食品添加物23 “かび”の繁殖を防ぐ 防カビ剤(防ばい剤)

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食品添加物

防かび剤(防ばい剤)とは、オレンジやレモンなどの「柑橘類」、バナナ、ブドウなどの「果物類」に付着した“かび”の繁殖を防ぐために使用します。特に輸入食品は船舶等での長期間の輸送に備えるため使用が顕著です。

防かび剤は柑橘類、果物類の収穫後に使用し、腐敗、変質防止を目的としているため、食品衛生法では「農薬」でなく、「食品添加物」として使用が認められています。

一方、「農薬」とは殺虫剤や殺菌剤など、農作物に被害を与える生物などを防除するため収穫前に使用する薬剤のことです。一般的に「食品添加物」に比べ「農薬」は毒性がはげしく、食品衛生法の残留基準も厳しく制限されています。

防かび剤の今昔

防かび剤は、古くは昭和46年にジフェニルが、続いて昭和52~53年にオルトフェニルフェノールとそのナトリウム塩やチアベンダゾールが食品添加物として認められました。このように、50年近くにわたり使用を続けたためか、最近、これらの防かび剤を高濃度で使用しても薬効がない、すなわち“かび”が発生してしまう事例があるようです。これは、薬剤に対する耐性菌が選択されたとの報告があります。また、“かび”の種類も多岐にわたるため、単独の薬剤では十分な防除効果がなくなりつつあることが伺えます。

食品衛生法においても法改正があり、今まで農薬として登録していた薬剤を食品添加物として使用することを許可しています。具体的には平成23年にフルジオキソニルが「柑橘類」に限らず「キウイ」や「もも」などに、平成25年にアゾキシストロビンが「柑橘類」に、ピリメタニルが「もも」や「りんご」に食品添加物としての使用が認められました。現在、プロピコナゾールが「柑橘類」や「おうとう」などに食品添加物として使用できるよう薬事・食品衛生審議会で審議中です。

食品衛生法おける使用基準は表1のとおりです。

防かび剤の複数使用例

薬剤の複数使用の1例として緑かび病に対する使用例があります。緑かび病にはプロピコナゾールが防除の目的として有用ですが、イマザリル耐性菌に対してはプロピコナゾール単独では十分な防除効果が得られず、フルジオキソニルを混用することにより、防除効果があるようです。このように、防かび剤は単品でなく複数で使用することが増えているようです。輸入者、販売者は、これらを踏まえた防かび剤の適正な管理が必要です。

果物の輸入量

我が国に輸入される柑橘類、果物類はバナナが圧倒的に多く、続いて、「パイナップル」、「オレンジ」、「キウイ」と続きます。「アボカド」、「キウイ」、「ブドウ」は輸入量が増加傾向ですが、「バナナ」、「柑橘類」は横ばいです。

主な果物の輸入量を表2に示します。

硝酸カリウム、硝酸ナトリウム

硝酸カリウムや硝酸ナトリウムは、工業や農業などの産業分野で利用される他、食品添加物としても使用されることがある天然でも存在する化合物です。食品に使用される場合、人体への影響はないのか気になる情報を調べてみました。

硝酸カリウム、硝酸ナトリウムとは

硝酸カリウムは、無色結晶の形状をしており、別名で硝石とも呼ばれており、天然で存在している物質です。強い酸性を示し、少しひんやりとして塩味がする他、防腐性があるという特徴があります。また、炎色反応でピンク色を呈することでも知られています。

また、硝酸ナトリウムも無色結晶の形状で、南米の太平洋沿岸で産出され、別名でチリ硝石と呼ばれています。水やアルコールに溶ける性質もあり、水に溶かすと中性を示すことでも知られています。
また、硝酸カリウムは工業的には、硝酸ナトリウムと塩化カリウムを反応させて作られているとされています。

