日本では未だ使用が制限されている食品添加物 サッカリン

食品添加物

サッカリンはかつては、発がん性が指摘され、日本では未だ使用が制限されている物質です。

そのため、あまり耳馴染みのない名称と感じる人も多いと思います。

ではサッカリンとはどのような物質で、具体的にどのような用途に使われているか調べてみました。

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サッカリンとは

サッカリンは、無色透明の結晶、もしくは白色の粉末の形状をしている人工甘味料です。

1800年代後半にアメリカで発見され、すぐに商用化されるようになりました。ショ糖の約200〜700倍の甘さがあり、高濃度では苦味を感じられると言われています。

非常に甘いにもかかわらず、カロリーが低いためダイエットを目的とした飲食物に使われることもあります。

サッカリンは非水溶性であるため、チューインガムのみしか使用できませんが、これをナトリウム塩にした水溶性のサッカリンナトリウムによって様々な用途に使用することができます。

例えば、漬物や練り製品などの加工食品、醤油や味噌などの調味料、清涼飲料水、アイスクリームやジャムなどの菓子類に使用されています。

また、食品以外にも歯磨き粉や口紅、家畜の飼料などに使われています。サッカリンは、私たちがほぼ毎日使うような調味料や歯磨き粉など大変身近なものにまで使用されているのです。醤油の場合は、甘い醤油が好まれる地域では甘草・ステビア・サッカリンがよく目にする甘味料で特に九州の南部ではサッカリンの甘さが地場の醤油の味として根付いているそうです。

ちなみに、サッカリンは厚生労働省によると、許容一日摂取量は体重1キログラムあたり5ミリグラムまでとされており、安全性に問題がないということが確認されているようです。

サッカリンは過剰に摂取すると、血糖値が高くなる恐れがあったり、胃腸に負担をかけたりすることがあると言われています。

サッカリンの発がん性の指摘

サッカリンは、1960年代にアメリカで行われた動物実験により、弱い発がん性があるとみなされたため、日本を含む世界各国で使用禁止になった物質ですが、一旦使用禁止になったものの、後年になって先の実験結果が見直され、サッカリンに発がん性はないという見方がされるようになりました。
そして、各国で使用が再開され、日本でも現在は使用が認められているんです。

ただし安全性の観点から、法律で食品などへのサッカリンの使用量については定めがあります。

このようなことを背景に、近年、加工食品にはサッカリンの代わりとしてスクラロースやアスパルテームなどが多く使用されるようになってきているようです。

ちなみに、この時同様に発がん性の問題で使用禁止になった人工甘味料にズルチンやチクロと呼ばれる物質がありますが、サッカリンとは異なり、これらは日本では未だ使用禁止のままです。

一方で、最近になってサッカリンには抗がん作用があるという驚きの研究結果がアメリカで報告されています。従来の発がん性があるという印象がまだ十分に払拭できているとは言いがたいわが国の使用状況からすると、にわかに信じがたい事実です。

今後、さらに研究が進み、サッカリンが抗がん剤として使用されるようになる日もやってくるのかもしれません。

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