人は食べた物で創られる 免疫❸

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体の仕組み

免疫

免疫(めんえき)は、細菌(さいきん)やウイルスから、からだを守ってくれている防御(ぼうぎょ)システ厶です。つまり、「疫(えき)」(病気)から「免(めん)」(免(まぬが)れること)で、免疫といいます。私たちが元気に暮らせるのも、免疫のおかげです。

  • 胸腺きょうせん
  • 骨髄(胸骨)こつずい(きょうこつ)
  • 骨髄(腸骨)こつずい(ちょうこつ)
  • リンパ節
  • ひ臓
  • パイエル板

免疫(めんえき)のしくみ

免疫は、からだの外部からの侵入者(しんにゅうしゃ)である抗原(こうげん)〈細菌(さいきん)やウイルスなど〉に対して免疫細胞(さいぼう)などが「自分」と「自分でないもの」を識別(しきべつ)して、からだを守るしくみをいいます。免疫学では、「自分=自己(じこ)」、「自分でないもの=非自己(ひじこ)」と呼んでいます。

【自然免疫】からだの中に細菌やウイルスなどの自分でないものが入ってくると、その侵入者=抗原に対してすぐに対抗する抗体(こうたい)〈自分を守るもの〉をつくり攻撃(こうげき)します。このようにからだが自然に反応する最初の免疫を「自然免疫」といいます。

【獲得(かくとく)免疫】同じ種類の「抗原」が二度目に体内に侵入してくると、すでに記憶(きおく)されている免疫がすぐに反応します。これを「獲得免疫」といいます。これらの「自然免疫」と「獲得免疫」のはたらきをするのが、さまざまな免疫細胞です。免疫細胞は、体内を移動し、抗原を処理しながら、からだを健康な状態に保ってくれています。

免疫細胞(めんえきさいぼう)

免疫細胞が生まれ育つ場所

【骨髄(こつずい)】骨髄では、好中球(こうちゅうきゅう)やマクロファージのほか、リンパ球〈B細胞とT細胞〉、NK細胞、形質(けいしつ)細胞などほぼすべての免疫に関わる細胞が生まれています。

【胸腺(きょうせん)】骨髄から移ってきたT細胞がさらに教育を受けて、たくましく育つ臓器です。胸腺は左右二つからなり、心臓の上にかぶさるように位置しています。思春期頃に最も大きく30〜40g程度に達し、成人後は1/2程度に小さくなるといわれています。T細胞がたくましく育つところ、それが胸腺といいましたが、じつはT細胞の95%ほどは、試験に脱落(だつらく)するきびしい選択(せんたく)の場所ともいわれています。

免疫細胞は骨髄(こつずい)のなかの造血幹細胞(かんさいぼう)から生まれて、次々に分かれて進化していきます。

自然免疫と獲得(かくとく)免疫の細胞

一次防御(ぼうぎょ)班:自然免疫貪食(どんしょく) 細胞である好中球(こうちゅうきゅう)やマクロファージ、情報役の樹状(じゅじょう)細胞、ウイルスに感染した細胞を攻撃(こうげき)し破壊(はかい)するNK細胞たちです。相手を記憶(きおく)しておくことはできません。
※貪食:食べつくすこと

二次防御班:獲得免疫T細胞とB細胞です。どんな相手にでもほぼ対応できますが、少し時間がかかります。自然免疫と違って、相手を記憶することができるので、2回目に出会うと、効果的に相手を攻撃できます。これを「特異性(とくいせい)」 といいます。
※特異性:そのものに備わっている特別な性質のこと

免疫細胞たちはからだ中をめぐる血液とリンパ液に乗って抗原(こうげん)をつねに探しながら、処理しています。リンパ液は、血液と違う一方通行の流れでからだ中を見張っています。

頭部・脚(あし)・手など全身から集まったリンパ液が血液にもどる場所が左右の「静脈角(じょうみゃくかく)」付近です。

リンパ液の流れって、上下から心臓に集まります。

リンパの流れ

からだ中の末端(まったん)、手や足の毛細血管からも組織液が染み出てリンパ液の流れに合流します。

リンパ液とリンパ管

心臓から全身に送り出された血液の一部は、毛細血管の壁(かべ)にあいた目に見えない小さなすき間から染み出し、細胞と細胞の間を満たす組織液になります。組織液は血漿(けっしょう)やリンパ球〈T細胞やB細胞など〉でできていて、この組織液がリンパ管に取りこまれたものをリンパ液といいます。リンパ管はリンパ液を再び全身をめぐる血液の流れにもどすはたらきをしています。

リンパ液

【リンパ管の構造】血管もリンパ管も全身に張りめぐらされていますが、血液がからだの中を循環(じゅんかん)しているのに対し、リンパ液は、からだの末端(まったん)からからだの中心に向かって、一方通行で流れています。リンパ管の内側には逆流させないための弁(べん)がついていて、まわりの筋肉が動くたびにリンパ液がからだの中心に向かっておし出され、心臓の手前にある太い静脈〈血管〉に合流しています。

リンパ管

リンパ節ってどんな役目

リンパ節は、とても大切な浄化作用(じょうかさよう)を担っているんです。リンパ節はからだのあちこちにあります。

リンパ節のしくみと構造

からだの各所に多数分布しているそら豆状の器官です。直径2〜20mmほどの大きさで人体内に400〜700個ほどが関所のように存在しているとされています。リンパ液中のいらない物を濾過(ろか)したり、免疫細胞たちが、皮膚(ひふ)などから入ってきた抗原(こうげん)〈細菌(さいきん)やウイルスなど〉とたたかって処理する場所でもあります。大きなリンパ節は、喉頸(のどくび)の下、両脇(わき)、腹部、脚(あし)の付け根、膝(ひざ)などにあり、あやしい微生物(びせいぶつ)を通さないように見張っています。

