の危険性についてはなにも上がってきていません。

実際にグルタミン酸ナトリウムを添加物とした調味料を摂取したために人体に危険が及んだという報告は現在のところ上がっていません。調味料の危険性は、たとえばグルタミン酸ナトリウムやグリシンにおいては独立法人国立健康栄養研究所の調べによると、人への危険性については通常の食事に含まれる量を摂取する分には何ら問題はないと報告しているほか、食品安全委員会の評価でも危険性の評価は上がっておらず、国内外の評価(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)においても添加物としての摂取量であれば危険性はないと評価されているのが現状です。

添加物の安全性

食品に関しては天然の食材だから必ずしも100%安全な食物とは限りません。しかしながら健康な食生活を営むために食品や食品添加物が、より安全であるために国内外では食の安全性の一環として動物実験などによる研究報告や試験などを行い、科学的な根拠に基づく評価をしています。

添加物の安全性の裏付けの一つとしては、食品成分や添加物の化学物質量が人体に影響するかどうかを図るために行われた動物実験の結果をもとに、通常の1/100の量を一生の間に人が食べ続けて安全だとされる1日の摂取量(ADI)を設置し、これに基づき消費者の健康への安全性を国が管理しています。

添加物の安全性を評価したADIは、国連機関であるFAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)からなるFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が、各国の試験データーに基づき食品添加物の安全性を評価して、添加物の規格を作って各国に情報を流し国の食への安全の参考にするよう公表したものです。

しかしながら先ほども記載したように調味料にはこのADIの基準がないこと、調味料の使用基準や使用量に規定がないこと、食品の表示に一括表示しかされないことについて、消費者の一人としてこれらの疑問を厚生労働省と食品安全委員会にその不安をぶつけてみたところ「調味料に使用する物質に関しては使用するにあたり人体への危険に関して評価するにも及ばないほど危険性はないと判断されており、そのため使用基準やADIの決まりはない」という回答でした。

※食品安全委員会・・・内閣府に設置されており食品安全基準法に基づいて食品の安全行政を取り締まっている機関

日本においては食品安全委員会、農林水産省、消費者庁、厚生労働省において食品や添加物についての安全性が常に検討され、消費者、生産者、学会などとコミュニケーションが図られています。

国際的にはFAO、WHO、JECFA、Codex委員会(合同食品規格委員会・食品添加物の使用基準を作成する場)において調味料に含まれる食品の添加物についての安全性の確保もとり行われています。

様々な風潮がある中、調味料をはじめする添加物は国内外で、その安全性について科学的な知識をもとに評価していると同時に、製造者側からの回答でも、その安全性の確保をして調味料を製造しているという回答は、消費者として心配な面がありつつも信じなければならない点でもあります。

アレルギーに対して

普通の人には反応しなくとも、その物質に対して体が反応してしまい蕁麻疹や腹痛、下痢、喘息などの症状を引き起こすアレルギー。アレルギーは食物だけが原因となるわけではありませんが、食物が原因となってアレルギー症状を引き起こすことがあります。

その場合の予防は、アレルギー患者が食べ物に自分が反応してしまうアレルギー物質が含まれているかどうか判断して、摂取しないようにすることが一番の予防だとされるため、厚生労働省ではアレルギー患者が食品を選別しやすいように、製造者側にアレルギーゲンとなる食品の食品表示についての義務付けや奨励を指示しています。

現在アレルギー表示対象品目は27品目で、そのうち特定原材料は7品目です。調味料の添加物の中にも特定原材料を含むものがある場合は、一括表示が許されている調味料でも、その材料を表示しなければなりません。たとえば特定原材料などで製造した調味料なら「調味料(アミノ酸・○○由来)」、あるいは「調味料(アミノ酸等)」(原材料に一部に乳成分、小麦、ゼラチン、大豆を含む)と表示するように指示されています。

ただし、特定原材料によって製造された調味料であっても、抗原性試験などにより抗原性がみとめられないと判断できるものは表示の義務付けはされません。抗原性が高いか低いかなどについてはさらに検討しなければならない部分も多く、症例などを検証していくことが今後の課題とされているそうです。

一般的に調味料の4種類(アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩)の添加物からアレルギー症状がおこったという事例はありませんが、例えば味の素やほんだしなどグルタミン酸ナトリウムなどの添加物を利用して商品化した調味料の原材料の中には、人によってアレルギーゲンとなる材料がある場合があります。その材料は各メーカーによって異なり使用量も違います。国の機関では調味料の使用基準や使用量を決めておらず、製造者側の判断に任せて食品に添加しているため、なにをどれだけ使用しているかについては国の機関からの回答は得られませんでした。

