お酒好きな方は気になる臓器、肝臓。
健康診断で肝機能の数値が高いことを指摘された場合、どのように改善していくとよいか悩んだことないですか?
肝機能の数値が高くなるのはさまざまな原因がありますが、お酒の飲みすぎや食べすぎなどの生活習慣が原因となることもあります。
今回は肝機能の数値を高くしてしまいやすい生活習慣や、改善のためのポイントを4つ紹介します。
肝臓の働
肝臓は、人体の重要な臓器の一つであり、様々な生理学的機能を果たしています。
以下に、肝臓の主な構造や機能について簡単に説明します。
- 位置と構造:
- 肝臓は腹部に位置し、右上部に広がる臓器です。通常、下部のリブケージに覆われています。
- 肝臓は大きな臓器で、左右に2つの主要な葉(葉)に分かれています。右葉と左葉は、中央に位置する胆のうを挟んでいます。
- 機能:
- 代謝機能: 肝臓は栄養物の代謝に関与し、糖質、脂質、タンパク質の代謝を制御します。
- 解毒機能: 毒物や有害な物質を無害な物質に変換し、体外に排泄します。
- 貯蔵機能: 肝臓はグリコーゲン(体内のエネルギー源)やビタミン、ミネラルなどを貯蔵します。
- タンパク合成: 血液中のタンパク質の合成や、凝固因子の生成など、重要なタンパク合成機能を有しています。
- 胆汁生成: 肝臓は胆汁を生成し、これが胆のうを経由して小腸に送られ、脂肪の消化と吸収を助けます。
- 疾患:
- 肝臓にはいくつかの疾患があります。例えば、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がんなどがあります。これらの疾患は異常な食生活、ウイルス感染、アルコール摂取などが原因となることがあります。
- 再生能力:
- 肝臓は再生能力が高い臓器であり、損傷を受けても再生することができます。これは、肝細胞が分裂して新しい細胞を生成する能力によるものです。
- 健康のための注意:
- アルコールの過剰摂取や脂肪分の多い食事、ウイルス感染などが肝臓の健康に影響を与える可能性があるため、健康な生活習慣を維持することが重要です。
肝臓は身体において重要な役割を果たしており、その健康状態は全身の健康に大きな影響を与えるため、適切なケアが必要なんです。
肝機能の数値を高くしてしまいやすい生活習慣
健康診断では、主にAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP(γ-GT)の数値を測定し、肝機能の状態を判断しています。
これらの数値は、お酒の飲みすぎや食べすぎなどの生活習慣が原因で高くなることがあります。
肝機能の数値が高い状態を放置してしまうと、肝炎や肝硬変に進行して肝臓の働きをさらに低下させたり、肝がんの原因なったりする恐れがあるため、早めの対処が必要です。
どのような生活習慣が関連するのか、2つ取り上げてみました。
お酒の飲みすぎ
お酒を飲みすぎる習慣を長く続けていると、肝機能の数値を高くする原因となります。
肝臓はアルコールを分解する働きがあるため、お酒をたくさん飲むと、肝臓に負担がかかり続けてしまうのです。
お酒の飲みすぎが原因と考えられる場合、解毒作用に関わるγ-GTPの数値が高くなる傾向があります。
食べすぎ・肥満がある・運動不足
お酒をあまり飲まない方でも、食べすぎの習慣がある場合や、肥満がある場合、運動不足の場合は肝機能の数字が高くなりやすくなります。
摂取カロリーの多い状態、または消費カロリーが少ない状態が続くと、肝臓に中性脂肪がたまってしまうことがあります。
これは、いわゆる「脂肪肝」の状態です。
肝臓の細胞が壊れてしまうため、肝細胞に含まれるASTやALTの数値が高くなります。
特にALTは、肝細胞に主に存在し、ほかの細胞にはあまり含まれません。
そのため、ALTが高い場合は、食べすぎや肥満の生活習慣が関連している可能性が考えられます。
肝機能の数値が高いといわれた方が心がけたい改善のポイント4つ
生活習慣が関連している場合は、習慣の見直しにより改善が期待できます。改善のために見直したいポイントを4つ紹介します。
1.お酒は適量を心がける
お酒を飲む習慣のある方は、適量を心がけるようにしましょう。お酒の適量とは、純アルコール量で1日20g程度とされています。
ビールであれば500mL、チューハイ(7%)であれば350mLほどの量です。
また週に1日以上飲酒しない「休肝日」を設けるようにして、肝臓を休ませるようにしましょう。
お酒好きな方には少ないと感じるかも知れませんが、ご自分の健康の維持の為に頑張りましょう。
2.野菜たっぷりの食事を心がける
減量することで肝機能の数値の改善が期待できるため、食事のカロリーコントロールが大切です。
摂取カロリーを減らすにはさまざまな方法がありますが、まずおすすめなのが野菜たっぷりの食事を心がけることです。
噛む回数が増えて食べすぎを防げたり、カサがあるため満腹感が出やすくなったりするため、無理なくカロリーコントロールが可能です。
3.飲み物は無糖にする
甘いジュースを飲む習慣のある方は、無糖の飲み物に切り替えるようにしてみましょう。
ジュースには砂糖や果糖が含まれ、肝機能の数値を高くする原因になると考えられています。
麦茶や緑茶、ブラックコーヒーやストレートティー、炭酸水などの無糖のもので水分補給をする習慣を身につけましょう。
4.適度な運動を行う
運動により消費カロリーを増やすことで、肝機能の数字改善が期待できます。
有酸素運動で効果があると考えられていますが、最近では筋力トレーニングでも効果が期待できるということがわかってきています。
運動習慣のない方が運動をはじめる場合は、無理なく続けられる、ウォーキングなどの軽い強度の運動から取り組むようにしましょう。
5.睡眠時間を確保する
肝臓に限らず体をいたわる最大の効果を得るのは良質の睡眠です。
忙しく睡眠時間が確保するのが難しい方は、質を上げる事を実践してみてはいかがでしょうか。
最後に
肝機能の数値が高い場合は、生活習慣以外にも、ウイルスや薬物などのほかの原因が考えられる場合があります。
肝機能の数値が高いと指摘された場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従うようにしましょう。
また治療中の方の場合は、必ず医師に相談したうえで食事療法と十分な睡眠を続けていけるようにしてください。
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