用途や使用されている食品

硝酸カリウムは、食品添加物の他に肥料や発炎筒、花火などの発火剤、強化ガラス、医薬品、太陽光発電などの蓄熱媒体など多くの用途に使用されています。また、歯の研磨剤として使用されることもあります。

一方、硝酸ナトリウムはマッチやタバコの原料、爆薬、ガラスや陶器などに使われています。なお、硝酸ナトリウムは元々ほうれん草や白菜などの葉野菜に含まれていることがわかっています。さらに、これらを口にした際に、亜硝酸ナトリウムという物質に変わり、発がん性のあるニトロソアミンという物質になる可能性もあると言われています。

食品添加物としては、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムはいずれも、日本では昭和32年に認可されました。両者とも食肉製品の発色剤や防腐剤として使われていることがあり、その使用量にも制限があります。

硝酸塩は食肉や魚肉、魚卵などに含まれるアミンと反応するとニトロソアミンに変わることがわかっているため、現在は使用が減少しつつあります。その他の食品への用途としては、発酵調整剤として硝酸カリウムはチーズ、硝酸ナトリウムは清酒のみに使用が可能となっています。

危険性はあるのか

硝酸カリウムは、砂糖などの糖類と混合することで発煙する危険性のある物質です。ただし、硝酸カリウムそのものは、巷で容易に入手できるものではないので、発煙を伴う恐れのあるほどの量を普段扱うことは考えにくいので、特に気にする必要はないかもしれません。

それよりも硝酸塩類は、中毒を起こしやすいという性質や、ヒトの体内に取り込まれると発がん性のある物質に変わって吸収される毒性のある物質であるということが知っておいたほうが良いでしょう。食品添加物としては、ハムやソーセージ類に使用されるケースがありますので、気になる場合には「無添加」や「無塩せき」と表示されたものを選ぶと良いでしょう。

ナタマイシン

ナタマイシンとは、日本ではチーズの表面処理剤としてのみ使用が認められている食品添加物です。ただ、ナタマイシンは抗生物質であるという側面や過剰摂取によって体調不良を起こす可能性のある物質でもあります。

ナタマイシンとは

ナタマイシンとは抗真菌性物質であり、別名でピマリシンとも呼ばれています。

放線菌という微生物が元になっており、医薬品としての用途もある抗生物質でありながら、耐性菌などの恐れの少ないものとされているため、食品添加物としての用途があります。

ただ、EUでは食品への使用が認められているものの、ナタマイシンが抗生物質であるという側面から、表面保存剤として特定のチーズやドライソーセージのみに限定的に使用を認めている状況です。また、アメリカでは肉への使用が禁止されていますが、諸外国では使用しているケースも多くあるようです。

国の食品安全委員会によると、ナタマイシンの抗生物質であるという側面は気にしなくて良いという見解が出ているようですが、今後TPPにより諸外国からナタマイシンが使用されている輸入品が入ってくるとなると、あまり安心はできない気がします。

チーズに使用する目的

ナタマイシンは、日本では2005年に食品添加物としての使用が認可されています。ただし、食品衛生法による使用基準が設定されており、使用が認められているのはナチュラルチーズのハード及びセミハードの表面部分のみであり、使用量も0.020g/kg未満とされています。

ナタマイシンは、チーズ表面に発生するカビを抑制するための表面処理剤としての用途しか認められていない物質ということになります。ナタマイシンは、保存料として使用されるソルビン酸やと異なり、浸透性が小さく表面に残存することができるので、表面にカビが生えやすいチーズには有用ということになります。

ナタマイシンの危険性

ナタマイシンには、急性毒性、催奇形性や変異原性、アレルギー反応、また抗生物質であるという点で気になる、長期にわたる摂取での耐性も蓄積されないという研究報告があるようです。
ただし、繰り返して摂取することで吐き気や嘔吐、食欲不振や下痢などを引き起こす恐れのある危険性のある物質とも言われています。そして、微生物の増殖を抑える力がソルビン酸や安息香酸の数百倍と言われているのです。ナタマイシンには毒性はないとされていますが、強力な活性があるという点が、人体に影響はないのか懸念されるところではあります。