ただし健康志向が高まる現在、製造者側でも商品ラベルにお客様相談窓口などという項目で商品の問い合わせ先のフリーダイアルの番号などを明記したり、ネットで製造者を検索した場合商品の問い合わせの画面を用意するなど、消費者からの質問への回答に積極的に取り組んでいます。アレルギーなどを心配される方は商品の製造元へ成分について聞いてみるのも、調味料に関してアレルギー予防になる一つの手立てです。

妊婦への危険性

調味料の成分については食品安全委員会の評価でも危険性については評価されておらず、またFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の国内外の審議でも、添加物として摂取する量であれば安全性に問題はないとされているため、調味料については使用基準やADIの基準ありません。しかし妊娠中や授乳中の者が摂取した際の安全性については信頼できるデータがないのが事実であり、妊娠中や授乳中の者は使用することを避けるようにと呼びかけられている商品もあります。

妊娠中の者が調味料を使用したため危険性を伴った事例は上がっていませんが、確たるデータがないのも確かなことなので、心配な方は妊娠中や授乳期においては、長年の生活の知恵より利用されている天然の素材のうま味を利用して調理することをおすすめします。

さいごに

調味料はアミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4つの種類に分類され、それぞれ特徴を示す添加物が含まれています。食品衛生法に基づき食品添加物である調味料は「調味料」と一括表示が許されています。ただし「調味料」と表記したあとにカッコ付で使用した添加物の種類を記載することが原則となっています。添加物が一種類ならその物質が所属する種類名、2種類以上の場合は成分量が多いものの種類名を表示した後に(○○等)と記載します。調味料(アミノ酸)は添加物がアミン酸のみ、また調味料(アミノ酸等)はアミノ酸の種類のほかにも添加物がはいっている調味料です。

添加物についての危険性については、厚生労働省や消費者庁の相談窓口、またネット上にも消費者から多くの心配が寄せられていますが、国内外における添加物の安全性を確保する機関からの回答では、調味料の物質は人体への危険性はないと判断しているので、使用基準やADIの基準はないと回答がありました。そのため何がどれだけ使用されているかは製造者側の判断で調味料が添加されているわけです。しかしながら製造者側も消費者からの質問の窓口を広げてその回答に向き合っています。アレルギー症などでお悩みの方は、そんな窓口に質問してみるのもアレルギー対策の一つの手立てかもしれません。

酵母エキス

酵母エキスとは抽出した酵母を濃縮し、エキス化したもののことを指し、様々な加工食品にうま味を実現する調味料です。うま味を出す味の素に並び謎が深い酵母エキスは赤ちゃんに使っても良いのでしょうか。効果についてもご紹介します。

酵母エキスとは

加工食品で溢れかえっている日本の食卓事情は、添加物が入っていないものを探す方が大変ですが、この酵母エキスも体に悪い添加物だと思われがちです。

そもそも酵母とは、私達の食事に身近なパンやビール、醤油や清酒、味噌といった食品の製造に使用されている菌類のことを指します。

酵母から有用な成分を抽出し、食品に使用される姿になって様々な食べ物にうま味を与えてくれる現代にはなくてはならない調味料です。

酵母エキスにはアミノ酸やペプチドといった名の知れ渡ったうま味成分を多く含むため、より舌が肥えた現代人のお腹を満たす優秀な成分となっています。

日本語では酵母、英語ではYeast(イースト)

日本語では酵母、英語ではYeast(イースト)といいます。そうですイーストはパンを作るときに使いますよね。
アルコールのことを日本語で酒精というのと同じです。

味の素と並ぶうま味をプラスする

食のうま味を引き出す…と聞いてパッと思いつくのは味の素だという方も多いのではないでしょうか。料理に使用すると、そのうま味は良く舌の上で実感てきますが、そのままペロリと舐めただけではそこまで大きな味の特徴は分かりません。不思議なうま味を出す味の素に匹敵するほど、酵母エキスは食品に合ったうま味を与える働きをしてくれるのです。

うま味とは

ここまでうま味というフレーズが何度も出てきましたが、そもそもうま味とはどのようなものか分からないという方もいるでしょう。様々な物を食べ、色んな味の違いが判断できるようになってくると、甘みの中に苦さがあったり、深いコクが広がるような食感があったりと、食べる物、そして食べる側にとっても受け取り方は十人十色です。

しかし、うま味はそんな隠れた味わいのような複雑で言い表せないような味を持っているのが特徴でもあります。

例えば、

  • アミノ酸が持つうま味と呼ばれる風味には、旨みや酸味が感じられるグルタミン酸やアスパラギン酸。
  • 甘いと感じる風味には、グリシンやセリン、アラニンなどがあり
  • 苦いと感じる風味にはリジンやアルギニン、フェニルアラニンなど

があります。一口にうま味と言っても人によって感じる「美味しい」の基準が異なるため、参考程度にはなってしまいますが、うま味には旨み、酸味、甘み、苦味などを総称してうま味と捉えられる成分ということになります。

