人は食べた物で創られる 健康に良い食べ物

健康維持

健康になるため野菜不足の解消にと野菜100%のジュースを飲んでいる人がいます。

また、βカロテンやリコピンといった成分を気にして意識して摂取してる人もいます。

私自身もそうして野菜不足を補っているつもりでいました。

テレビ番組などで紹介された食材をそのまま信じて食べ続けてる人もいます。

実は、生の果物をそのまま食べるのは健康に良いが、果汁100%のフルーツジュースは健康に悪いことが、複数の研究からわかっているんです。

βカロテンやリコピンといった成分が体に良いという科学的証拠(エビデンス)は実は現段階ではないんです。

と言うことを耳にして、少し調べてみました。さまざまな食材をエビデンスベースで5グループに分類してみました。

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科学的根拠がない健康情報が多い

インターネットの発展もあり、健康に関する情報が入手しやすくなりましたがその一方で多くの間違った情報も多くなりました。今自分が信じている健康情報は本当に正しい情報なんでしょうか。

「科学的根拠のない健康情報」とは、一見正しそうな以下のようなものが該当します。

① 炭水化物は健康に悪く、食べると太る。
② βカロテンやリコピンは健康に良い。
③ 果汁100%のフルーツジュースは健康に良い。

などこれらはすべて間違いと言っていいかもしれません。(諸説ありますが)

「炭水化物は健康に悪く、食べると太る」という考え方は、実は正確ではなく炭水化物の中にも「健康に良く、食べても太りにくい炭水化物」(健康に良い炭水化物)と、「健康に悪く、食べると太る炭水化物」(健康に悪い炭水化物)があるからです。

「健康に良い炭水化物」とは、玄米、全粒粉、蕎麦のように精製されていない炭水化物のことであり、「健康に悪い炭水化物」とは、白米、小麦粉、うどんのように精製されている炭水化物(砂糖もこれに含まれる)のことなのです。

βカロテンを含んだ緑黄色野菜そのものは病気の予防に役立つと考えられていますが、緑黄色野菜からβカロテンを抽出しサプリメントとして摂取すると、逆に膀胱(ぼうこう)がんや肺がん(ただし喫煙者に限る)の発症率が高まることが、複数の研究によって明らかになっています。

リコピンに関しては有害であるという研究結果がないだけまだましかもしれないが、抽出されたリコピンを摂取することで病気を予防したり死亡率を下げたりするということを示した研究はないそうです(リコピン摂取によって悪玉【LDL】コレステロールが減ったという小規模な研究が2007年と2013年に発表されましたが、実際に脳梗塞などの病気を予防したという研究結果はないとの事)。

どのような「食品」を食べるのかが重要であって、それに含まれる「成分」だけにとらわれてはいけないということを教えてくれるよい例だと思います。

「果汁100%のフルーツジュースが健康に良い」という考え方も正しくないです。

実はフルーツジュースと加工されていない果物とでは、健康に対する影響が180度異なることがわかっています。

最新の研究によると、フルーツジュースを多く飲んでいる人ほど糖尿病のリスクが高い一方で、果物の摂取量が多い人ほど糖尿病のリスクは低いことが明らかになっています。

果物の中でも、ブルーベリー、ブドウ、リンゴを食べている人では特に糖尿病のリスクが低くく体重との関係においても、フルーツジュースを飲む人ほど体重が増加している傾向がある一方で、果物を食べている人ほど体重は減少していると報告があります。

これに関しては加工段階で加えられる添加物の影響かもしれません。

成分表を見て糖質が特に高い製品が多いのも事実です。

医師や栄養士が正しいとは限らない

「でも、医者や栄養士がそう言っていたから」と思う方もいるかもしれません。

専門の資格を持っていると正しいことを発信しているように見えますが、残念ながらそうとは限らないのが現状です。

医学部ではあまり食事や栄養のことを習わないため、医師は食事に関するきちんとした知識を持っていないことも多いのです。2008年に行われた調査の結果、アメリカの医学部のわずか27%でしか最低限(年間25時間)の食事や栄養に関する授業が行われていなかったことが明らかになっています。

