アルギン酸ナトリウムとは、アルギン酸をナトリウム化させた物質のことです。
そのまんまですね。
アルギン酸は昆布やワカメなどに含まれるネバネバした物質で多糖類に属しますが同じ多糖類でもデンプンとはまったく異質のものです。
アルギン酸ナトリウムとは
アルギン酸は水やアルコールに溶けませんが、アルギン酸ナトリウムは冷水、熱水ともによく溶け、また気になる匂いもしないため料理に使用しとろみをつけることが出来るんです。
しかしこれは、家庭料理で使われるのでなく一般的な用途は増粘剤や安定剤、ゲル化剤としてお店で売っているゼリーやアイスクリームなどに添加されています。フルーツが乗ったケーキに照りを出すための上掛け(ナパージュ)に使われている場合もあります。
また中華麺(ラーメン)を作る際小麦粉に1%ほど加えることで、麺の食感が良くなり伸びにくくなるということで品質改良剤としても使用されることもあります。
塩化カルシウムをプラスする
アルギン酸ナトリウムにリン酸塩を添加すると“ゆっくりとゲル化”するのに対し、クエン酸などを加えると“早くゲル化”します。
この特性を生かしてアルギン酸ナトリウムを溶かした水溶液にカルシウム塩(塩化させたカルシウム)を加えて魚卵などのイミテーション食品(人工イクラなど)を作ることができます。
今は、おもちゃみたいな料理セットなどに使われて人気も高まっています。
カルシウム塩の溶液にイクラの味や香り、色を付けて、アルギン酸ナトリウム溶液にポタポタと垂らすと接した表面のみがゲル化して人工イクラができるというわけです。
ただし、塩化カルシウムは豆腐凝固剤として食品に使用される添加物でもありますが、融雪剤、除湿剤にも使用される危険物なのもあるんです。
アルギン酸は子供用の知育菓子にも使われていたり、昆布ダシとして長く使われているため安全といえます。
薬局でも扱える
アルギン酸ナトリウムは、インターネット通販や実験用品を扱うショップのほか、薬局などでも購入することができます。
イクラを作る実験がテレビ番組などで取り上げられたこともあり、夏休みや冬休みの自由研究として利用する子どもや、大人でも興味を持つ人が増えたようです。価格は50gで800円程度です。
また、塩化カルシウムも同じく購入することが可能です。
アルギン酸ナトリウムは化粧品や医薬品の胃粘膜保護用剤としても使用されているだけでなく、ラットによる実験では血糖上昇抑制効果が認められたとの報告もあります。
また、天然の海藻類から得られるアルギン酸ナトリウムには、遺伝子組み換えや残留農薬などの心配もありません。
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