酵母エキスの効果とは

酵母エキスという成分表示は何気なくスーパーなどで手に取った商品の裏側に載っている意外と身近な存在の成分です。何度も目にしているけど実際どういったものなのか分からないという方向けに、酵母エキスから得られる効果についてお届けしていきます。

細胞の修復・生成

酵母エキスにはアミノ酸やビタミン類、そして核酸、ミネラル分なども含まれています。酵母エキスは、ビールなどを作った後に出るカスのようなイメージをされる方も多く、美容とは何の関係もないと思われがちですが、酵母エキスには肌を綺麗に保つためのこれらの成分が含まれているのです。

近年化粧品に配合されることが多くなった酵母エキスからは、アミノ酸の働きによって肌細胞の修復や生成などを行う効果が期待できるとされています。

また、酵母エキスにはビタミンB群も含まれているのですが、ビタミンB群は新陳代謝に関係したり、肌の細胞を作る上で重要な成分です。思いの他、豊富に含まれる成分は肌にとって良いメリットをもたらしてくれます。

乾燥肌を防ぐ

酵母エキスから得られる効果には他にも、乾燥肌を防いで保湿効果を与えてくれる点にもあります。人の肌に備わっている天然保湿因子がこの酵母エキスと似ている構造をしていることから、より肌の潤いを保つ働きをしてくれます。

また、酵母エキスは人の肌に良く馴染み、皮膚の上で潤いが蒸発しないように水分をキープし、乾燥肌に負けない肌作りを行います。

また、酵母エキスにはビタミンB2が含まれているのですが、酵母エキスに含まれるビタミンB2は、何かと肌トラブルに直結する皮脂の分泌量を調整してくれたり、含まれるアミノ酸の働きで水分を密着させる効果もあります。そのため、酵母エキスは肌に潤いを与えた上でその状態をキープする力に長けているということです。

酵母エキスの乳児への害

酵母エキスは加工食品に使われている成分でもあり、今更良いのか悪いのか多くの人たちに賛否両論されている節はありますが、酵母エキスが悪く言われている原因は食品添加物として指定されているのではなく、「食品」として認定を受けてしまっているところにあると言えるでしょう。

酵母エキス自体はほぼ無害と言えるのですが、稀に酵母に対してアレルギーが出る方がいます。また、酵母エキスはアレルギー表示の義務がないことや、ただ美味しさを出すためだけの成分だということで、一部の方たちからはあまり良く思われていないのも事実です。

物によっては赤ちゃんの口に入る離乳食にもこの酵母エキスが含まれています。そんな状況から、赤ちゃんに酵母エキス入りの離乳食を食べさせても良いのか心配になる方が多いですが、全てのたんぱく質はアレルギーになる可能性があります。

人によっては体に重篤な症状をもたらす添加物も多い中で、自身の目や情報を頼りに体に良いものだけを口にするというのは時に困難を極める場合もあるでしょう。

様々な意見が出ている酵母エキスですが、全ての人に良い物などこの世には存在しません。特に幼少期は、体にとって良い栄養になるものを食べさせたいと考えるのが一般的ですから、心配であれば食べさせないというのが一番の対処法です。

また、赤ちゃんは旨みなどの味を持つ食べ物を生きるために大切な味とインプットしているため、旨み成分の多い酵母エキス入りの食べ物はクセになる場合もあります。

赤ちゃんや幼少期の子供は食品のそのままの味をまずは覚えさせ、慣れさせることから食育が始まりますから、数回の使用であれば問題ないと考えて良いですが、出汁などもなるべく昆布などの食材から取った方が良いと言えるでしょう。

謎多き酵母エキスは大丈夫

現代人の口の中に入る物は、添加物なしの物を食べる方が珍しいと言えるほどに変わりました。情報量の多さや、耳に馴染まない成分の名前など、後から次々に覚えていくのは大変なことですが、敏感になりすぎて美味しいものを美味しく感じられないのが一番悲しい状態です。

謎が多い酵母エキスですが、正体は私達が昔から食べ慣れてきた醤油や味噌といったものにも含まれているため、過敏になり過ぎず上手な付き合い方をしていきたいものですね。

たんぱく加水分解物

たんぱく加水分解物ってご存知ですか?なんだか化学の教科書に出てくる化学物質みたいな名称ですが実はこれ、加工食品にコクやうま味を加える調味料なんです。今回はたんぱく加水分解物について調べました。人体への危険性は?また気になる発がん性についても同時にしらべたみました。

