「卯月」ってなんとなく卵の漢字に似てませんか。けど卵と関係なくある月の別名ですが、お分かりですか。
昔の人達は月の名前を数字の1月、2月、3月などではなく、その季節に合った名前を付けていたそうです。いつだか聞いた記憶はあるのだけれども、今の日常生活で使うことも少ないので、いつの間にか忘れてしまったという人も多いかと思います。記憶を呼び覚ますため「卯月」について調べてみました。
卯月って何月?
卯月は「4月」のことで、読み方は「うづき」と読みます。もともと卯月は旧暦の4月を指す言葉でした。現在は旧暦4月=新暦4月と考え、卯月を新暦の4月の別名(異名・異称)として使用しています。
しかし、旧暦は太陰太陽暦という暦を使用していたため、単純に新暦(グレゴリオ暦・太陽暦)に当てはまりません。旧暦の4月を新暦に換算しますと4月下旬から6月上旬ごろに当たり、一ヶ月ほどズレが生じています。
卯月の意味と由来
卯月には「卯の花が咲く月」という意味があり、これが略されて「卯月」となった説が一番の有力です。※卯の花とは、アジサイ科ウツギ属のウツギ(空木)に咲く花のことです。
卯の花というと「おから」ことを思い出す方もいらっしゃるかもしれませんが、ウツギに咲く卯の花がおからに似ていることが由来となっているそうです。
その他、十二支の4番目である「卯(うさぎ)」を4番目の月に当てはめたという説。
稲を植える月という意味の「植月(うゑつき)」「種月(うづき)」「田植苗月(たうなへづき)」「苗植月(なへうゑづき)」が「卯月」に転じたという説もあります。
卯月の時期は稲を植え、農耕が始まる月であることから、万物が生ずる循環の始まりを意味する、「初(う)ぶ」や「産(う)む」の「う」から卯月となったという説、などがあります。
卯月の別名、異名、異称
4月(卯月)の別名、異名、異称を調べてみました。
●夏初月(なつはづき)
「夏の最初の月」という意味があります。
旧暦の季節の分け方は、1月・2月・3月が「春」、4月・5月・6月が「夏」、7月・8月・9月が「秋」、10月・11月・12月が「冬」ですので、4月は夏の最初の月にあたります。
●初夏(しょか、はつなつ)、首夏(しゅか)
夏の初めという意味があります。
●乏月(ぼうげつ)
前年に採れた米が無くなり、麦の収穫もまだの時期で、穀物が乏しくなってくる月という意味です。
●孟夏(もうか)
夏の初め、初夏という意味があります。
「孟」には季節の最初という意味があり、孟夏の他に、孟春(もうしゅん)、孟秋(もうしゅう)、孟冬(もうとう)があります。
●卯花月(うのはなづき)
卯の花が咲く季節という意味です。
●木葉採月(このはとりづき)
養蚕(ようさん)に必要な桑の葉を摘み採る月という意味です。
●花残月(はなのこしづき、はなのこりづき)
北日本ではまだ桜が残っていて、花を楽しめる時期という意味です。
●鳥待月(とりまちづき)
暖かくなってやってくる渡り鳥を待つ月という意味です。
●麦秋(ばくしゅう・むぎあき)
麦が実り、収穫期を迎えた時期という意味です。農作物の収穫期は多くが秋なので「麦にとっての秋」ということで名づけられたそうです。
卯の花
4月といえば、ぽかぽかの春がやってきて過ごしやすい季節となり、新年度の始まりで新しい生活をスタートさせる人も多い季節です。
最後に
卯月って今では4月下旬から6月上旬ごろにあたりますから初夏なんですね。卯月の別名は初夏を感じさせるものが多くあって、4月を春のイメージととらえるとちょっと不思議に思えてしまいました。
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