【リンパ節で活躍する免疫細胞たち】リンパ節内では、T細胞、B細胞、B細胞がパワーアップした形質(けいしつ)細胞、それに大食のマクロファージや連絡係の樹状(じゅじょう)細胞などが、リンパ節に入ってきた抗原をチームワークで処理しています。

免疫細胞(めんえきさいぼう)が最も多くいる場所

それは主に小腸の中にある粘膜免疫(ねんまくめんえき)システムで小腸の内表面はたくさんのヒダ状になっています。

粘膜免疫

免疫細胞の50%以上が集まる腸

【パイエル板〈免疫誘導(ゆうどう)組織〉】小腸、大腸に代表される広大な粘膜面(ねんまくめん)にはパイエル板と呼ばれる粘膜関連リンパ組織が作られています。ほかには眼、鼻、口、喉(のど)、気管支(きかんし)などに分布しています。

その構造はほかのリンパ節と違ってユニークなもので、小腸の粘膜固有層(こゆうそう)の場合は、上皮(じょうひ)細胞のあいだにM細胞がところどころに並んでいます。M細胞は抗原(こうげん)〈細菌やウイルスなど〉を直接に粘膜内に誘導(ゆうどう)して、免疫細胞たちに渡(わた)し、処理するはたらきをしています。発見者のスイス人医師パイエルにちなんで、この組織はパイエル板と名付けられました。

免疫のはたらきが、おかしくなると

アレルギー反応

花粉症(かふんしょう)と免疫の関係

ふだんはからだを守ってくれている免疫も、花粉などに誤って過剰反応してしまうことがあります。

日本の花粉カレンダー

「花粉症(かふんしょう)」

【どんな病気】花粉抗原(こうげん)による季節性アレルギー性鼻炎(びえん)のことをいいます。日本国内で多いのは、スギ花粉症ですが、北海道ではシラカバ花粉症が多く発症(はっしょう)しています。【主な症状(しょうじょう)】花粉はよく晴れた日中の風の強い日に飛びやすいので、そのような日には症状が重くなることが多いです。

鼻の症状:くしゃみ、みず鼻汁、鼻づまり、鼻腔(びくう)のかゆみなど

眼の症状:眼・まぶたのかゆみ、異物感、まぶしさ、なみだ目、充血(じゅうけつ)、目ヤニ、浮腫(ふしゅ)=腫(は)れなど

その他の症状:咽喉頭(いんこうとう)の違和感、かゆみ、咳(せき)、頭痛、発熱、不眠、倦怠感(けんたいかん)などです。【原因】花粉がからだに侵入(しんにゅう)した時にはたらく抗体(こうたい)〈免疫グロブリンEと呼ばれるタンパク質〉が原因といわれています。鼻の粘膜(ねんまく)には、アレルギー反応を伝えるマスト細胞がいくつも並んでいます。この細胞は、花粉が侵入してくると、鼻の粘膜に集まってきた抗体をしっかりとつかまえる性質があります。すると、この細胞の中のものすごい量の刺激(しげき)物質〈ヒスタミン※〉が細胞の外部にいっせいに放出(ほうしゅつ)されるのです。その結果、血管は拡張し、血管から体液が鼻の粘膜ににじみ出てきます。これがくしゃみや目のかゆみ、止まらない鼻水などの原因になります。

※ヒスタミン:外傷や毒素などで活性化されアレルギー症状を起こす原因となる情報伝達物質の一種。

免疫(めんえき)とアトピーの関係

アトピー性皮膚炎(ひふえん)。乳幼児から成人まで年齢(ねんれい)にかかわらず発症(はっしょう)し年齢によって発生しやすい部位が変わります。

アトピー性皮膚炎の年齢別部位の特徴

「アトピー性皮膚炎(ひふえん)」

【主な症状(しょうじょう)】皮膚(ひふ)が乾燥(かんそう)してかさついたり、強いかゆみをともなう湿疹(しっしん)が続く状態です。【原因】アレルギー性疾患(しっかん)の花粉症と同じく免疫(めんえき)グロブリンEとマスト細胞が原因ですが、これに免疫細胞(さいぼう)の好酸球(こうさんきゅう)がさらに加わって、刺激(しげき)物質を皮膚に放つことで起こります。主なアレルゲン〈アレルギーの原因物質〉特定の食品や添加物(てんかぶつ):
卵、大豆、牛乳、小麦、米、そば、落花生など
室内の塵(ちり):
ダニやカビ、ペット、花粉、皮膚の細菌(さいきん)など
刺激:
発汗(はっかん)、乾燥、衣類、シャンプー、石けんなどの洗浄剤(せんじょうざい)、化粧品(けしょうひん)など
精神的なストレス(最近の研究では、関わりを広くいわれています)
成人の場合:
かぜや過労、寝不足、不規則な生活など
女性の場合:
生理期間に皮膚炎を悪化させることがわかっています【治療(ちりょう)】原因となる好酸球は、ステロイド〈副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン〉に非常に弱いので、ステロイドをふくむ軟膏(なんこう)がよく使われます。【注意】血液検査で食物アレルギーが確認された場合は、医師と相談しながら問題が起こると思われる食品を一定の期間、摂取(せっしゅ)しないことを行います。この疾患(しっかん)は慢性的(まんせいてき)に続くのが特徴(とくちょう)ですので、医師からの注意事項(じこう)を正確に守りながら、気ながに治療を続けることが大切です。

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