たんぱく加水分解物はうま味の化学調味料

たんぱく加水分解物とはたくさんのアミノ酸を主成分とした、加工食品にうま味やコクをつける化学調味料です。うま味を加える化学調味料として利用されているのですが、法律上では食品添加物ではなく「食品」として分類されています。そのわけは加水分解という製造加工によって作られているので食品として分類されるそうです。アミノ酸液のほかに、植物性たんぱく質や動物性たんぱく質を酸や酵素で加水分解して作られた生成物の総称をたんぱく加水分解物と言います。

加水分解とは

化学的に説明すると反応物となるものに水が反応して分解されて生成物が得られる反応のことです。たんぱく加水分解物に置き換えて加水分解を説明すると、原料となる動植物のたんぱく質をアミノ酸に分解する方法を加水分解と言います。

タンパク質を加水分解する方法は以下の2種類の方法があります。

  • 微生物を培養して作った酵素で分解
  • 濃い塩酸を使って分解

たんぱく質の正体

そもそもタンパク質はアミノ酸の構成成分です。アミノ酸同士が脱水し結合して形成された物質であるペプチドは、2~50程度のアミノ酸が結合した物質で、アミノ酸の数によってジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチドなどと呼ばれるものがあります。

この中でタンパク質はポリペプチド=polypeptideといいます。このpolyはギリシャ語で「複数の、たくさんの」という意味があります。タンパク質はペプチドの中でも、食品にうま味をくわえる成分の素であるアミノ酸がたくさん結合している物質になります。

食品への表示

たんぱく加水分解物は加工食品にうま味を加える目的で利用されます。加工食品の製造過程で失う風味を補ったり、一般的に好まれる味に仕上げるために、素材の持ち味だけではなくうま味を補う必要があるため、たんぱく加水分解物が利用されます。もちろん加工食品にはたんぱく加水分解物のほかにグルタミン酸ナトリウムなどの調味料や肉などのエキスも添加されています。

添加物であるグルタミン酸ナトリウムなどの調味料は、厚生労働省によって使用した調味料についての食品の表示の仕方に厳密な決まりがあり、各メーカーはその原則に従って使用した添加物等を食品の表示に明記しなければなりません。ところがたんぱく加水分解物はうま味を出す目的で加工食品に添加されますが、法律上は添加物ではなく「食品」として分類されているので、表示の仕方に決まりがありません。

ただし食品表示法を考案している消費者庁や食品の表示の内容を取り決めている厚生労働省、保健所などにたんぱく加水分解物の表示の仕方について問い合わせたところ、「食品の表示に関して、使用したものは明記しなければならないと製造者側には指示は出していて、たんぱく加水分解物についても、添加物のような取り決めはないけれど、使っているのに何も表示しなくてもいいというわけではなく、食品に使用したのであれば何らかの形で表示しなければならない」と製造者側には国の機関から指示をだしているという回答をもらいました。

たとえば世田谷区の保健所からは「たんぱく加水分解物」と表示しなくとも、もとになる加水分解の反応物質を記載する、もしくは「たんぱく加水分解物(○○由来)」または「たんぱく加水分解物」などというように、たんぱく加水分解物をその食品に使ったのであれば、その表記をするようにメーカー側に指示しているそうです。また加水分解の反応物が厚生労働省の定めるアレルゲンの特定原材料であるならば、その材料はもともと表示する義務があるので、その物質名が表示されなければならない決まりになっています。

ただ食品の表示を決める消費者庁からは、「たんぱく加水分解物は加水分解の段階で不純物が含まれていることも多いので、たんぱく加水分解物の表示の仕方は、加水分解後の成分などの関係から、消費者庁および厚生労働省としては使用してあるものは明記するように指示はしているけれど、表示の仕方は製造したメーカーに任せるしかない」と回答されました。

発がん性や危険性

濃い塩酸などを使い、酸を加えて加水分解のする場合の原料は、動物のくず肉などの動物性のタンパク質や脱脂加工大豆(大豆油のカス)や小麦グルテンなどの植物性タンパク質を原料にしてたんぱく加水分解物を作ります。

たとえば牛肉にはたくさんのアミノ酸が結合したタンパク質が含まれていますが、同時に多糖類や核酸、脂肪などの成分も含まれており、加水分解の対象となる原料で含まれる物質にも大きく違いがでてしまいます。この時一緒に生成されてできてしまう化学物質に発がん性の心配がもたれ、人体へ悪影響をもたらすのではないかと懸念されています。

心配される化学物質はクロロプロパノール類と言われている化学物質ですが、農林水産省ではこのクロロプロパノール類は製造工程の副産物として生成され、長期間毎日大量に摂取すると健康に悪影響を生じる可能性があるので、食品にたんぱく加水物を高濃度加えるのは好ましくないと報告しています。

クロロプロパノール類には以下の4種類があります。

  • 3-クロロプロパン-1
  • 1-ジクロロ-2-プロパノール(1-DCP)
  • 3-ジクロロ-2-プロパノール(3-DCP)
  • 2-ジオール(3-MCPD)

