公演のご祝儀・慶事の贈答全般に 角樽(つのだる)

信仰・縁起物

「角樽」は、樽の左右から突き出した把手(とって)に、持ち手の柄を渡した酒容器です。婚礼や結納で使われることが多い樽ですが、誕生、新築、開店、創業記念、還暦・米寿、公演のご祝儀など慶事の贈答全般にご使用いただけます。

角樽を結納として贈る際には、外箱から出して、蝶花(ちょうか)や呑み口をセットします。月桂冠の角樽は蝶花がセットになっているため、必ずしも熨斗(のし)を付ける必要はありませんが、贈り主がわかるようにするため樽の胴や外箱に付けられる場合もあります。

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角樽の由来

由来は室町時代に遡り、慶事の贈答に使用されていたことから、現在も縁起物として活用されています。

「柳樽」(やなぎたる)

角樽は「柳樽」と呼び、室町時代頃から使われていた運搬用の酒容器が原型です。樽づくりの技術が未熟だった当時のこと、柳の木は柔らかいので加工しやすく、水分をよく吸収するため隙間から液体が漏れにくいという利点がありました。その後、柳樽の把手を角のように立派にして杉材で作られ、朱漆や黒漆を塗り、慶事の贈答に用いられるようになりました。結納の目録には、もともとの柳樽の呼び名をもじって「家内喜多留」と記され、「やなぎだる」と読まれます。語呂合わせから、一升(一生)入りや、商家では半升(繁盛)入りがよく用いられてきました。

角樽の構造

祝樽の一種で江戸時代、婚礼、祭礼、上棟などの祝儀のおり酒を贈るのに使用します。厚地の板を使用し、太い竹たがをはめた酒樽で、とくに柄の部分を上に長く角のように張り出させた朱または黒塗りの樽で、江戸時代、小売酒屋が得意先へ酒を配達するのに、手桶(ておけ)のような長い柄をつけた柄樽(えだる)を使用していたそうです。角樽はこの柄樽が分化発達したもので、伸びた両柄の上部に横木を渡して手に提げるが、この横木が下に移動し、柄が装飾性を強めて太く大きくなったものが角樽です。角樽には、五合、一升、三升入れなど大小あり、二樽を一荷として元は実際に酒を入れて贈答していたが、のちにはまったくの飾り物となり、酒屋がこれを用意しておき、お客の注文によって酒切手や樽酒、瓶詰の酒などに添えて、貸樽として届けます。現在でも、東京の下町や江戸の名残(なごり)をとどめる小都市では、祭礼や上棟式などに角樽を飾る風が残っています。

一般的に樽の形に合わせたガラスびんに酒を詰め、外容器となる角樽にセットしています。木製の樽に直接酒が入っているわけではなく、中身の酒は樽酒ではありません。
角樽は容器上部にあるびん口に、付属の呑口(のみくち)を取り付けて、酒を注ぐことができます。

角樽を廃棄すには

角樽の外容器の材質は、本漆塗りの木製と、プラスチック製との2種類があります。内容器はガラスびんを用い、そのキャップは金属製です。
外容器(木製またはプラスチック製)、内容器(ガラスびん)、キャップ(金属)を分別していただき、お住まいの自治体が指定する方法に従って廃棄してください。

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