ナタマイシンは、通常食品添加物や医薬品に使用される程度の摂取量であれば、健康に害をもたらさないという見方がされていますが、それを実証する決定的な研究結果は今のところないようです。

イマザリル

イマザリルとは、バナナや柑橘類に添加される防カビ剤のことを言います。使用基準も設定されており、毒性も強いとされる物質ですが、私たち消費者はそのような添加物が使用されている商品を選ぶ際に、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

防カビ剤イマザリルとは

イマザリルとは、化学名をエニルコナゾールと言い、ベルギーに本社を置く製薬会社である、ヤンセンファーマ株式会社の商品名として一般に浸透しています。

イマザリルは、殺菌や殺カビの効果があるため、食品添加物としては防カビ剤の用途で使用されています。 日本では、1992年11月6日に食品添加物に指定されていますが、毒性がある物質であるため、従前には農薬としての使用もはばかられていた経緯があります。
イマザリルは、ジクロルベンゼン誘導体とイミダゾールを反応させて生成することができ、水に比較的溶けやすいと言われています。

イマザリルの毒性

イマザリルには、急性毒性があり、その致死量はわずか20gとされています。また、イマザリルに含まれる不純物によって、肝臓がんや甲状腺腫瘍になる危険性があるようです。

摂取による中毒症状として、吐き気をもよおしたり、眼に入ると発赤や痛みが生じることがあります。動物実験によれば、発がん性は今のところ認められていないようですが、ヒトに対する安全性に関する有効なデータはあまりないのが実情のようです。ポストハーベストとの呼び名のあるイマザリルだけに、直接経口摂取することにはかなりリスキーであると記憶しておいた方が良いでしょう。

使用されている食品と使用基準

イマザリルを食品添加物として使用した場合、店頭で販売する際にはバラ売りであっても、値札や陳列棚などに必ずその旨を分かりやすく表示するように、食品表示法によって定められています。

通常、商品をバラ売りする時にはそのような表示義務はないにもかかわらず、あえて注意を喚起する点がイマザリルの毒性や危険性を暗に示唆しているようにも思われます。

そんなイマザリルには、食品衛生法により使用基準が設定されており、使用が可能とされているのはみかんを除く柑橘類とバナナのみとされています。また、使用量はみかんを除く柑橘類が5ppm以下、バナナが2ppm以下と厳しく制限されています。

ちなみに、イマザリルは果物に散布する農薬としても使用が認められていますが、その残留農薬量もそれぞれ制限が設けられています。ただ、海外から輸入された果物や野菜などには、時にイマザリルなどの防カビ剤が残っていることも割とあるようです。基本的に、イマザリルを除去することは困難であるため、使用が明らかである場合にはそれを選ばないことが望ましいです。

イマザリルの有効性

フルジオキソニルという合成防カビ剤について調べていたら効果試験で対象薬剤としてイマザリルが使用されていたので追記します。

かんきつ類の緑かび病に対する効果

例えば以下のような試験結果が出ています。(試験結果から抜粋して掲載しています。)

作物処理方法防カビ剤の種類結果(病害発生率)
ユーレカレモン水・ワックス混合液に漬ける何もしなかった40%
イマザリル1%
フルジオキソニル4%
バレンシアオレンジ漬ける何もしなかった31%
イマザリル0%
フルジオキソニル7%
バレンシアオレンジ漬ける何もしなかった90%
イマザリル0%
フルジオキソニル8%

これらは緑かび病に対する効果の抜粋ですがイマザリルを使用すると効果的だということがわかります。防カビ剤は使用しないにこしたことはないのでしょうが、食料自給率の低い日本では輸入品に頼らざるを得ないのが実情です。