どれも工業分野で利用されている化学物質ですが、1970年代後半に主に醤油などの調味料の原材料に用いられ、大豆油を搾ったカスの脱脂加工大豆などの植物原料由来のたんぱく加水分解物であるアミノ酸液の中に発がん性が疑われる2-ジオール(3-MCPD)が含まれていることが明らかになりました。

このアミノ酸液を利用している関連の製造業者ではクロロプロパノール類の低減の取組みを行ったり、農林水産省でも実態調査や化学的なデータをもとに業界への指導を行うなどクロロプロパノールの使用低減の対策が行われました。

クロロプロパノール類の国内外の危険性の評価

クロロプロパノール類の中の3-MCPDおよび1,3-DCPについて、ラットを使った発がん性の試験が行われています。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)からの評価は3-MCPDにおいてはあらゆる見地から見て、人が一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響が出ないと推定される暫定最大1日耐容摂取量を2ug/kg体重/日にする勧告をだしました。1,3-DCPについては動物での発がん性は認められたものの人間が普通に摂取する量を考えると人間への健康への悪影響は低いと結論を出しています。

3-MCPDや1,3-DCPは意図的に食品に添加された添加物ではなく、加水分解によって添加された物質であり、その毒性の評価に必要なデータを完全に手にすることができないこと、そのためデータ不足で評価が不十分であること、ゆえにデータが得られるまで一時的に計算して、摂取し続けても健康に害のない1日の摂取量を「暫定最大1日耐容摂取量」としています。たんぱく加水分解物の発がん性が心配されるクロロプロパノール類については資料が少ない分、JECFAでは、その安全性の評価は現在もとどまらず行っているところです。

一方、国際がん研究機関(IARC)は、JECFAから3-MCPDが人体には危険性はないとの報告された後に得られた最新のデータをもとに、2012年に3-MCPDについて発がん性を評価した結果では、「3-MCPDについては、ヒトの発がん性に関する証拠はないものの、動物試験の結果では発がん性について十分な証拠があるため、ヒトに対しても発がん性があるかもしれない」という報告がなされたのも事実です。

アレルギーの危険性

たんぱく加水分解物のアレルギーへの心配については、原料を加水分解するときに使用する酵素が、主に培養した微生物であるため、不純物が含まれていることでアレルギーが起こる危険性も考えられると言われています。

精製された純粋な酵素であるなら問題はありませんが、酵素に含まれている不純物が、人によってはアレルギーを引き起こしてしまうこともありうるという心配がされています。

さいごに

たんぱく加水分解物とは加工食品にうま味やコクを加える化学調味料です。酵素や酸を使って動植物由来の反応物に水が反応して得られたアミノ酸をたくさん含んだ生成物です。加工食品にうま味を加える添加物ですが、添加物の調味料としてではなく「食品」に分類されています。そのため食品の表示に関しては厳しい取り決めがありませんが、消費者庁や厚生労働省からは、製造者には「添加した食品はすべて表示に明記する」ようにとは指示を出しているそうです。

気になるたんぱく加水分解物の発がん性へ危険性については賛否両論の意見のある中で、人間がたんぱく加水分解物の添加されている食品を食べたから発がんしたという報告は実際にはありません。しかし動物では発がん性があること、安全性のデータが少ないので一生涯人が摂取しても危険はない1日の摂取量については暫定的な数値しか上がっていないこと、また表示についても原則がなく企業任せという点であることで、果たして本当に安心な表示がなされているのかと不安になる点などから、大きな心配が残る化学調味料です。たんぱく加水分解物!食品表示にこの文字を目にしたら、それはうま味を加えるための食品であることは知識に加え、今後の安全性の報告にも目を配っていきましょう。

アスパラギン酸

アスパラギン酸とは、アスパラガスから発見された物質で、とても嬉しい効果や効能をもったアミノ酸です。
健康にも美容にもいいので、ぜひ積極的に取り入れたいところなのですが、実は、アスパラギン酸にはちょっとした注意点もある様子。
では、アスパラギン酸にはどんなありがたい効果・効能があって、それを得るためにはどこに気をつければいいのでしょうか。

アスパラギン酸とは

アスパラギン酸とは、体内にあるアスパラギン酸アミノフェラーゼという酵素によって生成されるアミノ酸です。体内で作り出すことができるため、非必須アミノ酸です。
ちなみに、このアスパラギン酸にアンモニア、アデノイド三リン酸にアスパラ銀合成酵素がはたらくとアスパラギンになりますし、逆に、アスパラギンに酵素がはたらけばアスパラギン酸になります。

また、アスパラギン酸は、食品添加物として加工食品にもちいられることもあります。

アスパラギン酸のはたらき

アスパラギン酸はカリウムやマグネシウム、カルシウムといったミネラルを体中に運びます。
また、たんぱく質を作ったり、アンモニアを排出したり、スタミナを増したりするはたらきももっています。

