筋肉を気にする方、ダイエット中の方などはお肉を選ぶ時、牛肉ではなく鶏肉を選ばれると思います。
しかし牛肉は、筋肉の材料となる良質なタンパク質の宝庫です。
「ヒレ」の部位は脂肪分が少なく、脂肪燃焼を高めるカルニチンが多く含んでいるので、ダイエット中の方やアスリートにもぴったりの食材です。
そこで、牛肉の栄養とその効果、おいしい食べ方についてご紹介します。
タンパク質の宝庫 牛肉
牛肉の栄養成分と効果
牛肉の栄養成分と効果1・アミノ酸
体内で合成されない9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれ、特に赤身には脂肪燃焼効果の高いカルニチンがたくさん含まれています。
必須アミノ酸は1種類でも不足すると、他のアミノ酸の利用効率も低下するので、必須アミノ酸は量だけでなくバランスも大切です。
また、動物性タンパク質は植物性タンパク質に比べて体内に吸収されやすいので、筋力アップを目指す方は、肉のタンパク源を欠かさないようにしましょう。
牛肉の栄養成分と効果2・鉄
鉄分は血液中で酸素を運ぶ「ヘモグロビン」を作る材料になります。
鉄分が不足すると、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、酸素がカラダのすみずみに運ばれず、鉄欠乏症によるめまい・たちくらみなどの貧血を引きおこしてしまいます。
特に女性は生理や妊娠・出産にともない、失いやすい栄養素のため、十分に補給する必要があります。
肉や魚など動物性食品に含まれる鉄(ヘム鉄)は野菜・海藻など植物性食品に含まれる鉄(非ヘム鉄)より効率よく吸収されます。
非ヘム鉄は脂肪分が少ない点でダイエット中の方に好まれますが、鉄分の補給にはヘム鉄と非ヘム鉄の両方からバランス良く補うようにしましょう。
牛肉の栄養成分と効果3・ビタミンB1
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝を助けて、消化液の分泌を促進します。
お米やパン・麺類を多く摂る方は、積極的にとるようにしましょう。
また、神経機能を正常に保つ働きがあり、不足すると疲労や怠慢感が抜けづらくなり、イライラしたり集中力がおちたりしやすくなります。
牛肉の栄養成分と効果4・ビタミンB2
ビタミンB2は脂質のエネルギー代謝に関与し、脂肪の燃焼を高めてくれます。
エネルギーの消費量が多いほど、必要量が増えるので、アスリートや体力仕事が多い方は毎日の食事でしっかり補給しておきましょう。
ダイエット中の方も脂肪燃焼アップのために、しっかりと摂り入れておきたいビタミンです。
また、肌や髪・爪などの再生を助けて、肌トラブルの改善にも効果的なビタミンです。
牛肉のおいしい食べ方
肉は消化に時間がかかるため、生野菜や薬味など酵素が豊富に含まれる食材と合わせて摂るのがおすすめなんです。
大根おろし
アミラーゼ(デンプン分解酵素)・プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)・リパーゼ(脂肪分解酵素)の消化酵素を含み、消化を助けます。
酵素は熱に弱いため、生で食べると効果的です。
にんにく
香味成分のアリシンは、胃液分泌を促す作用や、タンパク質の分解を助ける酵素の働きがあります。
また、この成分は糖質の分解を促すビタミンB1の働きを高める作用もあります。
生姜
辛味成分のジンゲロンやショウガオールは胃酸分泌を調整して、消化を助ける作用があります。
また、タンパク質の分解を促すプロテアーゼ・ジアスターゼを含み、タンパク質の消化を助けて、胃もたれを防ぎます。
生姜焼きのように生姜と肉を一緒に調理すると肉質が柔らかくなるのは、これらの酵素の働きによるものです。
わさび
辛み成分のイソチオネードは消化液の分泌を高めて、食物の消化・吸収を助けます。
また、この成分は抗菌作用が高いため、刺身やユッケに添えられて、殺菌の増殖予防に役立っています。
ピクルス
ピクルスの調味料に使われるお酢は、胃酸の分泌を促して消化酵素の働きを助けます。
ソーセージに添えるキャベツの酢漬けや、ハンバーガーにはさんでいるピクルスは脂肪分の多い肉の消化を助けてくれるので、ぴったりの組合せですね。
牛肉とダイエットの関係
牛肉は脂質が多く、ダイエットに不向きと思われがちです。
しかし、ダイエット中に甘いものの欲求が高まる人は、タンパク質がしっかり補給できていない可能性があります。
タンパク質が不足すると、カラダはすばやくエネルギーに利用できる糖質を欲するからです。
また、タンパク質は腹持ちがよく、空腹感を抑えられるので、3食の食事の中でタンパク質食品をとり入れて間食を減らしていきましょう。
最後に
「お肉=ダイエットに不向き」のイメージがありますが、牛肉はアミノ酸バランスが優れ、脂肪燃焼を高めるカルニチンも豊富です。
食べるなら、比較的低脂肪で鉄分・ビタミンB群が豊富な「ヒレ」や「タン」を選んでみてはいかがでしょうか。
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