レモンやオレンジ、グレープフルーツなどの輸入はコンテナ船などの船で運ばれます。収穫直後に出荷されたとしても約2週間は海の上ということになります。何もしなければカビが生えるのは当然だといえます。

亜硝酸ナトリウム

亜硝酸ナトリウムは、昭和32年7月31日に認可された食品添加物です。食品添加物としての用途はハムやソーセージ、イクラやタラコの発色剤として使用されます。一般的に発がん性があるといわれいている物質ですが、今回はどんな危険があるのかを調べてみました。

亜硝酸ナトリウムとは

亜硝酸ナトリウムは別名は亜硝酸ソーダといい一般的に発がん性がある食品添加物とされています。

亜硝酸ナトリウムを豚肉に発色剤として添加してハムやソーセージを作るとキレイなピンク色になります。また原料の肉臭さを消すことや、食中毒の原因として有名なボツリヌス菌の増殖抑制効果もあります。

添加せずにハムやソーセージを作ると、色は熱を加えた肉の色になります。わたしたちはハムやソーセージはキレイなピンク色だと子供のころから認識していますから発色剤を使わずに作られた褐色のハムを作っても売れなくなるのではないでしょうか。

亜硝酸ナトリウムの発がん性

発がん性が疑われる理由

亜硝酸ナトリウムが発がん性がある食品添加物といわれる理由は、亜硝酸ナトリウムと原料の肉などに含まれるアミンという物質が反応して発がん物質に変化するためです。

アミンとは

アミン類は海で獲れた魚や魚の干物、魚卵などに比較的多く含まれている物質です。アミン類は食品が腐敗・発酵する過程で微生物(バクテリア)によって作られます。アミン類は食品中に含まれるアミノ酸が変化してアミンとなります。
アミンには種類があり、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンと呼ばれます。

亜硝酸ナトリウムに発がん性があると言われる理由は第二級アミンと亜硝酸ナトリウムが胃の中で反応するとニトロソアミンという物質が作られるためです。

ニトロソアミンとは

ニトロソアミンは遺伝毒性発がん物質です。
遺伝毒性発がん物質とはがんの原因となる遺伝子の突然変異を起こす物質のことです。

ニトロソアミンが遺伝毒性発がん物質であるということは食品安全員会も認めています。

亜硝酸ナトリウムの安全性

亜硝酸とアミン胃の中で反応するとニトロソアミン(ジメチルニトロソミアン、トリメチルニトロソミアン)という発がん物質が生成されますが、生成される量はほとんど無視しても問題ない程度まで減少しています。

それはヒトががんにならないようADI(一日摂取許容量)や規格、基準が国によって定められているためです。

また食品安全委員会も平成21年に下記のとおりに発表しています。

本物質に関してはFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)において評価が行われており、発がん性については1995年及び2002年の評価において、ヒトの摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠はないとされております。
また、1995年の評価において、「硝酸塩の摂取量は主に野菜に寄与している。しかしながら、野菜を摂取することの利点はよく知られており、硝酸塩の生物学的利用能※において野菜がどのような作用をもっているかは明らかではなく、野菜から摂取する硝酸塩の量を一日摂取許容量と直接比較することや、野菜中の硝酸塩量を限定することは適切でない」と評価されています。
食品由来の亜硝酸イオンによって、ヒトの健康に悪影響を及ぼしているという科学的知見がないことから、添加物として使用される亜硝酸ナトリウムが人の健康に悪影響を与えているという知見は得られていません。

これらが亜硝酸ナトリウムに発がん性があると言われる理由です。亜硝酸ナトリウム自体が発がん物質ということではなく、食品に含まれる物質と反応して発がん物質が作られるということです。

また食品中の成分の化学反応により遺伝毒性発がん物質が生成されるのは亜硝酸ナトリウムだけではありません。
例えば、

・アスパラギンと糖を加熱調理するとアクリルアミドが生成されます。これはポテトチップスやコーヒーに含まれます。
・魚や肉を加熱調理するだけでヘテロサイクリックアミンという発がん物質が生成されます。