さらに、アスパラギン酸は中枢神経系の興奮性神経伝達物質でもあるので、記憶や学習に関わるNMDA受容体にも作用しているのです。
このNMDA受容体は、大脳皮質や小脳、脊髄など、体内のさまざまなところに存在します。

食品添加物としてのはたらき

アスパラギン酸は、グルタミン酸と同じうま味成分でもあるため、食品添加物としても使われます。
アスパラギン酸のうま味成分はアミノ酸系の酸味で、醤油や味噌など発酵食品のうま味と同じ。ちなみに、昆布のうま味成分の一つもこのアスパラギン酸です。

アスパラギン酸はそのままでは水にとけにくいので、ナトリウムと結合させ、アスパラギン酸ナトリウムとして使われます。食品添加物として認可(指定)されているアスパラギン酸はL-アスパラギン酸ナトリウムです。
主要な用途は調味料ですが、アスパラギンを補うための強化剤としても使用されます。

なおアスパラギン酸ナトリウムと似た名前でアスパラギン酸カリウムという物質があります。
こちらは食品添加物としては使用できません。用途としては医薬品として使用されます。

アスパラギン酸を多く含む食品とは

アスパラギン酸は枝豆やそら豆、もやしのような豆類、サトウキビ、レンコンやアスパラガスなどの野菜類、牛肉、鶏肉などに多く含まれています。
ただし、アスパラガスから発見された成分なのでアスパラギン酸という名前が付いていますが、アスパラガスにとくに多く含まれているというわけではありません。

アスパラギン酸はこんなところにも

アスパラギン酸は食品のほか、化粧水や乳液、美容液などの基礎化粧品、保湿クリームや肌荒れケアクリームなどのスキンケア用品、リンスやトリートメントなどのヘアケア用品にも使われています。

アスパラギン酸の効果・効能とは

デトックス効果で肝臓を守る

アスパラギン酸には利尿作用があるので、体内の毒素を排出するデトックス効果が見込めます。
また、アンモニアは肝臓に負担をかけたり、中枢神経系にダメージを与えたりするのですが、尿として排出することでそういった危険性からも回避できます。

皆さんもご存知のように利尿作用とはアンモニアを体外に排出する作用です。

アンモニアが体内から排出されないと血液中に残ってしまい脳やせき髄にある神経細胞が集まっている中枢神経系にダメージを与えてしまいます。そのダメージの一つに肝臓に負担がかかり肝臓の働きに悪影響をきたしてしまうことがあるのです。

アスパラギン酸は体内の毒素であるアンモニアを素早く無毒化して対外に出すことができる作用があり、肝機能を保護してくれる効果があります。

また脳への神経細胞との情報伝達物質のアミノ酸として作用することから、ストレスを和らげてくれる効果が期待されています。また中枢神経にダメージを受けると、脳梗塞や脳出血が心配されますが、その予防にも効果が期待されています。

疲労を回復して体調を整える

私たちは、乳酸がたまることで疲労を感じます。アスパラギン酸には乳酸を分解してエネルギーに変える力があるので、疲労回復につながるのです。

また、病気になったり、ストレスが溜まったりすると、体内のエネルギーが消費され、ビタミンやミネラルが不足してしまいます。
これによりますます体調が悪くなってしまうのですが、アスパラギン酸はカリウムやマグネシウムなど、足りなくなった栄養分を体中にはこんで体調を整えてくれるのです。

乳酸を分解して疲労回復に効果的であるという面に関してもう少し詳しい仕組みを話すと、アスパラギン酸の作用は、体内で糖と脂肪とアミノ酸がうまく変化していく過程に作用して、疲労の原因となる乳酸を分解してエネルギーを産出するため、疲労回復に効果があると言われているのです。

これはタンパク質の代謝と体内の糖の代謝に作用する効能があるからです。アスパラギン酸はタンパク質の代謝に良く作用し、エネルギーを作る物質を作る効果があるのです。

体内で糖(グルコース、ブドウ糖と呼ばれるもの)が不足するとエネルギーが作られません。しかし糖を作り出す代謝経路にアスパラギン酸が働きかけてくれるのです。

たとえば激しい運動の後には体力を消耗しますが、これは糖が不足したことが原因で感じるのであり、この疲労感に有利に働きかけてくれるのがアスパラギン酸なのです。

肌の調子を整えて美肌をつくる

アスパラギン酸には保湿効果があるため、しっとりした、なめらかな肌を作ってくれます。
また、アスパラギン酸はタンパク質を作り出す成分の一つなので、肌の新陳代謝を高めるはたらきもあります。