アメリカの医学部ですら、食事と栄養のことを充分時間をかけて教えていないことが問題視されているので、日本ではもっと遅れていると思われます。

栄養士は、「このような食事をすれば健康になる」というルールを一般人に指導することに関しては秀でていますが、そのルールがそもそも本当に科学的根拠に基づく正しいものであるかどうかを判断するために必要な専門知識(統計学や疫学と呼ばれる学問)を持っていない人もいます。

また、「〇〇が健康に良い」という情報は、商品の売り上げに大きな影響力を持つため、科学的根拠のない健康情報がマーケティングの一環として利用されてしまっているという側面があることも忘れてはいけないのも事実です。

健康に良いかどうかで5つのグループに分けて考える

単純化して考えてみると、すべての食品は5つのグループに分けられます。

健康に良いことが複数の研究で明らかになっている食品をグループ1として、健康に対して悪影響があることが複数の研究で示されているものをグループ5とするものです。

論文はあるものの少数の研究でしか健康に良い可能性が示唆されていない食品はグループ2、逆に少数の研究で健康に悪い可能性が示唆されている食品はグループ4、そのどちらにも当てはまらず、健康へのメリットもデメリットも報告されていない食品がグループ3です。

そうすると、私たちが日々口にしている食品のほとんどは中間のグループ(グループ2、3、4)に該当すると考えられます。

皆さんが新聞やテレビなどのメディアで毎日のように目にしている「体に良いということが最新の研究で明らかになった」とうたわれる食品のほとんどはグループ2の食品に当たります。

つまり、健康に良いという研究結果が1つ2つあるかもしれないが、本当に体に良いのかどうかまだ確定的なことは言えない段階の食品です。

数カ月後には同じ食品が「最新の研究で健康に悪いことがわかりました」というニュースを目にすることになるかもしれないし、実際にそういったことはしばしば起こっています。

そのような「賞味期限の短い健康情報」に一喜一憂することにあまり意味はないく目新しさや話題性はないかもしれないが、すでに健康に良いことが長年の研究から支持されている食品を日々の食事に取り入れることこそが重要だと言えると思えます。

長生きするためには、科学的根拠に基づいた正しい食事をとることが最も確実だと思います。どのような食事をとれば、がんや脳卒中などの病気になりにくくなったり、長生きできるようになるかに関しては数多くの研究結果が存在しています。

この、科学的根拠に基づいた本当に健康になれる食事を理解しておけば、ちまたにあふれる「最新の研究結果によると……」という枕詞ではじまる玉石混淆な情報に惑わされることも少なくなるでしょう。

この分野における研究の数は多く、科学的根拠の層が厚いため、1つ2つの「最新の研究」によって結論が覆ることは考えにくいからです。

不動の「本当に健康に良い食品」は5つのみ

では、具体的にどのような食事すればいいのか。健康を維持し長生きするには、前述のグループ5の健康に悪い食品をグループ1の健康に良い食品と置き換えればいいのです。

数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品は、

  • ①魚
  • ②野菜と果物(フルーツジュース、ジャガイモは含まない)
  • ③茶色い炭水化物
  • ④オリーブオイル
  • ⑤ナッツ類の5つだけです。

逆に、健康に悪いと考えられているのは、

  • ①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
  • ②白い炭水化物
  • ③バターなどの飽和脂肪酸の3つです。

白米や小麦粉を使った白いパン、うどんといった精製された炭水化物、牛肉や豚肉、バターは避け、玄米や全粒粉を使ったパン、蕎麦、魚、野菜、果物、オリーブオイル、ナッツなどに置き換えることです。

このような食事をすることで、脳卒中、心筋梗塞、がんなどの病気を減らし、健康を維持したまま長生きする確率を上げることができると考えられます。

注意してほしいのは、加工肉、赤い肉、白い炭水化物などは「体に良くない」と言ってますが、「食べるべきではない」とは言えません。

甘いものが好きな人にとっては甘いものを食べることで幸せな気持ちになり、幸福度が上がります。

そういう人にとっては、甘いものをゼロにすることで健康にはなるけれども人生がまったく楽しくなくなってしまうでしょう。

そのような場合には、幸福度と健康をてんびんにかけて、毎日少量の甘いものを食べるという食事を選択することが合理的な判断と思います。

食事によって得られるメリットとデメリットを十分理解したうえで、何を食べるかを選択することが1番大切だと思います。

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