亜硝酸ナトリウムの使用基準、残存量の規制

亜硝酸ナトリウムに発がん物質が含まれるのではなく、原料の成分と反応することで発がん物質に変化すると説明しましたが亜硝酸ナトリウム自体が劇物なのも事実です。

そこで食品衛生法では以下のように使用基準が定められています。

使用できる食品は、食肉製品、クジラ肉ベーコン、魚肉ソーセージ、魚肉ハム、いくら、すじこ、たらこです。

 ・食肉製品、クジラ肉ベーコンには最大残存量として70ppm
 ・魚肉ソーセージ、魚肉ハムには最大残存量として50ppm
 ・いくら、すじこ、たらこには最大残存量として5ppm

ppmは100万分のいくつであるかという割合を示しています。70ppmということは1kgに対し0.070g、5ppmは1kgに対し0.0050gになります。

硝酸を含む肥料を使った野菜には数十から数百ppmの亜硝酸が含まれているのでハムやソーセージに残存している亜硝酸ナトリウムの量がいかに安全かはお分かりいただけると思います。

ちなみに食品に添加する量の規制はなく自由に使用することができますが、残存量の基準は厳しく設定されています。

亜硝酸ナトリウムの危険性

確かに亜硝酸ナトリウムは毒物及び劇物取締法で劇物に指定されています。しかし人間の唾液にはたくさんの亜硝酸イオン(NO2)が含まれていて、ハムなどから摂取する亜硝酸イオン(NO2)を1とするならば唾液から摂取する亜硝酸イオン(NO2)は150にもなるといわれています。

その他、キャベツや白菜、大根などの野菜にも亜硝酸イオン(NO2)は含まれています。特に硝酸を含む肥料を使った野菜に多く含まれます。

亜硝酸ナトリウムは危険か

食品に添加されている亜硝酸ナトリウムだけを考えれば、それは危険といえます。
しかしわたしたちの体の仕組みを含めて考えるとそこまで危険とはいえないのではないでしょうか。

亜硝酸ナトリウムとアミンが反応してできる発がん物質以外にも家庭での調理過程でも発がん物質は生成されます。家庭での調理では規格や基準を決めたり、守ったりすることは困難ですので、心配な方はできるだけ原因につながりそうな食品を控えるしかありません。

安息香酸ナトリウム(安息香酸Na)

安息香酸ナトリウムは菌やカビ、微生物の繁殖を抑える効果があるため、シャンプーや化粧品などに防腐剤として配合されるだけでなく、清涼飲料水や一部の食品に保存料として使用されています。

安息香酸ナトリウムとは

安息香酸ナトリウム(略して安息香酸Na、英語ではSodium benzoate)は、安息香酸(英語ではBenzoic asid)にナトリウムを結合させたもので、エゴノキ科アンソクコウウキの樹脂に成分が含まれていますが、現在は化学物質で合成されています。

カビや酵母に効果があるため、保存料として使用されます。安息香酸は水に溶けにくいため水溶性の安息香酸ナトリウムがよく用いられます。水に溶けやすい安息香酸ナトリウムはシャンプーや化粧品などに配合されており、微生物の繁殖を抑え、品質を保持するための防腐剤として使用されています。

食品添加物としての用途

食品や飲料には1948年に厚生労働省より食品添加物に指定されました。安息香酸ナトリウムには、細菌やカビの繁殖を抑制し阻止する抗菌作用や静菌作用があるため、保存料として清涼飲料水などが腐るのを防ぐために使用されています。

毒性や危険性の問題

安息香酸ナトリウムは食品添加物の中でも危険な物質と言えます。
安息香酸ナトリウムとビタミンCが結合すると危険物質であるベンゼンが生成されます。

ベンゼンの急性中毒症状として嘔吐や頭痛、運動失調など重症になると意識障害や死亡に至る場合もあり、発ガン性や白血病のリスクを高め、体内に入ると外になかなか排泄されないという特徴があります。2006年にイギリスの清涼飲料水に安息香酸ナトリウムと酸化防止剤としてビタミンCが使用されており、この2つが化学反応を起こしベンゼンが生成されていました。