肌の新陳代謝にも効果的なアスパラギン酸は美肌への効果が期待され女性にはうれしい作用があります。アスパラギン酸は保湿効果が優れているので角質の水分を保護してくれる効果があると言われます。

またタンパク質の合成に関りを持つ成分なので、肌の新陳代謝を高める効果があり、美肌作りに効果が期待されています。

肌のたるみを予防し、ハリを持たせると言われるコラーゲンのアミノ酸組織にもアスパラギン酸がたくさん含まれています。アスパラギン酸をたくさん含んでいるコラーゲンは、肌のたるみを予防するだけではなく、髪や爪にも良いといわれ、アスパラギン酸は女性の美容はうれしい効果がたくさん期待されている成分なのです。

その他のアスパラギン酸の効果

疲労を回復してくれる項目で少し触れましたが、アスパラギン酸はカリウムやマグネシウムなどの栄養素であるミネラルの不足を細胞に運ぶ働きがあり、崩れた栄養バランスを整え、体調を整える効果があると言われます。

そしてこの効果についてもう少し詳しく見てもると、アスパラギン酸は体内の体液のバランスを整える作用があるのです。これはたとえばストレスが多かったり病気にかかって体内のビタミンやミネラルがたくさん消費されてしまうと、体液のバランスが崩れてしまい、先ほど話したカリウムやマグネシウムなどの栄養素も不足し体長不良に陥ってしまいます。その時アスパラギン酸は、必要な栄養素などを細胞に運ぶ作用があり、崩れた栄養バランスを整えて体調を整えてくれる効果に期待されているのです。

体内の体液というのは体の50~70%は水分でできていています。このうちの約2/3(体重の約30~40%)が細胞内液、そして1/3(体重の約20%)が細胞外液と言われるものです。

細胞内液は細胞膜を介して物質交換をし、細胞外液は体内を体の中を循環して酸素や栄養素を受け取り、体内の老廃物を体外に排出すること働きをしています。

体がストレスのたまった状態であったり病気であるとミネラルやビタミンなどの栄養素がどんどん消費されてしまい、この体液の循環のバランスがくずれてしまいます。乱れた体液の働きに手助けして細胞にカリウムやマグネシウムなどのミネラルやビタミンなどの栄養素を細胞に運び体調を整える効果があると言われています。

アスパラギン酸の注意点

アスパラギン酸単体での摂取は避ける

アスパラギン酸を単体で摂取すると、脳神経を過剰に刺激して細胞を壊してしまうことが指摘されています。
ちなみに、アスパラギン酸とフェニルアラニンという物質を組み合わせたアスパルテームという甘味料がありますが、このアスパルテームは私たちの身体にとって有害であるという報告がなされています。
砂糖の200倍もの甘みがあるということで、さまざまなお菓子やジュースに使われているアスパルテームですが、摂り過ぎにはじゅうぶん注意しましょう。

アスパラギン酸は加熱しない

アスパラギン酸は熱に弱いため、加熱しすぎるとせっかくの成分が壊れてしまいます。
健康や美容にいかすためにも、できれば非加熱、加熱するとしても短時間にとどめておきましょう。

アスパラギン酸ナトリウムの使用基準

食品添加物のL-アスパラギン酸ナトリウムの使用基準は定められていません。対象の食品も使用量の最大限度も使用制限も定められていません。

アスパラギン酸は食品から摂取

食品添加物として加工食品にもちいられているL-アスパラギン酸ナトリウムですが、これは、アスパラギン酸を含む食品から抽出、精製したものです。
もともと食品に含まれているものだから安心だといえばそうなのですが、やはり、精製されたものはそれだけ刺激が強いといえます。健康や美容にいいアスパラギン酸ですから、積極的に摂りたい成分ではありますが、できれば豆類などそれを含む食品から摂取したいものです。

有機酸

有機酸は様々な酸の総称ですが、ヒトには比較的安全であるものが多く、むしろ摂取すると健康に良いとされるものもあります。有機酸は、それぞれの酸の性質を生かした調味料や様々な加工食品や飲料に添加されています。

有機酸とは

有機酸とは、有機化合物の総称のことで、その多くはカルボン酸とされています。果実に多く含まれているとされ、腸内細菌を整えたり、悪玉菌の発生を抑制したりする働きがあることでも知られています。

有機酸は一般的には弱酸性であり、水には溶けないものとされていますが、ギ酸や酢酸のように溶けやすいものもあります。これに対して有機溶媒にはよく溶けるとされています。有機酸はクエン酸や乳酸など、自然界に存在するものも多くあり、一般的には無機酸に比べると安全と言われています。

有機酸の種類

有機酸には様々な種類の酸があります。中には果実に多く含まれているとされているものもあり、腸内細菌を整えたり、悪玉菌の発生を抑制したりする働きがあることでも知られています。そのため、食品添加物としても使用されているものも多くあります。

