健康なからだをつくるには栄養バランスのとれた食事が欠かせません。食事の栄養素は特定のいいものだけ、一部の栄養素だけとれば効果的に働くわけではありません。バランスよく摂取することで効果的に働くものです。栄養バランスのとりかたと、それぞれの栄養素の働きをしらべてみました。
バランスのとれた食事
栄養バランスのとれた食事とは、ごはんなど穀類の「主食」を基本に、肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質主体のメーンのおかず「主菜」、たっぷりの野菜、きのこ、海藻などの「副菜」、そして「汁物」を組み合わせた和定食が理想的です。そして、一日の必要摂取量を意識して、カロリーをとりすぎない工夫をすれば、完璧に近づきます。
バランスを揃えるポイント
理想のバランスに揃える簡単なコツとして、まず、食卓に3色の食材を揃えるようにしてみましょう。3色とは、
・ごはん、パン、麺類などの主食となる、糖質中心の「黄」
・肉、魚、卵、大豆などメーンのおかずとなる、たんぱく質中心の「赤」
・野菜、きのこ、海藻などの副菜となる「緑」とまずは簡単に覚えましょう。
3つのグループの役割
「黄」のグループ
黄色グループの米飯、パンなどの穀物類に多く含まれる糖質は、いわゆる「炭水化物」です。炭水化物は、からだに吸収され血中で糖となります。この糖は、すぐにエネルギーになりやすく、からだや脳を動かす即効性の高いエネルギー源として使われます。しかし、エネルギーとして使われずに余ると、インスリンというホルモンによって脂肪に換えられ、体内に蓄えられてしまいます。食事をしてすぐにパワーを出すために大切なエネルギー源ですが、余分な糖質は脂肪のもとになるので摂り過ぎは禁物です。カロリーの摂りすぎを防ぐには、まずは黄色グループの主食の量と調理法で調整するのが簡単です。
「赤」のグループ
赤色グループの魚、肉、卵、乳製品、豆類には「たんぱく質」が豊富に含まれています。このたんぱく質は消化吸収されると「アミノ酸」に分解されますが、いろいろな種類があり、それによって分解されてできるアミノ酸の種類や生理作用も異なります。アミノ酸は、筋肉をはじめ、内臓、髪、爪などの成分で、ホルモンや酵素、免疫細胞も作ってくれる優れものです。身体細胞の基本成分であり、遺伝子情報のDNAもアミノ酸から作られています。アミノ酸は大きく分けて2種類あり、体内で他の成分から合成できるアミノ酸と、体内では作ることができないため、どうしても食べることで摂取しなくてはならない特別なアミノ酸「必須アミノ酸」があります。 このため、さまざまな種類のアミノ酸を含むたんぱく質をしっかり摂らないと、免疫機能が低下して病気にかかりやすくなったり、生理不順などホルモンのバランスが崩れたり、筋肉が衰え、髪や爪に潤いがなくなったり、いろいろな不調を引き起こします。
「緑」のグループ
ダイエットしたい人にとって大事なポイントなるのは緑のグループ。このグループの食材は、ビタミン・ミネラルが豊富でカロリーが低いものが多いので、このグループを積極的にたくさん食べて満腹感を出すように利用すると、満足感もありカロリーの摂り過ぎが防げます。
三大栄養素の一つ、「脂質」について
このほか三大栄養素のひとつとして「脂質」があります。脂質は、肉の脂身や揚げ物、バターなどの「あぶら」だけでなく、青魚、乳製品、ナッツやアボカドなどにも含まれているんです。脂質には、エネルギー効率のよい貯蔵源としての役割だけでなく、細胞膜や臓器、そして神経などの構成成分となったりビタミンの運搬を助けたりするなどの重要な役割があります。
さらに、最近の研究ではさまざまなホルモンを分泌したり調整する機能があることもわかってきています。美しい肌や髪のためにも、ある程度の脂質が必要です。とくに青魚やくるみ、アマニ油、シソ油などに含まれる「オメガ3」や、オリーブオイルなどの脂肪酸には知っておきたい効果があります。それは、コレステロール低下や血圧の改善にも役立っています。脂質の摂りすぎには注意したいものですが、「あぶら」ということですべてを敵視せず、魚や木の実などの質のよい脂質は上手に組み合わせて積極的に摂るようにしましょう。
コメント