現在日本では、ベンゼン含有の安全ラインが定められているため流通はしていませんが、安息香酸ナトリウムが保存料で使用されている清涼飲料水とビタミンCを一緒に摂取した際、体内でベンゼンが発生しないとは言えません。

使用されている食品や使用基準

アメリカやヨーロッパでは幅広く食品に使用が認められていますが、日本国内では安息香酸はマーガリンやキャビア、シロップ、醤油、清涼飲料水のみに使用が認められており、安息香酸ナトリウムは、清涼飲料や菓子の製造に用いる果実ペーストや濃縮果汁にのみ使用が許可されています。また、安息香酸及び安息香酸ナトリウムは対象ごとに使用量が設定されています。

【使用基準】

安息香酸

  • マーガリン:食品1kgあたり1.0g以下
  • キャビア:食品1kgあたり2.5g以下
  • 清涼飲料水:食品1kgあたり0.60以下
  • シロップ:食品1kgあたり0.60以下
  • 醤油:食品1kgあたり0.60以下

安息香酸ナトリウム

  • 果実ペーストや濃縮果汁:食品1kgあたり1.0以下

使用されている化粧品とその毒性

安息香酸ナトリウムはシャンプー、ボディーシャンプー、石鹸、化粧品、香水、練り歯磨き粉、入浴剤などの中に防腐剤の有効成分として使われています。このような商品の成分はカビや細菌が繁殖しやすい成分が多いので品質劣化を防止するために防腐剤を添加しているものが多いのです。

安息香酸ナトリウムが使われている化粧品

安息香酸ナトリウムが防腐剤として化粧品の有効成分として利用されているものは、その商品に成分表示に「安息香酸Na」という名称で記載されています。

現在化粧品(化粧水、保湿クリーム、ファンデーション、マスカラなど)やシャンプー、香水などの商品についてはほとんどのメーカーでその商品に使用する全成分を表示する場合が多く、商品を購入する際は、成分表示に何が防腐剤に使われているか消費者も確認することができます。

たとえば化粧品の大手メーカー資生堂は、化粧水、乳液、保湿クリーム、ファンデーション、口紅、マスカラなどすべての商品において全成分表示しています。その中には安息香酸ナトリウムを防腐剤に利用している商品もあり、その商品には成分表示に「安息香酸Na」と記載されています。

ただしほかにも防腐剤はあるので、この名が記載されていないから防腐剤が入っていないというわけではありません。資生堂の商品の中でも安息香酸Naを防腐剤として安定性をはかっている商品もあれば、違う成分を利用している商品もあります。

ちなみに安息香酸ナトリウムが有効成分として使われている資生堂の商品では、コマーシャルでよく目にするシャンプーの「椿」の中に安息香酸ナトリウムが防腐剤として利用されています。

化粧品に使用した場合の毒性

安息香酸ナトリウムを化粧品の防腐剤の有効成分として使用した場合、化粧品を製造もしくは販売している会社に提供されている多くの資料には、健常な皮膚に対して毒性はほとんどなく、刺激性もないという安全性のデータ報告の資料が届けられています。

その内容の中には健常な皮膚に対してはアレルギーが起こったという報告もされていません。そのため商品を開発するメーカーでは化粧品配合範囲以内で有効成分として使用する限りでは安全性の高い成分だとしています。

このように安息香酸ナトリウムに関する毒性については心配ないという報告が上がっていますが、しかしながら化粧品の使用に関しては、敏感肌であるなど個人によって様々な症状が起こりうる可能性があり、防腐剤に反応を起こしてしまう人もいるため、その選択には個人で注意し自分の肌に合った商品を使用するようにすすめるところです。

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