調味料の目的で使用されている有機酸のうち、法令で「調味料(有機酸)」の一括表示がな許されているものは16種類であり、それらはすべて合成添加物です。具体的には以下のとおりです。

  • クエン酸カルシウム
  • クエン酸三ナトリウム
  • グルコン酸カリウム
  • グルコン酸ナトリウム
  • コハク酸
  • コハク酸一ナトリウム
  • コハク酸二ナトリウム
  • 酢酸ナトリウム
  • DL−酒石酸水素カリウム
  • DL−酒石酸ナトリウム
  • L−酒石酸水素カリウム
  • L−酒石酸ナトリウム
  • 乳酸カルシウム
  • 乳酸ナトリウム
  • フマル酸一ナトリウム
  • DL−リンゴ酸ナトリウム

中でもコハク酸ナトリウムは代表的な有機酸系化学調味料であり、マレイン酸を還元して得られ、貝類特有のうま味成分があります。ちなみにコハク酸は、貝類をはじめ多くの動植物にも含まれている物質です。また、クエン酸はレモンなどの柑橘類、梅干しに多く含有されており、爽やかな酸味があることで知られています。

使用されている食品は

有機酸は、調味料として使用される以外にも酸味料としての用途もあります。例えば、麺類、菓子パン、マヨネーズ、漬物、佃煮、アイスクリーム、キャンディなどが挙げられます。

有機酸のうち、独特の酸味やうま味のあるコハク酸を使用している食品例として、醤油や味噌、清酒などの調味料、インスタントラーメン、ハムやソーセージなどが挙げられます。また、フマル酸は酸味が強いため、ジュースやサイダーなどに使用されています。酒石酸は清涼飲料水や菓子類、パンなどに使用されています。その他、牛乳やワインなどの飲料、加工食品のpH調節、味の調整など非常に多くの食品に使用されています。

グリシン

グリシンという言葉は聞いたことがあるでしょうか。恐らく多くの人にはあまり馴染みのないものかもしれません。しかし、このグリシンは意外にも私たちの暮らしに関わる様々な用途に使われているのです。

グリシンとは

グリシンとは、アミノ酸の一つであり、私たちの体内で合成できる物質です。グリシンは、従来から睡眠改善に役立つとされており、サプリも販売されています。また、食べ物から摂取することもでき、エビやホタテ、牛スジや鶏の軟骨などに多く含まれているとされています。

グリシンは、1800年代に欧州で発見されましたが、その効能とされている睡眠改善効果については21世紀に入ってから、偶然発見されたために研究がなされるようになったと言われています。

グリシンは、美肌をつくるのに欠かせないコラーゲンを構成する約3分の1のアミノ酸であり、保湿効果や身体に有毒な活性酸素の生成を防止する役割もあるとされています。女性にとっては摂取することで嬉しい効果の多い物質と言えるかもしれません。

食品添加物としての用途や効果

グリシンは、元々私たちの体内でも生成されていることから、比較的安全性の高い物質と言えます。

食品添加物としてグリシンは調味料としての役割、栄養強化としての役割があります。国が定めた使用目的とは異なりますが、保存料、着色料や香料としての効果も併せ持ちます。またミネラルなどの吸収を促進するキレート作用の利用など、様々な用途に利用されています。グリシンそのものに自然な甘味や旨味があることから、食品添加物には使用されやすいようです。

その他にもグリシンは、実に様々な用途に利用されている物質です。例えば、栄養補助として点滴をする場合に利用されたり、胃酸の濃度を抑制する際に使用されたりする医薬品としての役割が挙げられます。また、工業製品の研磨剤や洗浄剤、さらに農業用肥料やペットフードなどにも用いられていることもあります。

グリシンを使用することで得られる効果としては、睡眠改善効果や美肌効果に加え、抗うつ効果があると言われています。グリシンは、脳内伝達物質であるセロトニンの増加を促すため、それが不足することによって起きると言われているうつの症状に効果があるとされているのです。

基準となる摂取量や副作用

グリシンは適切な量を摂取するのであれば、私たちの健康に影響を与えるものではないとされています。一日摂取量の目安としては3000ミリグラムと言われています。

グリシンは私たちの体内でも生成されるため、あまり大量に摂る必要はないのですが、睡眠不足に悩まされている人などにはこの位が適量とされているようです。

比較的安全性が高いと言われているグリシンですが、過剰摂取すると胃腸の不調や呼吸筋の麻痺などの症状が起きる可能性があるとされているので注意が必要です。特に、妊娠中や授乳育児中の女性については、安全性の確認は未だされていないことから、控えた方が良いとされています。また、統合失調症の人で薬を内服している人は、その薬との相性が良くない可能性があることが指摘されているので、摂取しない方が良いでしょう。

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